翌朝。朝9時前に池袋駅東口から佐久行きの高速バスで長野へ。新幹線で行けばいいのに酔狂だと自分で思う。
変なバスだったんです。いや…ラッピングバスってやつなんですけどね。
佐久市に来い!! 北斗の拳
意味がわかりません。でも、池袋駅東口のバス停で目立っていたのも事実。
調べたところ、北斗の拳の作者武論尊氏が佐久市の出身らしいです。なるほど、地域貢献みたいなもんか。
ちなみに佐久に向かったのは友人宅に二泊させていただいたため。まあ、ほとんど帰省時の恒例行事になりつつある。ありがたいことですが…佐久のまあ寒いこと寒いこと。まあ、標高が1000メートルもある山の中だから、単純計算で東京よりも温度は6度下がる(実際はもっと)。そんな中、暖炉のある友人宅はある意味で私の垂涎の的。言うまでもなく男はみんな火遊びが好きですから…暖炉での。
翌日、向かったのは草津温泉。
…群馬じゃねえか。
草津温泉。学生の頃来たことがあるようなないような…。正直おんせん県大分出身の私、別府のすぐ近所で育ったもんだから、草津がなんぼのもんじゃ…という思いはある。
街は谷の中に広がっていて、温泉街としての風情は…まあ…あるね。まあ、谷筋の風情ある温泉街と言えばおんせん県大分の湯平温泉だけどね(←いちいちうるさい)。ちょうどお昼前だったので、お昼ご飯を食べようかとも思うが、目についたのはお蕎麦屋さんだけで、しかも有名なのか知らないが行列ができている。さらにもう一軒のお蕎麦屋さんの前にも数人とはいえ行列が。決めかねてそ草津温泉のシンボルとも言える湯畑へ到着。なるほど。壮観だね。別府温泉には敵わないけどね。
そこからどこかしら穴場的なお昼が食べられそうな場所を探すのだが、どうも探す方向を間違えたのか、温泉宿ばかりで食べ物屋さんのない通りに出てしまう。いや、途中に一軒良さげな定食屋さんがあったのだが、中にはいったときはすでに12時を過ぎており、満席。中にいるお客さんにジロっと睨まれ、挙げ句に忙しいのかお店の人は出てこない。…いたたまれなくなり退出。
なんだかんだで選択の余地がなく、最初の二軒のお蕎麦屋さんに戻ってきてしまう。やや行列が短かったという消極的理由で、お昼ご飯は柏香亭(はくこうてい)というお蕎麦屋さんへ。それでもすでに10人は並んでいる。
並んで気がついた。この店に、「回転を早くしてお客を一人でも多くでも入れてがっつり儲けよう」なんて考えはまったくない。相席もしてなければ、注文してから出てくるまでもかなりのんびり。並んでいると、「今日のお蕎麦は終了しました」と断り始めた。そう、最初からそばの皿数が決まっているから客数も決まっているのだ。それにしても12時半過ぎに今日のそばは終了とは。
もりそば650円とまいたけの天ぷら550円。1200円と聞くと結構なお値段だが、€10以下と聞くとえらく安く聞こえる不思議。
こうしてお腹も満足したところで温泉へ。お昼ご飯を求めてさまよっている最中に共同湯が何軒かあったのだが、ちょっと敷居が高そうで断念。ここならばと選んだのが、湯畑のすぐ脇にある御座之湯。
女湯は定かではないが男湯は2つの湯元のお湯が並んだ2つの浴槽になみなみと注がれているという贅沢なもの…なのだが、そのうちの一つは私には熱くて入れなかった。こんな時に温度が低めになりがちな露天風呂があるとありがたいのだが、こんな草津温泉のど真ん中に露天風呂があったら、東西南北すべての方向から覗かれてしまうわな…。
男湯は、入れ替わりはあったものの、常に7-8人のお客さんがいた。「混んでいる」という感じではない。平日の昼間とは言え、天下の(おんせん県大分を除く…除くんだってば)草津温泉のど真ん中の温泉でこの程度の混み具合ならいいほうなんじゃないかな。
二階に休憩のための大部屋がありまして。そこで湯畑を見ながら一休み。うん。ここ。いい。
そののち佐久に戻る。夕飯はあーはらへった…という脱力系な…でも一度聞いたら忘れられない名前の洋食屋さん。
ビールとカツという、全日本不健康食品選手権があればかなりいい線いくと思われる破壊力のある組み合わせ。ちなみに世の中には写真映えするようにカツを横にする人がいるらしいですが、ここ、あーはらへったの場合、最初から横にされてました。
ちなみに翌日は健康診断…だったんですけどね。明らかに自爆系の夕飯。
そう。翌日はなぜか半日の人間ドックを受けまして、終わり次第新幹線で大宮まで戻り、そこから在来線を乗り継いで羽田空港へ。
いや、新幹線って、ホントにブルジョアジーの乗り物ですよ。佐久平から大宮まで1時間ちょいで着いてしまう。そこから在来線で品川へ。東京ではなく大宮のりかえで浮いたお金でグリーン車に乗る。
品川から京急に乗り羽田空港に着いたはいいが、三連休の前日午後ということもあってか、ヒコーキは軒並み満席。当然空港も混んでいる。そんな中…
…羽田空港で地元の友人に頼まれていたN.Y.キャラメルサンドなるものを買わされる。私と同類…と思われる頼まれて買っていく…という人がずらり並んでいる。早く空港に着いてよかったよ。さっさと買ってラウンジでビールでも飲もう。
ふぅ。ビールが、うまいっ…のだが、何を血迷ったのか、ANAのラウンジ。今まで外が見えていた窓際席の窓を曇りガラスにしてしまったので外がよく見えない。これは残念な改装。
そんなこんなで、満席にも拘らず私は偉そうに一部で王様席と呼ばれる1A(最前列窓際)に座り、気分良く大分へ。
大分でヒコーキから降りるとき、ふと気がついた。
あれ、さっき買った、N.Y.キャラメルサンドとやら、どこ行った?
考えること数秒…わかった。さっきビールを飲んでたラウンジに忘れてきたわ。アホやー、3,000円ちょいのお土産、置いてきたー。
大分空港の地上職員さんに聞いてみた。すると、「羽田空港でのお忘れ物はこの番号へどうぞ」という紙をいただく。翌日電話。すると、「航空会社のラウンジでのお忘れ物は、航空会社にお問い合わせください」とANAの問い合わせの番号をもらう。ダメ元で電話してみる。
「N.Y.キャラメルサンドの袋をラウンジに午後5時頃忘れたんですが…」
「ええ、こちらに保管しております」
なんと!さすが日本、さすがANAさん、保管してくれているとな。
「実費でご希望のご住所までお送りできますし、こちらにお取り置きしておくこともできますし、ご希望の空港までお送りしますよ」
ホントですか。大分空港にまで送ってくださるんですか。
その日の午後、出かけたついでに(時次回更新予定)大分空港まで取りに行く。
…失くしたものが出てくる日本。なんて素晴らしい国なんだろう。
中にはこんなお手紙まで入っておりまして。…いや実は、お土産そのまま友人に渡したのたので私は気がついてませんで。後日、友人が「こんなもんが入ってたでー」と教えてくれて気が付きました。ホントにありがたいです。ANAの皆様、こんなページをご覧になっているとは思えませんが、その節は本当にありがとうございました。
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