お知らせ。本日のお話は、現地に行った私が事前調査でよくわからなかったな…と思う情報を網羅すべく、実際にノイシュヴァンシュタイン城およびホーエンシュヴァンガウ城を今後、特にこのコロナの影響が残る中で訪問する人を意識して書いてます。なので、地名や値段などがしつこく書かれていますのでご了承ください。
かような目的でこのページに辿り着いた皆様、誠に恐縮ですが拙サイトは「ご訪問ありがとうございます」で始まり、「最後までお読みいただきありがとうございました」で終わるような慇懃なサイトではございません。でも必要な情報は網羅しているつもりですのでよろしく。
翌朝。いきなり旅のルール:食事はテラス(外)で食べるものとする。室内はダメ…を破りホテルの屋内のレストランでビュッフェスタイルの朝食。コロナ対策はマスクに加えて使い捨ての手袋を使用すること。こんなもんにどこまで効果があるかは疑問ですが、規則らしいので使い捨ての手袋をしていろいろ選ぶ。
私のような貧乏人にはビュッフェスタイルのご飯はよろしくない。元を取らねばと食べすぎてしまう。しかもさあ、いつもはパンとジャムとかなのにハムとか肉系のものがあるから「もとを取ろう」と食べ慣れないものに走る。なお、ビュッフェの写真はない。手袋した上でスマホ触って写真撮ってたら手袋の意味ないでしょ…というのが言い分です。
本日の予定は単純明快。正午にノイシュヴァンシュタイン城の予約。午後4時にホーエンシュヴァンガウ城のネット予約がそれぞれ済んでいる。おそらくもっと早めに予約を入れて、かつ、2つのお城の間隔を短くすればもっと効率よく回れたのでは…とも思ったが、この部分の検証も含めて書いていきます。
その前に、ひとつ💡キーワード解説。この旅行記、今後バイエルン王ルートヴィヒII世というおっちゃんが亡霊のように出てきます。私は別にこのバイエルン王ルートヴィヒII世の足跡を追う旅…なんて高尚な計画を立てたわけじゃないの。なんだけど、この地方の有名な観光地を回るとその多くがこの人に関連しているのよねん。なので、基本的に苦手な歴史はパスしたいところなんだけど、ここでどうしてもこの人のことを触れざるを得ないわけ。
この人のことを一言でいうと、ファンタジーの中に生きたバイエルン王にして引きこもり。…それ強引すぎるだろって怒られそうですが、実際そんな感じ。子供の頃に読んだ神話や伝説などに心酔して、それを具現化するために件のノイシュヴァンシュタイン城などを建てちゃったと。
ついでにルートヴィヒII世はルイ14世に惚れ込んでいて、キーム湖上の島にヴェルサイユ宮殿を模した別のお城を建てちゃったりとかある意味やりたい放題。それでいて、人と会うことを嫌って、昼夜逆転した生活で食事も一人。これはあとから出てきますが、一人で食事をするために階下からテーブルが上げ下げされるようなからくりまで作ったというんだから…これは引きこもりの称号を差し上げざるを得ないよね。
ルートヴィヒII世はついには精神異常者として王位を追われ、なんとその翌日に水死体として発見される。どう考えても胡散臭いですが、自殺なのか他殺なのかその真相はいまだ明かされていない。1886年6月、享年40歳。
…って待てい、1886年って今から経った130年ちょい前じゃない。そんな昔の話じゃないじゃん。そう「お城」って中世のイメージなのに、実際は日本で言えば明治時代のお話というところにギャップを感じることになる。以上、Wikiほかの劣化コピーでお届けしたルートヴィヒII世のお話を知っていただいた上で話は続きます。
そんなルートヴィヒII世の建てたお城、ノイシュヴァンシュタイン城を見に行くためにフュッセン (Füssen)駅前のバスターミナルを9時45分のバスで出発。バスは一番奥の5番乗り場から毎時1-2本程度出ている。詳しく知りたい人はbahn.deに行ってVon(From)にFüssenとNach(To)にNeuschwanstein Castles, Schwangauとコピペ入力して日付と時刻を入れれば調べられます。なんでここまでしつこく書いてるかというと、アホな私には到着地のバス停名がなかなか見つからなかったのです。ちなみにバスには複数系統あって所要時間が5分から15分とバラバラだけどどれに乗っても着く…全部に乗ったわけじゃないけどたぶん着く。信じる者は救われる…足を。
座席が6割埋まる程度の客を乗せてホーエンシュヴァンガウ観光案内所(Infostelle Hohenschwangau)前のバス停にバスが着いたのは9時53分。所要8分。元気があるなら歩ける距離。ちなみにフュッセン (Füssen)のホテルに滞在している客ならバス代無料。おかげでお城周辺の民間駐車場の1日料金€8を払わずに済むは昼間からビールは飲めるはいい事づくしだった。乗って残そう公共交通(いつも車を使ってるやつが何を言ってるんだか)。
バス到着直前に面白いものを目ざとく見つけていた私はバスが来た方向に100メートルほど戻り写真撮影。見ての通りお空はどんよりしてますが雨は降ってません。なんとか持ってくれた…というか雨予報を覆して午後には晴れてきてありがたかった。
ともあれ、見てよこれ。ドイツの片田舎にわざわざカタカナで「ロマンチック街道」って書いてあるよ。この案内標識がいつ立てられたのかは私は知らない。だけど、日本人観光客が一定の影響力を持っていた時期…というのがあったんだなあとしみじみしてしまった。ロマンチックが止まらない頃があったんだろうなぁ。
