【欧州内ビジネスの機内食比較】ルフトハンザvs.SASがっすのスカンジナビア航空


時系列的には前回のお話の続き。日本から戻ってきて、24時間経たないうちにまたハノーファー空港に戻ってきました。今度はダブリンへ。

 

時刻は午後6時。保安検査場は結構混み合ってます。

 

ハノーファーのような地方空港からダブリン行きの直行便など飛んでませんから(ほんの1シーズンほどエアリンガスが飛んだが、あっという間に休止になった)乗り換えが必要になります。スタアラ以外のことは知りませんが、スタアラで行くならフランクフルトが一番本数も多く便利。というわけで、フランクフルト経由です。

 

ハノーファーからフランクフルトの間の記憶は何も残ってない。つまりは何も起こらなかったということ。ちょっとした事件はフランクフルト=ダブリンへの最終便で起きた。搭乗口にスマホ画面の搭乗券をかざすとぬぬぬと「座席変更のお知らせ」が印刷されたのだ。

 

 

マジっすか。一番最低の運賃しか払ってないのにビジネスクラスにインボラアップグレードですか。ありがとうございます。

 

日本の国内線での上級クラスは「プレミアムクラス」などと呼ばれ、ちょっと立派な座席などで差別化しているようですが、私の知る限り(=スタアラしか知らん)ヨーロッパ内のフライトでは座席はエコノミーと同じ。ただし、ルフトハンザ(とSwissなどのルフトハンザグループ会社)の場合中央席がブロックされてます。古き良き時代にはこの中央席の背もたれにサイドテーブルが隠れていた(一部の車の後部座席中央にあるアレ)のですが、薄型の新型シートになってそんな素晴らしいものはなくなりました。

 

やはり横に知らない人がいない…というのはいいものです。私は隣の人と肘掛け争奪戦をするようなことはしませんけど、それでも肘が当たらないようにしようとか気を使うし、お隣さんが「ヨーロピアンサイズ」なお方だったりすると(お察しください)、私の席まで「侵攻」してくることもあるし…。

 

座席が同じなので、航空会社は座席の需要に応じてエコノミークラスとビジネスクラスの座席の配分を変えることができるわけ。エコノミークラスが混んでいる場合は前の3列のみがビジネスだったりとか、逆にエコノミークラスが空いている時は前の10列以上がビジネスだったりとか。私が見る限りルフトハンザのドイツ国内線はビジネスクラスの配分が高い気がします。

 

真ん中のシートの枕の部分に”Your Space”と書かれてます。それだけなので例えば通路際と窓際の離れ離れが嫌なアツアツバカップル(言ってて恥ずかしいな)の一人が中央に座る…ということも可能。実行してる人見たことないけど。

 

ちなみにSASがっすのスカンジナビア航空の場合は、中央席はブロックされません。つまり、エコノミークラスと座席の条件は全く同じ。ただし、空席がある限りはエコノミークラスの乗客を隙間なく詰め込んで、PLUSと呼ばれるビジネスクラス客の席を多く取ることで、スペースを確保するように努めている模様。よーするに、混んでたらエコノミークラスと何も変わらないということ。

 

 

話を戻して、ルフトハンザのビジネスクラスではスパークリングワインをいただけるんですが、実はルフトハンザではエコノミークラスでも無料です。「シャンパン」じゃないところがミソでして、ドイツのスーパーでは0.75lのボトルのスパークリングワインが日本円で500円程度で売られてるんですよね…。「産地が違ったら何だってんだ」と、ぶっちゃけ味の違いがわからないので私にはゼクト(ドイツのスパークリングワイン)で充分だったりします。飲みきりサイズのボトルではなく、0.75lのボトルからサーブされる形になります。

 

