日本の帰省の話も佳境に入ってますが(入ってるんです。当社基準によると)、ちょっと今日は閑話休題。ダブリンのお話です。
去年の暮れにダブリンの路面電車、LUASのGreen Lineが延伸されまして、ついに市の中心部を縦貫してリフィー川の北側まで来るようになったのです。とってもおヒマな私は様子を見てきました。
LUAS、RedとGreenの2線があって、今までは2つは交差していなかったのです。2,013年より市中心部での延伸工事が始まり去年の12月に完成したのです。
今回の日記、地図がついてます。この地図を別ウィンドウで開く設定にしておくと、地図で写真の位置が確認できます。スマホの場合…ええっと、ヘンタイ端末でも手に入れてなんとかしてください…。
ちなみに途中で写真の縦横比が変わるのは、思いつきで調査を始めたためスマホの電池が持たずに別のスマホのカメラに切り替えたためです。どちらかがアイフォンでどちらかがアンドロイドなのですが、画質を落としているので多分見分けはつかないですよね…。
まずはこちら、Dawson Streetから。今までこの通りは南から北への一方通行だったのですが、ご覧のように一般車進入禁止となりました。この写真を撮影したのがご曜日の午前10時過ぎ…という時間帯もあるのでしょうが、それを計算に入れても、バスなどが鈴なりになっていたDawson Streetに見渡す限り車が走っていないのは不思議な光景です。
同じ場所からNassau Streetを望む。
そこから100メートルも離れていないGrafton Streetとの交点。こちらは北から南方向の一方通行でしたがご覧のようにLUASを含めて片側1車線の対面通行になりました。ラッシュ時にはまず間違いなくバスとLUASだけで渋滞が起きますね。その時間帯に来たことがないので現場を押さえてはいないのですが…。
一方でSuffolk Streetは行き止まりになってしまい、今までバスがひっきりなしに発車していたのに、静まりかえっています。これならGrafton Street同様歩行者専用道路にしてもいいんじゃないかしらね。そうするつもりがないなら、バスは従前どおりこちらを通してここのバス停群を活用しても良いんじゃないかしら。
College Greenには見慣れない信号機が。
Bank of IrelandとTrinity Collegeの間の道は片側2車線だったのが1車線に減らされて、そのかわりに自転車専用道が設置されました。これ、自転車が線路に対して直角に交わらないと滑る危険があるための対策と思われます。二輪車に乗ったことがある方はご存知と思うけど、線路って滑るのよね。
この場所で北行きの線路はWestmoreland Streetへ。南行きの線路はHawkins Streetに分かれます。とりあえず、このあたりがバスと道路を共有している関係で朝夕に渋滞しそうな感じです。予算の問題を忘れていいならこのあたりはLUASを地下化したほうがよかったんじゃあないだろうか。
こちらはWestmoreland Street。駅が設置されました。これだけの道幅があるのだから、わざわざ分離させずに両方向の線路をWestmoreland Streetに設置しても良かったんじゃないかしら…と思ったのだが、どうも理由がありそう(後述)。
Westmoreland StreetをO’Connell Bridge方面から望む。Westmoreland StreetからD’Olier Stへの右折はできなくなったようです。ということは、この三角地帯を出発地としている深夜バスの運行にも変更が出ているはず。良い子の私(当社基準による)は深夜バスが出る時間帯まで出歩いたりしないので知りませんけど。
同じ場所からO’Connell Bridge方向。O’Connell Bridgeに鉄路が戻ってきました。…いや、良くは知らんのですが、大昔にはここに路面電車が走ってたんでしょ。
ちょっとここでO’Connell Bridgeには行かずに南行きの線路に移動。O’Connell BridgeとTara Street駅脇にあるButt Bridgeの間にできた橋はRosie Hackett Bridgeというらしいです(知らなかったよー)。思えばこの20年でリフィー川に掛かる橋が5本も増えたんですよね。
今までEden Quayは西行きはバス専用の対面通行だったのですが、Rosie Hackett Bridgeを境に一方通行になった模様。
反対方向は未だにバスレーンを使った対面通行運用されている模様。
同じ場所からMarlborough Streetを望む。
そしてこちらはMarlborough StreetとAbbey Streetの交差点。ここでGreen LineとRed Lineが交差するのですが、渡り線が設置されてます。使うこと、あるのかしら…。
この交差点のすぐ脇にRed LineのAbbey駅があります。これがRed LineとGreen Lineの乗換駅。南行きGreen LineはMarl borough StreetのMarlborough駅まで数十メートルの距離です。
こちらはMarlborough駅。この通りも思えば変化に乏しい通りだなぁ。
Marlborough Streetを進行する南行きLUAS。
そのうち中華街の門が建つ…と私が勝手に言い続けているParnell StreetよりMarlborough Streetを望む。ここで南行きの電車は交差点を曲がり東から南に進路を変えます。
その手前にはParnell駅。ここに来て、なんでわざわざ北行きはO’Connell Street、南行きはMarlborough Streetに線路を分けたか理解しました。
上の写真で見て取れるように、一部のLUASはO’Connell StreetからParnell Streetに入ってきます。
これ、O’Connnell StreetからParnell Square方面を撮影したもの。ここで、線路が分岐しているのです。左はさらに(延伸された)Broombridge方向へ。右へ行くと写真23のようにParnell駅へ短絡します。そう。ここで電車の半分が折り返して南方向へ戻るのです。Parnell駅は折り返し駅の役目も担っているわけです。
