ついに先週はたった一度だけしかしてない更新すらサボってしまいました。全世界の毎日10000人ほどの読者様、申し訳ございません(最近全然数えてないので知らんけど、たぶんゼロ2つくらいミエを張ってます)。
週にたった一度の更新をサボってお前はどこに行ってたんだアホタレ…という話になると思うのですが、はい、ハンブルグに行ってました。なぜかというと、ここに行ってみたかったのです。
ところがさ、それがそんな簡単な話じゃないのです。こと大ホールでのコンサートはチケットがまっっっっっったく取れない。信じてくれない人は、公式サイトから大ホールの予定(Grosser Saal=大ホール)を見てきてほしい。ほとんどのコンサートが「売り切れ」になってるから。
ここを拠点にしているNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団に関しては、来年春のコンサートチケットすら完売。実は一昨年から抽選に何度も応募したがまったく当たらない。当たればいい誕生日だかクリスマスプレゼントになるのにのにのに。
そんなわけで、定期的に公式サイトを巡回していたのですが、ある土曜日の朝、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団ではないものの、なにやらキャンセルで若干の空席が出ている。しかも、ステージ前のいい席だ。
ぽちっ。
ついでにホテルもぽちっ。
こうしてコンサートの内容などを吟味するヒマもなくほとんど脊髄反射でクリックしてしまい、3ヶ月ほど前にハンブルグ行きが決まったのでした。
コンサートは金曜日の夕方、うちからハンブルグまで高速を本気でぶっ飛ばしたとしても2時間(うちの150キロ以上は怖くて出せないそらまめ号=日産ノートで挑戦するのは単なる自殺行為)、ハノーファーの北で万年工事をやっていて渋滞していること、しかも金曜日は渋滞などがあるだろうから現実問題としては3時間以上かかることを考えると、仕事が終わってからハンブルグに向かうのは無理筋。というわけで有給申請。
逆に金曜日の朝イチに出かけると今度は早すぎる。というわけで、自宅でゆっくりと朝ごはんを食べた後、わざと高速道路を避けて一般道でハンブルグへ。
途中リューネブルグで休憩してお昼ご飯を食べ、ハンブルグ郊外のThe Rilanoホテルへ。
このホテルを選んだ理由は単純。ホテルはリバーサイド、川沿いリバーサイドホテルなので、船を乗り継ぐことで同じくエルプ川沿いにあるエルプフィルハーモニーまでたどり着くことができる。確かに小一時間かかるのは遠いのだが、下手に地下鉄などを乗り継ぐより優雅な船旅のほうがいい気がしませんか?
午後2時過ぎにホテルに到着。まあ、嫁は有能な秘書である…20世紀であれば。チェックインカウンターで取り出したるはドキュメントケース。その中にはホテルから今晩のエルフィルハーモニーの入場券からすべてが印刷されており順序よく保管されていた。…私一人だったらスマホの画面を見せて終わりだったろうな。エルフィルハーモニーだってスマホ画面で入場できた(はずだ)し。
部屋に入ると…おお、エルベ川が目の前に。
この瞬間にこのホテルが気に入った。市内の、窓を開けても何も見えない…とかいういホテルよりずっといい。
身支度をして出発。…と書けばひとことなのだが、嫁が「エルプフィルハーモニーにはドレスコードがあるのかしら」などと心配し、無駄にたくさん服を持ってきた中からの選択。
水上バス停はホテルの真ん前。あとで気がついたが、一つ前のバス停は対岸。つまり、対岸のバス停からフェリーが出たのを見計らって出かければちょうどいい塩梅でフェリーが到着しているという理想的な環境。
…なのだが、意味不明なことに次のバス停でバスの乗り換えが必要。同じ川の上なのになぜか路線が分かれているのだ。接続は考慮されているのか待ち時間なしであっという間に乗り継げるのだが、それでも不便。
途中でハンブルグのキモとも言える港湾部を見ながら市内に向かいます。上の写真なんて説明なしでは何がなんだかよくわからないですよね(少なくとも私にはわからない)。
このようにコンテナ船にコンテナを載せるためのクレーンらしいです。
さらにもう一度フェリーを乗り換えてエルプフィルハーモニーに到着。
この建物、下層のレンガの部分は既存の倉庫だったらしい。そこを駐車場他に改装して、さらにその上にガラス張りのコンサートホールやホテルを「継ぎ足した」らしいのだ。なんでそんな面倒くさいことをしたのか私にはさっぱりわからないが、一つ間違いなく言えることは、難工事になったおかげで開館がひどく遅れたらしい。そして、どこぞのオリンピックじゃないけど予算が当初の数倍に膨れ上がったとか…。
このエルプフィルハーモニーの建物。レンガ部とガラス部の境目になる「プラザ」という階に入るのに入場料を取るらしい。ただし、レストランでの予約とか、コンサートの予約があるとその料金は免除される。
ここのエスカレーター、チューブっていう愛称があるらしいんだけど、これ技術的にはすごいもんだと思う。途中でエスカレーターの傾斜が何度も変わるのだ。そのおかげで地上から8階くらいの高さにあるプラザ階まで怖さを感じないで登ることができる。ほら、地下鉄の駅のやたらと長いエスカレーターとかちょっと怖くないですか。
一度折り返してプラザ階に到着。
