今日はフュッセン (Füssen)の周辺観光の日。それなりに計画を立てていたのだが、その計画がいきなり崩れる。
今日の予定。12時にリンダーホーフ城を予約。以上。
なんでこの完璧すぎる計画が破綻したかというと、悪いのは嫁だ(出たー、人のせい)。どうせ嫁は10時くらいまで起きてこないだろう。それからでかけたら到着予定時刻は12時とか?…と思ってたら、ホリデー期間中でやる気があるのか何なのか、午前8時には朝ごはんを食べる気満々だった。かくして予定よりも2時間も早く行動開始。そりゃ計画も破綻する。
ここで登場するのがおなじみ我らが引きこもり王、ルートヴィヒII世。彼が建設したお城は3つ。ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ城、そしてヘレンキムゼー城。引きこもり王がヴェルサイユ宮殿を訪問して触発されて、「そうだ!山の中に別荘を作ろう」と作ったお城が今から訪れるリンダーホーフ城。あまりにざっくりしすぎた説明ですが、概ね間違ってないと思う。
件のリンダーホーフ城、よく言えば、谷間の静かな森の中に佇んでいる。悪く言えばなんでこんなところに建てたの?!というとんでもなく辺鄙な場所にある。実際公共交通機関(バス)で訪問するのはかなり難易度の高い場所らしい。すいません。自分の車で行ったのでこのへんはよくわかりませんけど。
フュッセン (Füssen)からリンダーホーフ城を車で訪問しようとするとまずは南下し一度オーストリアに入り、谷筋を登り、ちょっとした山越えをして、今度は谷筋をちょっと下る必要がある。直線距離なら20キロもないのにノイシュヴァンシュタイン城の後ろにある山を回り込まなければいけないからこんな遠回りになる。距離にして40キロちょい、小一時間の道のり。ちなみにドイツから出ないように山を逆(北)から回り込むと60キロほどの距離になる。ぐるっと1周したのでこの100キロちょいの道をこの1日で走ったわけですが。
ちょっと聞いてほしい。大事なこというからね。
フュッセン (Füssen)からリンダーホーフ城までのオーストリア経由の道はいいぞぉ。こんな感じの交通量の少ない湖畔(プラン湖=Plansee)の道を楽しめます。その気があるならフュッセン (Füssen)で自転車か電動アシスト自転車を借りてリンダーホーフ城までサイクリングとかいいかもねぇ。
とにもかくにも、リンダーホーフ城は峠を超えしばらく走っていると唐突に現れた。いや、現れたのは「←リンダーホーフ城」という標識だけ。ホントにこんなとこにお城があるんかいな。
駐車料金は€2なり。安いと言えば安いが、こんなところで駐車料金取るんかいっという考え方もできる。
ビジターセンターではまず、コロナワクチンの接種証明書を求められ、私たちの住所などを書いた上の提出を求められました。これを済ませた上で、通常の「受付」へ。
最初に書いた通り、正午のガイドツアーを予約していたのだが、現在午前10時。ツアーの時間を変えられますかとダメ元で聞いてみたら問題ないとのこと。たぶん朝早すぎて枠が空いていたのだと思われる。
ここから森の中を5分ほど歩くと、リンダーホーフ城の横に突然出てきた。今度こそ言える。リンダーホーフ城が唐突に現れたと。
見た瞬間に思ったこと。奇人の意見ですが、「ダブリン郊外にあるパワーズコート庭園に似てる。」
いや、パワーズコートの3倍はすごいですよ(弊社基準による)。なんだけど、そう思っちゃったんだから仕方ない。
うまく説明できる自信がないからGoogle Earthさんという文明の利器に頼ることにします。これで通じるかなぁ。すり鉢状の自然の地形を最大限に利用してすり鉢の底にお城と噴水を置いて、その周りを庭園にしているのね。
とりあえず内部を見てきた。ツアーは12人で催行。ソーシャルディスタンスはおおむね保たれており、関係者各位の努力を感じました。
残念ながら、内部は例によって撮影禁止。2階はまあ、豪華絢爛キンキラキンにさりげなく。まばゆいばかり…なんだけど建物自体そんなにでかくないのよ。
こんな立派な庭とキンキラキンなお城を構えたにもかかわらず、我らが引きこもり王ルートヴィヒII世は昼夜逆転した生活を送り、食事は階下からテーブルが登ってくるからくりまで作って人との接触を避けたというんだから恐れ入る。人を招待するわけでもないのにこんな立派なお城と庭を作ってどうすんの…と正直思った。
今回の旅行で訪問したお城の中で、リンダーホーフ城は私たち夫婦の総意としてMVP賞を贈られることとなる。中も良かったけど、とにかく庭が素晴らしい。正直ノイシュヴァンシュタイン城よりこっちのほうがオススメです。
とりあえずお庭を紹介。
すり鉢状の庭の一番上から見たリンダーホーフ城。
すり鉢状の逆の一番上からの図。
どうよ。この計算しつくされた造形美。いやさ、別に私がこの庭を作ったわけじゃもちろんないし、縁もゆかりもあるわけないんだけど、なんか素晴らしすぎて自慢したい気分なのよ。
さて、このリンダーホーフ城のもう一つの見どころはヴェヌスの洞窟。ノイシュヴァンシュタイン城と同様にワーグナーのオペラをモチーフにしたとされる人工の洞窟があるのよ。ただしこちらはお城の中ではなく、広い庭園の中。さっきの説明で言えばすり鉢の一番縁の部分に別の建物があるらしい。行こまい行こまい。
ところが!
