新し物好きが新駅に行ってみる

本日の日記、Irishrailが気になってやまない鉄ちゃん読者さん、Kさんに捧げます。


なにやら市の西部に新しい駅ができたらしい。というわけで、町に行くついでがあったときに行ってきました。


駅の近くに車を停めて徒歩で駅へ。

Irishrailの新駅

おおっ、きれいだ。


正確にはこの駅、新駅ではないようです。昔からあるらしいのですが、再開発で新しいアパートやビジネスパークが建てられたので駅が700メートルほど西に移設されたらしい。


てかさ、きれいなのはいいんだけどだーーーーーーれもいないのはなぜ?

誰もいないのに無意味に並ぶ3台の券売機

駅の中に行ってもやっぱりがーらがら

4台目の券売機を拡大してみる

(今気がついたけど、この券売機、カードも受け付けるんだね。ある意味日本の券売機より上行ってるかも)。


自動券売機。Heustonまでひと駅なのはいいが、Heustonは町からけっこう離れているので歩くのは結構面倒(少なくとも20分はかかると思う)。なので、接続のダブリンバスの乗車券も一緒に買おうと思い自販機をいろいろいじるのだが、そんな運賃は出てこず、出てくるのはHeustonまでの片道運賃1.8ユーロのみ。


ふと見ると、こんな人気のない駅なのになぜか有人の窓口がある。中にはテレビを暇そうに見ている係が一名。これが北海道のローカル駅の終点なら事務室に呼んでくれそうだが(なんかの映画かい)、係は頑丈なガラスの向こうに守られていた。で、私が90番のバスまで含んだ切符がほしいというと係のお兄さんは


シティセンターまで1.8ユーロです。乗り場は2番線です。じゃーねー」


はい、1.8ユーロね。…って払って気がついたけど、Heustonまで1.8ユーロ。そこからバスまで入れて1.8ユーロってどう考えてもおかしくね?こりゃなんか誤解されたな、説明しようか、いやいいや、めんどくさいから。

改札口

なんと。改札口がある。PasmoもPiTaPaも使えません。当然。車いす対応になっているところはさすがだ。

ホーム全景。

ホームに降りると、数人の人が待っている。…いくらラッシュアワーじゃないとはいえ、そして駅が開設されて日が浅いとはいえ、この客数はあまりに少ない気がする。これから増えていくのだろうか。


ヒマだったので駅のあちこちを撮影。

複々線化工事中

そう、このあたり、なんと複々線化工事中!なんでもHeustonから16キロ区間を複々線化するんだって。ちょっと待ってよ。現在どんなに多くても各駅停車がせいぜい1時間に1本、特急が多くても毎時3-4本くらいしか出ないような路線を複々線化するってあんたら正気か?(正気かも何も、工事はもう中盤を過ぎちゃっているのですが)しかもその金はだれが払ってんだよ?複々線化する前に、京急でも阪急でもどこでもいいから日本の鉄道会社に行って過密ダイヤの組み方を勉強してきてくれればこんな過剰投資しなくても済んだろうに。


仮に複々線化工事が終わって15分おきに各駅停車が運行されて(DARTの例から、あるいは現状の駅や列車のすかすか具合から考えると、それ以上の高頻度運行はあまり考えられない)特急も同じくらい運行されても1時間に全部で8本。7分おきの運行。途中に退避設備を一つ作ればどう考えても複々線化する価値はないような。

列車が到着

そんなことを一人で考えていると、後ろから警笛が。お、列車が入ってきた。まだ私が乗るはずの各駅停車の発車時間まで3分くらいあるからこれは通過列車だな…と思ったら、なぜか列車は止まった。よく見ると、Heuston行きと書いてある。乗る。ドアが閉まる。発車する。あれ、定刻より2分以上早いんですけど


こらっ、アイルランド国鉄、2分も早く出るな。


こんなことをするのはダブリンバスくらいだと思ってましたが、なんとまあ、アイルランド国鉄もやるんですね。早発。で、この駅からHeustonまではひと駅所要14分。なのに、なぜか6分で着いてしまった!結局時刻表より8分早着。いったいどうなってんだ。今まで鉄道沿線に住んだことがなかったから知らなかったけど、Irishrailもとんでもない突っ込みどころ満載の鉄道会社なんじゃあないだろうか。


三両編成の車内がほとんど空なことをいいことに写真を撮ってきました。

乗降ボタン

入口の乗降用ボタン。「閉」ボタンが(><)のアスキーアートに見えるのはたぶん私だけですね。

トイレのおかげでカーブした通路

入った瞬間の通路。身障者用の大型のトイレがあるのでこのようにカーブしてます。この写真だけみると列車とは思えませんね。

新型車両の車内全景

車内全景。がーらがら、すーかすかなのはともかくとして、真っ白なのですんごく明るくて清潔感があります。「そりゃ新車だからだろ。どうせすぐに落書きされるし、くすんでくるから」なんて本質をついたことを言ってはいけません。

各席に電源がっ!

予備知識なしで入ってきた私が一番驚いたのがこれ。なんとまあ、各席に電源が用意されてます。ドイツ国鉄の誇るICE(新幹線)ですら、各テーブル席に1つあるだけなのに(注:4席分のテーブルに一つ、テーブル以外の二人がけの席には設置なし)…ですよ。これを過剰設備と言わずになんという。少なくとも、ノートパソコンの電源争いなどこの列車では起こらないと思います…ちゃんと動いているとすれば。

Transport 21

EUからの援助を受けたTransport 21プロジェクトからの資金提供を受けてこの列車は購入されました。写真を撮るの忘れたけど、この列車、韓国製でした。一部DARTなどでは我らが日本の東急車輛製があるらしいのですが、よくは知りません。DARTで通勤通学中の皆様、よかったら教えてください。

社内の見取り図

車内の見取り図。基本的にはテーブル席が主体らしい。


そんな写真を撮っているうちにHeuston駅に到着。バス停から接続の90番のバスに乗る。例の1.8ユーロの列車の乗車券をバスのカード読み取り機に読ませたら…問題なし。確かに目的地がHeustonじゃなくCity Centreになってるけど、なんかいまいち腑に落ちない。こんなお得な乗車券があるならちゃんと自動販売機でも売ればいいのに(それともこの事実はこっそりと隠しておきたいのだろうか)。この辺の事情をご存知の方はぜひ教えてください。


このあと、用事を済ませて帰りはバスでこの駅まで車を取りに戻りました。ホントは列車で帰りたかったんだけど、列車がほとんどないから無理でした。なにせ、この駅に止まる列車は現状一日11本!(どっかにかつてあった博物館動物園駅じゃあないんだから)複々線化した暁にはこの運行が増えるんだろうか…いや、増えなきゃただの過剰投資ですぞ。Irishrailさん。