ふむ。確かに立派…ではあるが、別に取り立ててすごいということもないのよね。ビルの周りを一周できるのだが通路は狭いし高さだって大したことないからさしたる絶景というわけでもない。とどのつまり、入場料を出してまでやってくる価値はない。
ぐるっと1周して写真を何枚か取ったけれどもその意見は変わらない。この時点で午後5時前。実はプラザの一つ下の層にあるレストランに午後5時半に「エルプフィルハーモニーのお客様のためのセットディナー」の予約をしていたのだがちょっと早い。…がもうやることがない。行ってみよう。
案の定といえば案の定、まだレストランは開いていないということで、お隣のバーエリアで一休み。
…まあ沢山の種類のビールがありまして、とりあえず、このあとコンサートがあることなどを考えてアルコール分の低い軽めのビールにしました。
そんなことをしているうちにレストランが開いたということで一番乗り。
今回はセットディナーということで、選択の余地はないらしいのだが…なんかメニューを見てよくわからなくなった。
…ってなんじゃこりゃ。ドイツのいつもの「メガ盛り」に慣れてしまった私にはこの「お上品な」大きさのサーモンは逆に驚き。
…メニューを見て思ったのはFish or Beef的な選択になると思ったのだが、そんなことをまったく聞いてこない。出てきたのがこれ。…アンコウの下に牛肉と…なるほどいっぺんに出てきた。それにしてもお上品なサイズだわ。前菜の前にパンが出てきたけど、主菜にイモがついてこないのは新鮮な驚き。
そしてデザート。しつこいけど、いつもなら「もうデザートなど食えん」となっているところなのに、今回は文字通りの腹八分。
というわけでコンサートに行くのだ。
この階段を登ると…
おお、なんかホールの外もかっこいいぞ。見てのとおり、かなり立体的な設計になっている。図面を引くの大変だったろうなとか考えていた。
一つ安心したことは、さすがドイツと褒めるべきかあるいは(自重)すべきか、あまり皆様着飾っていないのよね。男性はネクタイをしている人もいるが私を含めそうでない人も多く、無駄に気恥ずかしい思いをせずに済んだ。ドイツはいいところです。
さっき飲んだビールの酔い覚ましも兼ねてコーヒーを飲み、ホールの中に入ると、ホールそのものは巨大とは言えない。むしろ高さはあるもののさして広いとは言えない気がする。
「ご参考までに」こちらがアイルランドのNational Concert Hallです。
異論反論ありそうですが、陣取ったのはステージからわずか6列目の席。当然のようにかなりお高い席でした。ふと思ったんだけど、音響の良さとかを忘れたら、ステージ後ろのかなり高い位置の席なんかも面白そうだし、何よりチケットも安い。次回の課題(…それ以前にチケットが全く取れない問題があるのだが)。
午後8時。コンサート開始。
感想。音がいい。
座った位置が良かったのか(もっと後ろの席のほうが音は良かったんじゃないかという説はある)、いやたぶんホールそのものの音響が考えつくされているのだろうもう、音がいいのだ。最高に。素朴に感動した。
演目については…正直わからん。「モダンクラシック」とかいう分野で、何か下手なことを書くと知らないことがバレそうなので特に何も書きません。とりあえず今度はNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行くのだ…と心に決めフェリーでホテルに戻る。
…長くなったので続く。
エルプフィルハーモニー管弦楽団は全く聞いたこともないし、来日もないのでは?それにしてもおそらくマイナーであろうに、ホールが立派なのに驚きました。アクロス福岡シンフォニーホールもこんなに大きくないです。(ちなみにウィーン楽友協会のコンサートホールを模倣したらしい。似てます)で、曲は何なのでしょ?コンサートにいったからには曲目くらいかきませう。w 多分不協和音でつまらなかったのでは?
ちなみにベルリンフィルハーモニーオーケストラは超有名ですが、もう一つベルリン交響楽団という非常に紛らわしい楽団があります。よく来日してます。ほか、フランクフルト放送交響楽団が有名で人気。この秋に日本人の指揮者鈴木雅明氏がデビューしました。バッハコレギウムジャパンの創設者なのですが、この楽団が非常にいいです。息子さんも指揮者でチェンバロ奏者。親子して世界を駆け巡っておられます。ゲバントハウスもいいですよ。実に羨ましい環境におられる・・。リンクはイギリスでの事ですが・・。
https://www.youtube.com/watch?v=ILNDWCLVnpw&feature=share
私にクラッシックのことを聞かれてもさーーーーっぱりわかりませんが、
Kurt Weill Symphony N°2
H. K. Gruber – Frankenstein: “Pandemonio” per chansonnier
…でした。
2曲めは「クラッシック」にカテゴライズしていいのかわかりませんが、Symphony N°2は良かったと思いますし、ホールの音響については完全に折り紙つきです。
エルプフィルハーモニー管弦楽団は北ドイツ放送交響楽団が改名しただけですよ…超有名オケです
2曲目、これナンジャイ?ですね。音響いいのですね。やはり音楽の国ですねえ。羨ましいです。(蛇足;バイエルン放送交響楽団を忘れていました)