【コロナ後への一歩】一年半ぶりに娑婆の空気を吸う


数日前にドイツ西部・ベルギーの一部を突如襲った集中豪雨について、数名の方より私たちは無事かとお声がけをいただきました。お気遣いありがとうございます。

うちから被害地域は直線距離で軽く300キロ離れています。あのニュースが流れ始めた頃、私はといえば

庭で姪っ子と砂遊びしてました。

夕方のラジオのニュースで豪雨で甚大な被害…と聞き、嫁と二人で「豪雨?は?」と顔を見合わせました。なにせ、庭で砂遊びということからもご想像いただける通り雨など全く降っていませんでしたから。ドイツと一言で言っても広いということのようです。

甚大な被害ですのでとりあえず嫁とわずかながら義援金を振り込むことにしました。ドイツって地下室のある家が多いですから、地下室も含めると相当多くの家に被害が及んでいると思われます。

そして話は土曜日へ。うちから20分ほど車で運転したところに中規模の街、ヒルデスハイムがあります。…と言ってもドイツによほどお詳しい方でない限りご存じないか、もしかするとフランクフルトからベルリンまでICE(新幹線)で移動されたことのある方なら、途中にそんな駅があったっけなあ…くらいの印象かもしれません。まあ、私の住む地域の中心都市なんです。この上は「州都」のハノーファーになります。ハノーファーへもアウトバーンを使えば小一時間で到着できます。それでも日本語のWikiはあるようなので興味のある方はこちらのリンクをご参照くださいませ。

ヒルデスハイムに…というか「都会」に一年半ぶりに行ってきました。

土曜日の朝、嫁と今日は何をすべえか…という話になり、嫁が言い出したんですよね。「そうだ ヒルデスハイム 行こう」って。2度めのコロナワクチンを射ってすでに3週間。抗体もできてるはず。特に反対する理由もない。行こまい行こまい。

こうして、特に欲しいものも目的もないまま車で20分、ヒルデスハイムに到着。いつも有料駐車場として重宝させてもらっているGaleria Kaufhof(英語版Wikiへのリンクです)へ。ドイツで一番有名な、「駅弁大学」ならぬ「駅弁デパート」といえば、昭和枯れすすきの人には伝わるかも(わからんという平成の人、中規模以上の都市なら割とどこにでもあるという意味です。ただし、最近不採算店をかなりざっくり閉鎖しちゃいましたが)。日本のデパート同様コロナ前からいろいろ厳しい状況らしいです。

私たちまで行こうとか言い出すくらいだからきっと街は混み合っているだろうなとある意味覚悟をしていたのですが、驚いたことに今までそれこそ100回以上使ったことのあるここの自走式の立体駐車場、最初の階(20台分くらい)に空きを見つけたことなど一度もなかったのに今日は奇跡的に空いていた。あれ、もしかして街も空いてる?

駐車場からの連絡通路からデパート本館へ。

売り場の改装をしたのかなんか「こんな感じだっけ」という若干の違和感を覚えつつ軽く見て回る。

これは私にほしいものがないというのが根本的な問題なんだろうけど、何一つとして心を動かされる商品がない。嫁もなんとなく夏物の衣料なんかを見てるけど試着するとか言い出さず。申し訳ないけどこのデパートは私たちにとっては便利な駐車場…それ以上でもそれ以下でもないです。

地上階の出入り口付近から撮影。何も意図せずに撮ったんだけど、ちょっとこれは悪意があると言われても文句の言えない写真。もう少しお客さんはいたと思う。

ね、レジには並んでいる人が何人かいたし。きちんとソーシャルディスタンスとやらはここでは守られていた模様。

下の階層の駐車場に車を止めたこともあり、上層階を見ることなくそのまま外に出てしまう。そこはヒルデスハイム1の目抜き通り。歩行者専用道路。

おお、人が歩いている。

当たり前です。が、一年半ぶりなんです。その間、新聞なんかでゴーストタウンと化した同じ場所の写真なんかを見ていたので人がいることに驚いた。コロナ前の土曜日に比べると行き交う人は2-3割減といった感じでしょうか(あくまで私の感覚)。

嫁は通りに見つけたカフェんテーブルにいきなり座ってしまう。

外に出るなりさっそく休憩ですかっ?

どうも嫁がこれがしたかったらしいのだ。なるほどなぁ。気持ちはわかる。ずっとカフェもレストランも閉まってたし、4月辺りからこのあたりは「特区」扱いでカフェ等はテラス席に限り開いていたらしいけど、コロナの陰性証明がないとダメとかで、とても気軽に遊びに来るような状況じゃなかったし。

座ると色々見えてくる。まず気がついたのは、他のテーブルの人達がマスクをしてない。まあそうだよな。マスクしてたら飲食できないし。…って、あれ、よく見ると通りを歩いている人もほとんどマスクなどしてないぞ。

ドイツでは未だに屋内の公共の場所はマスクが義務なのですが、外はそうではないらしい。そういうわけで、マスクをしている人がほとんどいないと。

ホントに自分が浦島太郎になっていると実感した。これ、Lucaとかいうアプリで、要するに「私はこの時間にこの場所にいました」と登録するシステム。これによりコロナのクラスター発生時にお知らせが届くらしい。これを使わない人は紙に住所等を記録して提出することになる。

嫁がアイスを食べると言うので私も適当に頼むと出てきたのがこれ。

生クリームの化け物のようですが、実は左右はメレンゲだったりします。コロナの心配があるから意地でも手を使わずに食べようとしたらけっこう大変でした。味は…アイスクリーム専門店に比べると…でしたが、正直味なんかよりもヒルデスハイムの目抜き通りのカフェに座れたということのほうが大きかった気がします。

その後街の中心の広場へ。

もう午後2時とかでしたので終わりかけてはいましたが、市が開いてました。

ちなみに12月にはクリスマスマーケットも開かれます。残念なことにこの町並みは第二次大戦で破壊されて再建されたものです。そんなこともあり、近隣ではゴスラーだのヴェルニゲローデだののほうがはるかに有名だったりするのです。

店頭に並んでいるのは2022年カレンダー。気の早いことで。

それから街を適当に歩いていたら嫁は本屋に吸い込まれ…。本の虫の嫁にとって一年半ぶりの大きめの本屋はまさに天国だったようで。色々見てました。

姪っ子のために児童書を物色する私たち。甘やかしすぎ。

そんなこんなで数時間を過ごしました。ワクチンのおかげで急速に日常が戻りつつある気がします。…などという油断のせいか、最近コロナの患者数が微増傾向なのがちょっと気になるのですが。ともあれ、普段ならこんな話はネタにもならないのですが、ついと嬉しくて書いちゃいました。つぶやいたーで実況までしちゃったし。