2024年まで改修中。そりゃないぜセニョリータ。
ここがそうらしいんだけど、これじゃ何がなんだかさっぱりわかりませんね。がっかりです。
庭の中にはほかにもいくつかの見どころが点在。
というわけで、リンダーホーフ城は大いに楽しめました。
そこから車で10分ほど走るとエタール(Ettal)という小さな村がありましてね、ここにまた有名なエッタール修道院(Benediktinerabtei Ettal)というのがありまして。バロック様式の教会がすごいらしい。
村外れの駐車場に車を停めて目についたもの。
なんじゃこりゃ?
どう説明したらいいの。後輪を何を血迷ったか中央に寄せた車が何台も停まっている。なぜこんな魔改造をしたの?そして、この車が公道を走れるの?ナンバーまで付いてるからきっと走れるんだろうけど不思議でならなかった。走行は安定しているんだろうか。高速で走行できるんだろうか。持ち主が近くにいるなら聞いてみたかった。
今ナンバーにぼかしを入れる作業中に気がついちゃった。www.ellenator-gmbh.deという大ヒントがナンバー枠に書いてあるじゃないの。行ってみて理解。この特殊な車、A1カテゴリ、つまりはバイクの免許で乗れる。早い話が18歳じゃなくて16歳から乗れると。まあ、だからといってこの、特殊な改造のせいでお高くなっていると思われる車を買えるボンボンがどれくらいいるかは謎ですけどね。
って、エッタール修道院(Benediktinerabtei Ettal)の話でした。エッタール修道院はね、また空から見てもらったほうがわかりやすいわ。
中庭の「田」の字の真ん中に立つとこうなる。
中に入ると、天井画がすごい。
実はエッタール修道院(Benediktinerabtei Ettal)はありがちながら醸造所を持っているらしいです。回数は少ないものの見学ツアーなどもあるらしい。ただ、これを計画に組み込もうとすると時間の制約が多くなりすぎて1日で回りきれなくなる恐れも。
個人的におすすめだったが中にあった本屋さん。もちろん宗教関連の本が多かったのだけど、すごくいい感じに展示されていて楽しめた。あ…写真撮るの忘れてたし。
ここから車で数分の距離のところにあるのがオーバーアマガウ(Oberammergau)という村。一言でいうと、人を迷子にさせる村でした。…こいつは何を言い出すのかと言われそうですが、少なくともそう思ったのは事実。なんかやたら道が入り組んでいて、自分がどちらに向かっているのかわからなくなりやすい村でした。
という理由でこの村が人気なはずはもちろんなく、「10年に一度村人総出で行われるオーバーアマガウの受難劇がつとに有名」らしいです。正直ここに寄ったのは
休憩したかっただけ。アイスはいまいちでした。
個人的に気に入ったのはタイムリープしたのかと思うような電気屋さんのショーウィンドウ。これが普通に営業中というのだから恐れ入る。
そして車でさらに30分ほど走ると、本日最後の目的地、ヴィースの巡礼教会(Wieskirche)。1日に二度も教会を訪れるとはこいつはなにかに目覚めたか…と思われそうですがもちろんそんなことはなく。
今日訪れたすべての場所に当てはまることは「なぜここに?」という違和感。リンダーホーフ城もエッタール修道院(Benediktinerabtei Ettal)もヴィースの巡礼教会(Wieskirche)も周りに何もない田舎にぽつんと存在するのだ。
リンダーホーフ城もたいがいだったけど、ヴィースの巡礼教会(Wieskirche)のポツネン感はリンダーホーフ城をも超えていた気がする。とりあえず駐車場(€2で2時間…食事や宿泊でもしない限りそれ以上滞在する人はいないと思う)に車を停め行ってみる。
