夕方、やっすいワインを買いに近所のLidlに出かけました。Lidlを知らんという方、まあ、自社ブランド中心で安売りをしているあまり規模の大きくないスーパーという理解でいいです。
ここのレジは1番から3番まで3つあるのだが、なにせイナカのこと、普段はひとつしか開いてない。いつも1番が開いてて(誰も並んでいないときはレジに誰もいないこともある)、もし客が多く並んでしまった場合、臨時で3番を開ける。なぜか真ん中の2番は開いているのを見た試しがない。
今日は混んでいたのかレジ列が2つ開いていて、私は1番に並ぼう…としたら、横からカートを押したおばさんが先にやっていて私の前に並んだ。別に私はそんなことでキレたりしませんよ。ただ、これが運命の分かれ道になった…というだけで。
実は最近スマホの機種変をしまして。この話はまた別にするとして私のスマホに初めてNFCがついたので使ってみたくなったのだ。なにそれって日本で言うおサイフケータイ。正確には日本のそれとは規格が違うんだけど今日はその話をしたいんじゃないから細かいところはスルー。
ホントにスマホをかざしたら支払いができるのかな…なんか設定忘れてないかな…などと思っていると自分の会計の順番が来た。
ありがちなことに、前の人の分でレシートの感熱紙のロールが切れたらしく交換となる。まあ、最近のレジは便利ですねぇ。感熱紙をぽんと置き、用紙の先端を印刷機の先に出すだけで完了。
私がレジのバイトをしていた頃…つまりは90年代なかばの話になるのですが、当時はお客様に渡すレシートだけじゃなく、レジの中に保管される「ジャーナル」というのが別にあった。レシートが別のロール紙に2部印刷されて、1部がお客様へ行き、もう一つがレジの中に巻かれて保管されるわけ。このジャーナルのセットが結構面倒で、まず印刷部分に用紙を通してそれを引っ張ってジャーナルの芯に引っ掛けて曲がらないようにまっすぐ手で巻いて、それをレジ本体のジャーナル保管部に引っ掛けて…という一連の作業をするわけですが、お客様が並んでいると結構プレッシャーを感じたんですよね。それを思うとまあ隔世の感がありますなぁ。
などと見ていると、レジの本体のディスプレイにエラーメッセージが出ている。
レシート用紙をセットしてください。
レジのおばちゃんは、「おかしいわねえ」と言いながら感熱ロール紙をセットし直したり、プリンタのオンオフスイッチを触ったりするがずっと「レシート用紙をセットしてください」が出たまんま。ロール紙は確実にセットされている。それは私も証言できる。
数度の挑戦の後、私の並んでいる1番レジのおばちゃんが3番のおばちゃんに声をかける。「レシート用紙がセットされてないって出るんですけどー」。
3番ののおばちゃん、レジを打ちつつ、同時に目線の端でこちらの異常を感知していたらしく、「はいよっ、交代」と言ってこちらのレジへやってきた。「ちょっとそっちのレジやっといて」と1番にいたおばちゃんは3番のレジを打ち始める。
待てぃ。
心のなかで叫んだ。ええ?レジ交代するのにログオフしなくていいの?私の知る90年代の某所ではレジに入るときはまずレジキーを回して社員番号を入力して…という一連の動作が必要で、当然レジから出る、または交代するときはログオフが必要だった。御存知の通り、日本のレシートにはレジの担当者名が印刷されている。それがないの?ということは、違算が出ても問題にはならないんだろうなあ。
しつこいけど90年代の某所、レジ締めの後、各レジで1000円以上の差額が出ると「高額違算」となり、かわいそうなレジリーダーさんが例の巻物状になったジャーナルを片手に原因を追求し(ようとし)て、違算レポートを書く羽目になる。言うまでもなくその違算をレジ係が自腹を切って負担する…とかいうことはなかったけどこの違算レポートとやらを書くのが結構大変そうだった。なので間違わないように気をつけてました。
翻ってドイツのLidl。こういうときはレジの再起動が有効だろうなあ…なんでやらないんだろと思いながら見ていると、レジの再起動をする代わりに取り出したるは電話機。どこかに電話している。
「なんとか支店の1番レジです。(何やら店コードみたいなものを伝える。)レシート用紙が認識されなくて…ええ、それはもちろんもうやりました。別にもう1回やってもいいですけど…はい、プリンタの電源入れ直しました…ダメですね…」
などとやっている。
レジの後ろの方に並んだ人たちは3番に並び直し始めるがそちらもかなりの人数が並んでおり並び直すのも躊躇するような感じ。
私は、列の一番前だったから並び直しづらいというのはもちろんあったけど、こういうトラブルって最後まで見届けたい…とか思っちゃう人なのよね。
例えばどこかの道が渋滞してるとします。普段だったらUターンするなり裏道に入るなりするのですが、たまにわざと渋滞に並んで渋滞の原因を見届けたくなることがあるんですよね。今日もそのノリで最後までことの成り行きを見届けることにした。交代したレジのおばちゃんは後ろの方に
「技術的な問題が発生してますので3番レジへどうぞ」
と叫んでレジの椅子にまた座る。ちなみにこちらのレジ係さんは座って仕事してます。
ふとレジの画面を見るとスクリプトがずらずら流れている…。あれ、もしかしてレジの再起動をした?
ここで気がついた。そっか、このレジ、ローカルでは再起動できなくて、どこか本部の事務所だかサポセンだか知らんけどそこで再起動をかけるんだ。ってことはネットの回線が落ちたらこのレジは対応不能になるってこと?
再起動中です。0%
から数字が上がっていくが19%で止まった。で、セルフチェックの4番目あたりで大きな赤い✗マークが。…再起動失敗したのね。なんか知らんけどこれは簡単に直る故障じゃなさそうだな。
レジのおばちゃんはコードレス電話で誰かと話しながら、なぜかベルトコンベアの一番先頭にあった私のワイン2本を2番レジに持っていく。ピンときた。私は残りの商品を持ち2番レジへ移動。
するとおばちゃんは、現金箱を持って2番レジに移動。あっという間にお会計終了。ふう、所要15分。長かったぜい。
…ってそんなことができるならなぜ最初からやらないっ。
そういえば、初めてのスマホでのお会計はなんの問題もなく終了しました。騒動のせいでほとんど忘れかけてました。