こちらは北行きのO’Connell Upper駅。LUASのおかげでここにあったタクシー乗り場は撤去され、かつO’Connell StreetからCathal Brugha Streetへの右折ができなくなりました。空港行き747バスなどはParnell Streetをぐるっと一周迂回することになっているようです。あれ、123系統のバスはどう運行されているのか確認しなかったな…。
ここから先、私は最近こちら方向に来ていなかったので線路がどこに向かっているか知りませんでした。勝手にParnell Squareより北方向に延びているんだろうと思いこんでましたが、なんと線路は方向を変え西に進んでます。
再開発が進み、O’Connell Streetを挟んで西側のParnell Streetは私の知るそれとは似ても似つかぬ様子の通りですが、そこにLUASが来てさらにわけがわからなくなりました。片側2車線だったのが1車線の対面通行に変更。思えば、LUASが来たと言うのにO’Connell Streetを挟んで東側のParnell Streetは変化が乏しいですね。
Dominick Streetでようやく北に進行方向を変えます。…この失礼ながら治安が良さそうとは思えない通りはある意味20年ほど前からほとんど変化がありません。
Dominick Streetに入った瞬間にあるのがDominick 駅。Ilac Centreから出てすぐのところにあるので利便性は高そうですが、もし、南方向に行くならParnell駅に行ったほうが本数が倍になるという罠が。
本編とは全く関係ないのですが、ここでお腹が空いたのでちょっと休憩。Capel StreetにあるBrother Hubbardというカフェでブランチを食べることに。上の写真にLUASの線路が写ってますが、こちらは今回の調査とは無関係のRed Lineだったりします。
ここに行ったのは、この調査前に行った行きつけの髪切屋さんの兄ちゃんがお勧めしてくれたから。けっこう有名どころらしい。11時過ぎというピーク前の時間だったにも拘らずすでに完全満席。ほんの数分待ちだけだったので問題はありませんでしたが。ちなみにお一人様もけっこういたので変な敷居の高さはなかったです。
brother hubbard’s avo & eggsなるものをいただく。週末ブランチメニューの一番上にあったから看板メニューと言っていいんじゃないかしら。パンの上に、アボカドと豆ベースのペースト塗ったくって、その上にちょっとおしゃれなポーチドエッグ、ついでにサラダ…というシロモノ。きっと似たものなら自宅で作れるけど、ペーストも美味しかったし良かったと思います。ただし、お値段€10超えというのは…まあ、ダブリンなら仕方ないのか。
カフェのアート。日本では珍しくないのかもしれませんが、こっちではあんまり見ない気がします。そうだ、去年、イタリア北部のリゾートホテル(自称4つ星プラス)ではこんなコーヒーが出てきたんですよ。「俺でもできらあ」と思った現在までのところ、最初で最後のカフェアートでした。
一息ついたら逆にめんどくなったので、ここからはLUASに乗って調査を続けます。
上の写真の位置で、北行きのGreen Lineから西行きのRed Lineに渡り線が設置されてます。
というわけで、O’Connell StreetのGPO(中央郵便局)駅より乗車の上調査を再開。この駅、GPOというよりは洋服の安売り店Penneys前…という方が正確なのですが…まあ妥当な駅名でしょう。ただ、O’Connell Upper駅とは200メートルも離れてなさそうなので、個人的にはO’Connell Upper駅はいらなかったんじゃないか…という気もします。
先ほど徒歩で確認したDominick駅に到着。ここで時間調整のためか3分ほど停車。もちろんなんのアナウンスもなし。
そうそう、日本の路面電車に比べたらLUASの各駅での停車時間は短いです。運転手さんがいちいち乗車券販売をしていないので乗降が終わったらすぐに発車するのです。乗客は駅で乗車券を買うこともできますが、たいがいLEAPカードと呼ばれるICカードを持ってます。現金よりも遥かに割引率が高いので使用価値は高いです。これを乗車時と降車時にホームにある機械にタッチすることで運賃がカードから自動で引かれます。
巨大なダブリンバスとBus Eireannの車庫の脇にあるBroadstone駅より専用軌道に入ります。…って、こっち側も昔は鉄路があったのかしら。何かしら掘割になっていていかにも廃線跡の再利用のような印象を受けるのです。
途中にGrangegormanという駅があったのですが乗降客なし。私が見た限りでは存在意義がわからない駅です。これから発展するんですかね。
そののち掘割の中のPhibsborough駅、Cabra駅を経由してBroombridge駅に到着。現在のところここが終点。
このBroombridge駅、アイルランド国鉄のSligo線の駅なのですが、この駅、こと女性は夜間一人で待つことは憚られるような寂しい駅だった…んだけど、もしかするとLUASの車庫もできたせいで状況は変わるかもしれないですね。
現在のところ、LUASの駅とアイルランド国鉄の駅は道路を経由しないといけないのですが、連絡用のエレベーターつき跨線橋が建設中の模様。確かにここでLUASとアイルランド国鉄間の乗り換えができるようになれば、わざわざ市の中心部で歩いて乗り換える手間が省けるので便利かも。ただ、この駅に停車するMaynoothまでの短距離列車は毎時一本程度しか運行していないという問題点はあります。
ここからLUASは空港方面に延伸する計画があるらしいのですが、素朴な疑問。線路は西に向かってます。なのに、空港は北北西方向。つまり、アイルランド国鉄の線路を超えて、90度以上方向転換をして北方向に進路変更をする必要があります。正直明後日の方向なので、個人的には勝手に主張しているDublin Port Tunnelの二車線をLUAS軌道化してRed Lineを延伸するほうがいいと思うんですけどね。
今編集しながら気がついたのだけど、上の写真、よく見ると架線柱が線路の延伸部に建ってますね。これが仮の設置じゃないというなら、あるいはCabra駅あたりで空港方面へ分岐する…という可能性もありえますね。
ここで調査完了とします。こののちMaynooth線の列車で市内まで戻りました。