【イノトランス2018-4】PKP Intercityなどを勝手に評価

今回より、誰に頼まれたわけではないですが、勝手にイノトランスの屋外で展示されていた実車を辛口評価したいと思います。某ボンバルディアのブースでは美味しい生ビールなどをいただきましたが、それで評価が変わるようなことはありません。

 

そうなのよ。ボンバルディアのブースがすごかった。

 

 

すごい人出でした。上階では商談進行中。

 

 

というわけで、生ビールをいただきます。日本の見本市に行ったことないけど、ビールを振る舞っているブースとかあるのかしらね。ちなみに、食べ物も振る舞ってましたが、流石にそこまで図々しい神経は(今のところ)持ち合わせていなかった模様。

 

というわけで、参りましょう。

 

エントリーナンバー1。Avenio M Ulm

総合評価★★★

いきなりしでかしました。外観写真を撮るのを忘れる大ボケ。Wikiより拝借。

 

ドイツ南部の都市Ulmで採用された(らしい)Siemensのトラム。アヴェニオってのがシーメンスの手がける超低床トラムの名前らしいです。

 

 

ダブリンのLUASでもおなじみの5連体連接式なのはいい。なんちゅーか、ホントによく見る最近のトラム…って感じです。まあ、そんな批判を始めたら、日本のA-trainだかsustinaだか知らんけど、最近の通勤車両はみんな似たり寄ったりだもんねぇ。

 

 

車内は超低床100%。段差ナッシングです。なので車椅子もベビーカーもモーマンタイあるよ。座席はこのテのトラム車両ではお約束のベンチのような硬いシート。これに30分以上乘せられたら暴れるけど、トラムの乗車時間がそんなに長いというのはあまり考えられず、これくらい割り切っていてもいいと思う。

 

個人的に気になったのはこれ。

 

 

…これはいんだ。「次止まります」ボタンは。そのおとなりにあるこれに注目。

 

これも次止まりますボタンと思いきや…なんか違和感あるぞ。

 

 

なんとUSB充電ソケットであったでござるよ…の巻。

 

でもさ、これ、座っている人には使いづらい向きだなと思ったのですが…

 

 

…反対側にもついていた。ということは上面は立っている人用の充電ソケットなんですか?

 

うん。座っている人と立っている人の格差縮小…という意味では素晴らしい発想だと思う。だけどさ、誰がトラムに乗っている限られた時間に充電用のコードを引っ張り出して充電するだろうか。こと立ち席だった場合。万が一にも急ブレーキをかけた日にはコードが引っ張られて手持ちのデバイスが破損したりしないのだろうか。…こう考えると、不必要な投資にしか見えない。

 

エントリーナンバー2。PKP Intercity

総合評価★

 

写真の歪みは心の歪み…ではなく下手なパノラマ合成したからです。

 

こちら、ポーランドからエントリーのPKP Intercityです。オブラートに包むことなく有り体に言ってしまえば、ひでー電車でした。

 

地面からの段差に階段2段しか使っていないことから見て取れるように、低めのホームの高さに対応してます。ドアを開けるともう1段段差があります。これ、ヨーロッパのホームが未だに嵩上げされていないことが多いからなのです。

 

 

…手前に車椅子のスペースがあるのは最近の車両の基本ですので特筆に値しない。上の写真、車両中央部に壁みたいなものが見て取れるのがわかるでしょうか。

 

ここね。

 

ここ、見てのとおり、セミコンパートメントになってます。プチ個室。

 

 

…い、意味がねえ。

 

完全に個室になっているわけじゃないんで、通常座席の雑音はそのまま入ってきますし(逆もまた正なり)、何より、このようになんちゃってコンパートメント化しなければ4+4で8席設置できるところ、(なぜか6ではなく)5席しか設置してないのは空間の無駄遣い。私がこの会社の社長なら即ダメ出ししてデザインやり直しの刑に処します。

 

 

このように貫通路が窓際から中央部に移動する関係でさらに1席減ってます。最近の座席詰め込みに対して空間を贅沢に使っている…というのはある意味評価に値するかもしれませんが…正直「空間の無駄遣いじゃあ」と批判するほうがしっくり来ます。

 

 

デザインやり直しの刑といえば、この自転車置き場も問題ありあり。

 

 

…動いてる電車の中でこんなふうに自転車を吊るすなんて至難の業ではないかと。車内事故防止…とかいう発想はないのだろうか。

 

何よりもダメだったのはこれ。

 

手すりが開閉ボタンに干渉。誰か突っ込む人はいなかったのだろうか。

 

写真では残念ながら通じないでしょうが、このハンドレール(手すり)、ガタついているんですよ。つまりしっかり取り付けてないイノトランスに出品した列車がこれですからあとは推して知るべし。ちなみに1本のハンドレールが偶然ガタついてたわけではなく、どれもガタついてた。このガタツキにメーカーの姿勢が透けて見えるようで最低評価と相成りました。

 

エントリーナンバー3。スットコランドの地下鉄

総合評価★★

 

 

無知を自慢してもしょーがないんですけどね、グラスゴーにもロンドンみたいなチューブがあるんですね。ちなみにこの車両Stadler社が作ったようです。

 

 

一つ上の写真、やたら階段の段数が多く見えるのはこれが理由。展示場の線路幅よりもこの車両の線路幅が小さいらしく、このような台車に乗せて線路幅を調節しているわけ。

 

 

まあ、外見からも分かる通り、狭い。これで地下を走られたら、一部の人は閉所恐怖症を発症するんじゃないかしら。もし、銀座線がこの車両だったら…毎日が地獄絵図だろうな。

 

 

とりあえず、オレンジがアクセントにはなってますが、実にどーでもいい車両です。気になったのは運転席。

 

 

 

 

…難しい知識なくとも、多分私でも運転できるな(正しい停止位置に止められるかとか疑問は残りますが)。

 

 

運転席はともかくとして、運転席脇の席は何?補助席としては進行方向を向いていないし、福岡の七隈線みたいに自動化されていてこの席が一般に開放されるわけでもなさそうだし。謎です。

 

エントリーナンバー4。中国中車の「未来の車両」

総合評価★★★

 

 

これは現地ではなにがなんだかわからない車両だった。東洋経済の記事によると「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をボディや台車に採用、大幅な軽量化を実現した」らしいのですが…すまん、節穴の目を持つ私は現地でそんな事につゆ気づかなかった。

 

 

無人運転に対応しているらしく、運転席はこのように車端部に隠されています。

 

 

車内に特に特筆すべきものはないな…と思ったら、それは甘い。再び東洋経済記事より引用。「さらに車内では窓枠を巨大なタッチスクリーンとして活用し、巨大なiPadのようにさまざまな情報を映し出す」

 

 

東洋経済記事には写真がなかったようですが、ずばり、これですね。

 

ただ、他の見物客がこのタッチスクリーンらしきものを操作していたのですが、反応してませんでした。これ、通常は窓になるのでしょうか。