突然ですが、未来予想をします。
東京オリンピックは開催されます。よく言われているように日本にメダルラッシュが訪れます。それでなんだかんだで日本国内ではお祭り騒ぎになります。
別に私は変な水晶玉を買ったわけでも、机の引き出しから未来人が出てきたわけでも、はたまた変な薬を使って別世界を見てきた(気分になった)わけでもないです。コロナの予防接種が日本よりも2ヶ月ほど先行しているとされるドイツで感じている肌感覚からして、同じようなことが2ヶ月後の日本でも起こるんじゃないか…という想像をしているのです。
ちなみに私はオリンピックを含め、スポーツ全般にまったく興味がありません。なので、オリンピックが開催されようが中止されようが知ったことじゃないです。じゃあなんでこんなことを言っているかというと、どうも最近、ここ1-2週間のドイツでコロナのフェーズが変わった気がします。そして、それは日本の近未来なんじゃないかと。まあ聞いとくれ。
おおざっぱに半分近く(48%)の人がコロナワクチンの第1回の接種を終えたドイツ。またぞろそんな国単位でのでかい話など私にはできませんので私の半径数キロの話になりますが、2度めの接種も終えたという人もちらほら出てきてまして、安堵感が間違いなく広がってます。
うちの嫁もその一人。
これを聞かれたときは正直正気を疑った。来月にホリデーに行くだぁ?俺はやだよ、マスクとかつけてホリデーに出かけるなんて、もう少し待とうぜ…と説得してとりあえず最速でも9月という落とし所で話はまとまった。
でね、オリンピック委員会の会長のおっちゃんは御存知の通りドイツ人。この人の脳ミソを勝手に推察するに今、私が身の回りのドイツ人に感じている同じような考えを持っているんじゃないかと思うわけです。すなわち、今年の夏は何が何でもホリデーに行こう。ホリデーに行けるんだからオリンピックもヘーキヘーキ…と考えているんじゃないかと。
もちろんこのおっちゃんの一存だけで決まるわけがない。その他いろいろ大人の魑魅魍魎とした事情があるというのはわかる。なんだけど、あの強気の発言の根底にはそんな考え方があるんじゃないかと愚考するわけです。そんな思いで見ると、サッカーのヨーロッパ選手権も一年遅れで開催されているらしいし。なんでサッカーはできてオリンピックはできないの?という考えを持っているとしても何も驚くには値しない気がします。
ホリデーがどうこうおめでたいことを嫁が言い始めた翌日に嫁の勤め先でちょっとした事件発生。お客さんがマスク無しで来訪してきたらしいのだ。未だにドイツでは公共の場所の屋内ではマスクは義務です。スーパーなどでも「お願い」などという生ぬるいことは言ってません。「手術用またはN95マスクを着用して入店」とはっきり書いてます。そんなわけで、嫁の同僚がマスクをつけるようにいうと
「え?もうコロナの感染者数がここまで減ってるんだからもうマスクは不要なんじゃないの?」
いえ、そのようなことはないです…と言いつつ使い捨てのマスクを渡したら着用してくれたらしく特にそれ以上の問題にはならず。どうやら日本で大騒ぎになった某マスクおじさんのような確信犯ではなかったようで。
嫁がなんだかな…という思いで退社時に街を見てみると、通り道の公園はマスク無しで子供がはしゃぎまわり(注:子供のマスクは義務ではないらしい)、それを見守る大人たちもマスク無し、ソーシャルディスタンスってどこの国の言葉?と言わんばかりでアイスクリームを食べていたそうな。
いや、ある意味素晴らしいことですよ。もうコロナなんてなかったことになりつつあるなんて。だけどここまで油断してしまっていいのだろうか…と素朴な疑問に思います。
かくいう私だって、たとえばスーパーの通路とかでも今までならちょっと待って1.5メートルの距離を保とうとしていたような瞬間にも、今はどんどん突っ込んできたりすっる人が増えたことを感じます。レジの係の人だって、去年の春頃はゴム手袋をしてたのに、今じゃ指先が触れてもまったく気にした様子はないし。
翻って日本。さっきのグラフで見ると接種率がわかりやすくぐんぐん上がってます。一日あたりに0.6%上がっている見当。つまり週5日で3%、1ヶ月で12%超は上がっていく計算(穴だらけの適当な計算です)。で、話は冒頭に戻るわけ。この調子で行けば今のドイツの雰囲気はそのままオリンピックあたりの日本なのじゃないかと。
こんなことを書くと、やれ変異種がどうだとかワクチンの安全性がどうだとかいろいろ言ってくる人がいると思うけど…知らんっ。そんなことは専門家に言ってくれ。私としては今のドイツの雰囲気が2ヶ月後の日本でも起こるのなら、オリンピックは開催されると思います…と言ってるだけです。はい。
わたくしも、東京オリンピックは開催されると思います。残念ながら。
政治的なことやワクチン接種率はおいといて、日本国内で仕切っている人たちは、ほとんど所謂「体育会系」の方々ばかりと考えられるので、「気合いと根性」さえあればなんでも乗り越えられると思っているし、実際に「気合いと根性」で競技を勝ち抜き、人生を乗り切ってきて、今の地位を得た人達ですから。
「気合いと根性」の前には、「科学」と「論理」は無力です。歯が立ちません。
よく言われているのがこの精神論で戦争負けたじゃねえか!って話ですが…そのとおりですよねぇ。
日本の家人がオリンピックのボランティアをするらしいんですよ。ボランティアという行為自体尊いものですしなんの文句もないのですが、ワクチン接種が間に合わないという事実にぶっ飛びました。きっと気合と根性があればコロナにもかからないということなんでしょうねぇ。