それで思い出した。前述のとおり、フュッセン (Füssen)のホテルに訳あって嫁が電話したの。何があったって、予定変更で一泊宿泊を伸ばしただけなんだけどさ、その時に嫁にとってちょっとした事件発生。
私の苗字を取った嫁、電話先でいつも苦労する。いちいち名前をスペルしないと通じない。なので、どこかに電話すると、「私…と申します。スペルは…」とやるのだが、このホテル「だけ」はスペルを言わなくても通じたらしいのだ。嫁いわく、初めてだったとか。要するに、ノイシュヴァンシュタイン城の足元にあるフュッセン (Füssen)のホテルの皆様は日本人のお名前に慣れていらっしゃると。
アホな写真を撮ってバス停にむかっててくてく歩いていると、通りを挟んだところにある別のバス停で嫁が「早く来い」と手をブンブン降っている。行ってみると、ノイシュヴァンシュタイン城に行く1時間に一度しかないバスが午前10時、まさに今発車しようとしていると。えー?いくらコロナとはいえ、バスが1時間に1本しかないって何よ…と思うが、
…確かに1時間に1本ですね。というわけで、バスに飛び乗る。
座席はほぼ埋まった感じのバスは専用道を5-6分ほど登り、Berg- und Talfahrtバス停へ。ちなみにバスが登ってきたJugendstraßeは信号で制御された交互通行方式で許可車以外は通行できないらしい。そしてバスはこののち専用道を通りBerggaststätte Bleckenauまで運行されるらしい。なお、ノイシュヴァンシュタイン城最寄りバス停Berg- und Talfahrtまでの運賃は登り€2.5。ちなみに下りは€1.5…同じ道なのに運賃が違うって珍しいんじゃないですかね。
ともあれ、Berg- und Talfahrtバス停につくなり目についたもの。
マリエン橋は❌否定された。
事前調査でわかってはいた残念情報。ノイシュヴァンシュタイン城の写真撮影の約7割が行われているという特等撮影スポット(例により数値は適当ですので信用しないように)マリエン橋が工事のために閉鎖されているらしいのだ。ならば、橋の上に立つことは叶わずとも、橋の袂辺りまで行けるかな…などと甘いことを考えていたのだが、現地に立つとこの通り、マリエン橋へのアクセス通路もろとも閉鎖されている。
だがよく見ると、
こんな➨表示が。これに従い、バスが消えていった方向に向かい坂道を数分降りると、
かすかにマリエン橋の向こうにノイシュヴァンシュタイン城が見えている。
いや、確かには霞んだ向こうにかろうじて見えてました。見えてたんだってば。なんだけど、写真で見るとこの通り。
諦めの悪い私は、さらに道を進んでマリエン橋のかかる河原まで降りてみました。すると橋は見えるものの、ノイシュヴァンシュタイン城は見えないという結果に。はい、さすがにここまでです。諦めませう。
こうして5分ほどかけ同じ坂道を今度は登り、先ほどのBerg- und Talfahrtバス停へ。ここで私たちが使ったバスとは別の大型バスから大量(少なくとも10人以上)の人が降りているのを発見。あれ?バスって1時間に1本しかなかったんじゃ?
あとで分かるんだけど、フュッセン (Füssen)駅からやってくるバス停、観光案内所(Infostelle Hohenschwangau)前のバス停発、Berg- und Talfahrt(現在地)経由Berggaststätte Bleckenau行きのバスは確かに毎時1本しか運行されない。しかし、観光案内所(Infostelle Hohenschwangau)前からアルペン湖方向に数分歩いて、第4駐車場脇の Neuschwanstein Bus Depotまで進めば、そこは文字通りの「シャトルバス」乗り場らしいのだ。それが本来の正解ルート。
途中では絵描きさんが色鉛筆で采色されたノイシュヴァンシュタイン城の風景画を売ってます。通常なら何人もいるのかもですが、この日いたのはたった一人。こんなもん買う人がいるんかいな…と思ってたらいたよ。嫁が絵葉書サイズの絵を一枚買っていた。€10なり。€10が安いとは到底思えないが、他の通行人が足を止めていなかったことなどを考えると、この絵描きさんの生活は楽じゃないかもなと余計なお世話。
坂道を数分降りると、Panoramablick Schwangauというビューポイントに到着します。中国人、インド人と思しき人たちを始めとした10人強の人たちが写真撮影に興じておられます。
お前が言うなと言われれば返す言葉もございませんが、この人たちはいったいどこから来たんだ?このご時世にインドや中国(かほかのアジア諸国)からやってきたのか、それともすでにヨーロッパ在住なのか。アメリカ英語やイタリア語も聞こえてきてたな。
未だに霞んでいたので雄大な風景は望めなかったが、それでもホーエンシュヴァンガウ城やフォルクゲン湖(Forggensee)などを見ることができた。そしてもちろん手の届く距離まで近づいてきたノイシュヴァンシュタイン城も。
更に坂を降りるとノイシュヴァンシュタイン城を真下から見る形に。でかい。
そしてついにお城の入口に。ごめん、長くなったから一度切るわ。続く。