【2019日本帰省5】これはヤんバい。八ッ場ダム

半年以上放置してしれっと再開。2019日本帰省のお話。一年も経ったものだから季節は一周りしてぴったし合っています。去年(2019年)の11月のお話です。

日本3日目。一日目は到着後に飲みに行っただけ。翌日は三浦半島一日観光。そして3日目は

八ッ場ダム

ヨーロッパを7泊8日とかで駆け足で回る日本人ツアー客を笑えない。サメじゃないんだからのんびりすればいいのにとも思うが、いいえ私は一年のうちこのたった2週間ほどの日本帰省にその年のすべての力を尽くしているんです。ガンガン行くんです。

こうして朝一番の池袋駅からバスに乗り移動。

この写真、「緊急事態宣言で人気のなくなった池袋駅」なんてキャプションつけてテレビで使えそうですが、なんのことはない、コロナ騒動前でも日曜日朝7時の池袋駅の人でなんてこんなもんです。よく見ると、誰もマスクなどつけていないですし。

ゴミが出ているあたりがいかにも早朝。

いつもどおりサンマルクカフェで朝ごはん。アイスコーヒーを頼むと日本だなーという気がする。あ、アイスコーヒーって少なくともドイツやアイルランドじゃ見ないですよ。

せんまがりバス(誤読)に乗り長野県へ。八ヶ岳がよく見える町でバスを降り、友人に車で拾ってもらいます。

さて、八ッ場ダム。正直に言うといつもお世話になっている友人と会って思いつきででかけました。まあ、私がしたり顔で解説するまでもなく、政治に翻弄されて途中で建設が中止になったり再開になったりまさに紆余曲折を経て完成したのが今年(2020年)の3月。

試験湛水中にとんでもない台風が来たもんだから急遽予定外に水をため、少しづつ水量を減らしている…という状況が私の訪問した2019年11月の八ッ場ダム。つまり私はダムに沈む前の川原湯温泉などを見ることはぎりぎり叶わなかった。

すべてはこの水底。ちなみにこのあと放水をしたらしく、水底をもう一度見る機会があったらしい。

無意味にパノラマ写真を作ってみる。環境によりますが左右にぐりぐりできるはずです。

その話の前にですね、まずは道の駅八ッ場ふるさと館へ。なぜなら、腹減ったから。それにしても「ふるさと館」とか「ふれあいロード」とか日本全国にある安易な名前…いや、怒られそうだから書かずにスルーしよう。

世の中ヒマ人ばっかですね。日曜日ということもあり、噂の八ッ場ダムを見ようと人がわんさか集まり駐車場は完全満車(しつこいけど2019年の11月の話。コロナ云々は全く関係なし)。まあ、ドイツから見に来たアホが何を言う…という話ですが。

当然の帰結として中のレストランも大混雑。20分くらい並んだかな、ようやく席に案内され、待っている間に一番初めに目についたものを注文。

ダムカレー。

なんかコレジャナイ感ありありですがとりあえず崩してみました。

…が、うまく行かないし。

味もまあ次第点…というよりは費用対効果という意味では落第。正直カレーをまずく作るほうが難しいと思いますので。

満足したかどうかはさておき少なくとも空腹じゃなくなったので八ッ場ダム観光に行きましょう。

まずは道の駅のすぐ脇にある不動大橋へ。さっきの写真の場所です。

とりあえずダムの堤を見に行こうと、橋を渡りダム湖の南側にある県道よりダムより下流の駐車場へ。

まあ、この県道の立派なことと言ったらない。もちろんできたばかりの道だから快適なのだが、2キロ近くありそうなトンネルを抜けるとダムを通り過ぎ、さらに下流まで進んでしまう。トンネルを出たところで吾妻川に向かい左折。急な坂を降りると駐車場が。

ちょうどバスが来ており、一瞬乗ろうかと思いましたがどこに連れて行かれるかわからないなあとか思っているうちに発車しちゃいました。

駐車場の先にある遊歩道橋を渡るとそこは国道145号線の旧道。ダムのおかげで長大トンネルを含むバイパスになってしまいましたが、昔はこんな渓流沿いの道だったんですね。

おっ。

何やらトンネルは見えるんですが…うまく撮影できない。思えばこの区間も廃線になっているんだからどうにか道を見つけて崖を登れば線路に降り立つことができたかもしれないけどそこまで気が回らなかった。ちなみにこのトンネルは…

吾妻線の付け替え部分で廃止となった日本一短い樽沢トンネルです。

お、今度は道路上にトンネル発見。

…と思ったらさっきのバスが。ということは乗っても良かったのね。そして、乗っても大した距離の移動はできなかったと思われる。

布袋岩。うん。地元大分の一目八景の勝ち。とはいえ、バイパス路はこの区間を真っ暗なトンネルで通過するのでもう国道を進むドライバーがこの風景を見ることはかなわない。

思えば車は(ごく一部の指定車許可車を除き)来ないんだから狭い歩道じゃなくて歩道を歩いても良さそうだが、律儀に歩道を進みます。

突如通行止めに。駐車場から1キロも来てません。ちょうど町堺に当たる場所みたい。そこで線を引くというのがいかにもお役所仕事とも言えるかも。その気になればこの先まで進めますが、まあ、通行止めと書かれているんだから素直に従いましょう。

この場所から八ッ場ダムを望みますが、うーん残念、よく見えない。ましてや写真だと何がなんだかさっぱりわからない。

2019年11月当時は八ッ場ダムは未だに工事中とのことでダムそのものに近寄ることはできませんでした。もしかすると現在は一般開放されているのかも。

それにしてもこの場所より上流の清流をダムにしちゃったとは。何も知らない部外者が語ることははばかられますが、少なくとも美しい風景が失われたということは間違いない気がする。

八ッ場ダムそのものをもうちょっと見てみたい私たちは、駐車場に戻り、今度はダム湖の反対側にある国道を通って、車でさっきの不動大橋から八ッ場ダム方面によく見えた別の橋、八ッ場大橋へ。こちらも立派なトンネルが貫通してました。

この橋では、バンジージャンプができるようです。どうやって申し込むのか知りませんし、知っていたとしてもやりたいとは思いませんが。

それにしてもこの立派な橋、さっきの不動大橋と並び、ダム湖を南北に渡る巨大な橋が二本も架けられている。さらにダム湖を挟んで東西方向には長大なトンネルを備えた国道と県道の2本が作られている。そりゃこれだけ立派な道をダム周りに作っていたら金もかかるわなあ…というのが正直な感想。この八ッ場ダムが無駄な公共工事の象徴のように扱われて政治的な問題になってましたが、これってダム本体よりもあれもこれもと作ってしまった周りの方が問題だったんじゃ…などとほんの一瞬見て回っただけですが感じました。