こんな感じ。リンダーホーフ城が森の中にあったのに対し、こっちは野原にぽつんと建ってるからポツネン感がさらに3倍増し。
こんな太平洋ひとりぼっち状態なのに中はと言えば
これよ。これまたすごい天井画。
この日の私の作った観光ルート、回ってみて思いましたが、よくできてました。自分で言ってりゃ世話ないですが、もしあなたが車でノイシュヴァンシュタイン城の周辺観光を1日でしてみたいとおっしゃるのなら、このルートは完璧だと思うのでご参考まで。
フュッセン→43キロ(46分)→リンダーホーフ城→11キロ(13分)→エッタール修道院→5キロ(7分)→オーバーアマガウ→26キロ(27分)→ヴィースの巡礼教会→27キロ(30分)→フュッセン
総移動距離は112キロ、時間は2時間です。のんびり見学して、エッタール修道院かオーバーアマガウでお昼ごはんを食べても1日で余裕で回れます。
https://goo.gl/maps/9tkZzuZLPFRyKy369
おまけ。フュッセン最後の夕飯は「1回くらい試してみようよ」という嫁のリクエストにお応えしてホテルでいただくことにしました。例によって「コロナ対策」の名目でわざわざ外で食べました。
ホテルに戻ってきたので当然お酒も飲めます。嬉々として白ワインを注文。しかし…ぬるい。完全に室温。ということをウェイトレスさんに伝えました。どうなるかとおもったら
氷を持ってきてくれました。そう来ましたか。まあ、そういう飲み方がないわけじゃないけど、クレーマー気質の方なら怒り出してもおかしくなさそうなところですが、おもわず笑ってしまいそして美味しくいただきました。
軽くサラダにしたつもりでしたが…それでも結構なボリュームがありました。
37.6℃のため、引きこもっています。普通ならこれくらいで、勤務するところなんですが、まあ、ご時世で。でも日本人、流行していないのになぜマスクをし続けるのか謎です。
なかなかいいお城と修道院、車のお話と楽しみました!
37.6℃は立派に高熱です。いつも体温が低い私ならうんうん唸ってるレベルです。お大事に。
マスクはどうなんでしょうね。テレビのニュースとかでしていないのを見ると違和感を感じるほどにするのが当たり前になってしまいましたねぇ。
体温低いですよ。二週間前から異様にだるかったのですが、ついに熱が出ました。仕事柄ストレスをため込みやすいのです。今は元気ですが、家にいると,18歳にゃんこが「一緒に寝よう」と誘ってくるので何も出来ません。w
私はマスクは公共交通機関とお店利用のみしていますが、みんな阿呆みたいにマスクしていますよ。1人で車を運転している人もマスクをしていて、はああです。
よくマスクつけて運転できますね。この前うっかり外し忘れたら、眼鏡が曇って何も見えなくなりそうだったので慌てて外しましたよ。
とりあえずお元気になられたようで何よりです。
リンダーホフ城がすり鉢の底にあるのは、噴水を設置するためなんじゃないでしょうか。この時代、当然電動ポンプなんぞない訳で、そうすると高いところから水を落とすしか噴水を上げる方法がないという。
あと二つの教会は、これでもかという「ヨーロッパ感」がありますねえ。飾り立てるにも程があるというかこれぞ教会というか。ドイツの「ど田舎」にこれがあるというのが凄いのか、むしろ「ど田舎」だから残っているのか、一体どっちなんでしょう。
日本でも、こんな山奥の山の上に、重機もない時代にこんな大きなお寺を建てたなあというようなところがありますけど、そんな感じなんでしょうか。
なるほどっ!そこまで考えての場所選びだったのかもです。現代みたいな力技は使えませんもんね。
2つの教会、かなりコテコテ系な気はします。現地ではあの「天国のドア」が気になって気になって仕方ありませんでした。ええ、ユーミンの曲が脳内に…。