というわけで、ルフトハンザのエコノミークラスでもスパークリングワインをいただけるんですが、私が観察した限り、ドリンクサービスで使う数台のカートうち、スパークリングワインを載せているのはビジネスクラスからサービスを始める一台のみです。なので、小心者の私がスパークリングワインを飲みたい時は「ゼクト開けた?もし開けたボトルがあるならください」みたいに頼みます。だって、残ったのは捨てることになるからもったいないというか、申し訳ないもん。客室乗務員さんも心得たもので、正直に「開けてないです」とか答えてくれます。その際は「じゃあ白ワインでいいや」みたいな感じで頼みます。(赤白ワインは他にも頼む人が多いので、開けてもらうことは気にならない)

 

 

ご参考までに、SASがっすのスカンジナビア航空のPLUSでは、飲みきりサイズのFrancois Montand Brutが出ます。フランス産のスパークリングワインです。GO(エコノミークラス)でも買えますが、確か10ユーロとかとんでもないお値段するはずです。まあ、これに関してはSASがっすのスカンジナビア航空の勝ちかな。ただし、違いのわからない私にはシャンパンのありがたみがわかりませんけどね。ごくごくちなみに0.75lの瓶、日本の某ナントカ市場ではわずか1280円で売ってますね…。

 

 

こちらがルフトハンザのダブリン行き、つまりダブリンに午後10時過ぎに着く便の「夕食」です。いや、時間的にはもはや「夜食」か。コールドミールです。

 

 

で、こちらが、前回のお話の登場した、SASがっすのスカンジナビア航空の「大陸間フライト」(←ここ重要)のビジネスクラスのメインコースです。SASがっすのスカンジナビア航空の大陸間フライトのミールと、ルフトハンザのたかだか2時間のヨーロッパ内短距離フライトのミールといい勝負なのが情けないわ…。

 

でもこの比較はちょっとズルいので、SASがっすのスカンジナビア航空のヨーロッパ内のビジネスクラス(SASプラス)席の機内食をご紹介しましょう。つい数日前に撮影したばかりの「最新版」です。ダブリン=コペンハーゲン間の昼頃の便です。

 

 

こんな良く言えばスタイリッシュな箱に入ってます。あれ、トレーも以前あったテーブルに「ちり紙」を敷くサービスもなくなっちゃったのね。

 

 

なんか偉そうな口上が書いてますが、そっちに目を取られてはいけない。写真右の蓋の裏にナイフとフォークが入ってるのです。使い捨てのプラスチック製。ルフトハンザとの格の差がこんなところにも出てます(…あ…ついと本音が…)。

 

 

偉そうな口上の下にはドレッシングとポップコーンとしか思えない「ふりかけ」が入ってます。

 

 

これがさあ、もう食べづらくてしょうがないの。ビジネスクラスなのに使い捨てのナイフとフォーク。それがまた箱の大きさに合わせた小さいものだから箱の底まで届かない。…まあ平たく言えば上品に食べることができない。なんで環境問題にうるさそうな北欧の航空会社がこんなゴミがたくさん出る機内食を是としたのか、担当者に真顔で聞いてみたい。もちろん量も不満。まだエコノミークラスで販売してるサンドイッチのほうがいいんじゃないかと思ってしまう。

 

 

上の写真は別の日、具体的には今年の1月末のコペンハーゲン=ダブリン線でのちょい早めの昼食…という時間帯のPLUS席の機内食。暖かいキッシュはポイントやや高ですが、注目してほしいのはこの短いフォークとスプーン(あれ、ナイフは…って自分で思ったけど…ないね…)。箱そのものをお茶碗のように持ち上げるか、はたまた顔を限りなく箱に近づけないと食べられません。

 

というわけで、ルフトハンザとSASがっすのスカンジナビア航空の機内食、どちらが食べたいですか。

 

 

おまけ1。件のルフトハンザ深夜便のダブリン着陸前に市内を見る。このヨーロッパのオレンジ色の灯が大好きです。

 

 

おまけ2。SASがっすのスカンジナビア航空のコーヒーとともに食後に出てくるチョコレート。これは正直美味しかった。