先週のお話。午後6時頃に義父がやってきて、
「このサイトにアクセスしてほしい」
なんぞ?
それは何年前に印刷されたのか全く謎のかかりつけ医が発行したと思われる「おくすりのおしらせ」的な一枚の紙。へいへいとアクセスしてみたものの「このドメインは予約されています」と出てくるだけ。これは移転したか何かですね。何事か聞いてみた。
なんでもかかりつけ医でもコロナのワクチン接種が行われており、義父の年齢・持病の有無などで接種対象になったらしくその予約をしたいらしい。ところが、何度電話してもつながらないのでネット経由でなんとかしようと思ったらしい。
嫁の両親はインターネットだのテクノロジーだのからは完全に取り残されている人たち。スマホなど持ってないし、今、コンピューターの前に座らせてGoogleに行け…といってもたぶん固まるだけ。私の両親はなんとなく仕事でパソコン使ってるし、スマホも持っているしで義両親のこのあたりのスキルの無さはかなりの特筆ものだと思う。あるいはドイツのこのあたりの70代はこんなものなのか。
とりあえずその古文書のような紙に書いてあるURLもメールアドレスも使い物になりそうにないのでさくっとGoogleで検索したら案の定サイトは移転していた。…が、全く役に立つものではなかった。医師の紹介とか開院時間などはあっても、コロナに関する情報は無し。まったくアップデートされていないというありがちな「作ってそのまんま放置」というサイト。
義父はメールはどうよと聞いてくるが、いやいやいや、電話にすら出ない(くらい忙しい)ならメールなんか書いても返事が来るとは思えないですよ。とりあえず明日の朝イチで一緒に電話をかけてみようということになる。
ちょっと調べてみたら、コロナのワクチン接種は二通りの方法があり、ひとつはかかりつけ医で受ける、もう一つは大きな街にある予防接種センター的な場所に登録をして順番を待つという方法。別に両方登録しても問題ないらしい。ウェブ上でもできるようだが義父は電話すると言って譲らないからその番号に電話。意外や意外、夕方6時を過ぎていたのに電話は案外あっさりつながり待機リストに名前を乗せることに成功。数日中に郵便でお知らせが届くらしい。実際翌々日には郵便は届いた。
その翌日、義父は再びかかりつけ医に電話。なかなかつながらなかったものの数回試した後にようやく自動音声で「あなたは順番待ち2番めのお客様です」的なメッセージが流れ、10分後にようやくこちらも待機リストに登録ができた。
翌週になり、義母にかかりつけ医から電話がかかってきた。
「コロナのワクチン接種ができますけど、来られますか?」
行きますと二つ返事したあとに義母は聞いたらしい。
「私の主人も受けられますか」
問題ないとのこと。待機リストに名前をわざわざ載せてもらった義父のところではなく義母のところに電話がかかってくるとはよく考えると意味不明。そして翌日2人で仲良く(かどうかは知らんが)かかりつけ医へ。一度目の接種を受けられたらしい。あれ、どこのメーカーのか知ってるのと聞いたら
「アストラゼネカ」
出た。やれ約束した回数分が供給できないだ、老人には接種できない…いや、老人だけにできる…とかなんとか迷走を続けているワクチン。義両親はそういう懐疑よりも接種をしてコロナに罹患するあるいは重症化するというリスクを避ける方を選んだらしい。日本同様ドイツでもコロナワクチンに対し疑義を呈する人はいるけど、私の知る限りそんな人は少数派。接種できるならしたいという人のほうが圧倒的に多い気がする。余計なことを書いていいなら、そういう懐疑者とAfD(某ドイツの極右政党)支持者にはなにかしら相関関係がある気がする。私の身の回りの狭い範囲で見た感じでの話です。
なにか副反応があるか聞いてみたら、ふたりとも平気。痛みもほとんどなかったとか。それはそれは良かったですな。
ところが、翌日になって、義母は言うのだ。
「昨晩は眠れなかった。肌が焼けるような不快感、さらにはちょっとした発熱があった。でもパラセタモール(鎮痛剤)が効いた」
そうですか。副反応が出ましたか。ちなみにかかりつけ医に電話したら「それ、普通です」と返されたらしい。
義父にも聞いてみた。
「何も問題なしっ」
そうですか。
なお、義父は予防接種センターに電話して、待機リストから名前を外してもらいました。もう一つ付け加えると、二度目の接種は7月だそうな。…ずいぶん先ですな。
One thought on “コロナのワクチンを打ってきた…義両親が。”