かくして、上海に三度、あれ、すでに四度?出張することになった私。ダブリンより出発。私の務める某社、多くは語れませんがコスト削減の真っ最中です。当然エコノミークラスでの出張。
Ryanairの専用ターミナル…と言ってもいいと思われるターミナル1の100番台の搭乗口。ここのパブともカフェともつかない場所で昼食。ちなみに、ラウンジアクセスはなくなった(後述)。
さて、突然ですが、ここで問題です。上の食べ物とギネスの写真、一体どこがダメダメなのでしょうか。
(1)テーブルが汚い
(2)ギネスが不味そう
(3)ポテチが入っているのはおかしい
正解は、この日記の最後で。
ダブリンからコペンハーゲンまでのフライト(A321による運航)は出発が1時間遅れた以外は特筆することはない。相も変わらずコーヒーと紅茶以外は有料というRyanairより0.5歩だけマシなサービスで1時間半ほど過ごす。
あ、特筆すべきことはちょっとあったかも。定刻より1時間遅れでゲートを離れたヒコーキ、なぜか誘導路で止まってしまった。数分後、機長から「他機のトラブルのため…」と説明がある。見れば、おいおい、エアカナダ機の周りに消防車が集まっている。オイル漏れ…とも聞いたけど正確かどうかは自信がない。
今回のダブリンからコペンハーゲンのフライトは空いていた。結果エコノミープラス(プレエコ)の客はほとんどいないのに、L2ドアまでの10列がエコノミーに設定されている。エコノミークラスはほぼ満席。つまり、エコノミークラスの10列目以降は満席で、エコノミープラス席はほぼ空席…という機体のバランスどーなってんの状態。幸い私の隣の席は空いていたが。
結局40分遅れでコペンハーゲン着。急いでラウンジへ行き、どうせエサに違いない上海までの機内食を拒否すべく軽く食事。同時にスマホその他の充電を試みる。ヒコーキが遅れたおかげで実質40分ほどしか滞在時間がなくスマホはほとんど充電されず。搭乗時間になり、やむなく搭乗口へ。
搭乗口。あまりに当然ながら中国人がいっぱいだ。がやがやと賑やか。ああ、飲み物すら有料のエコノミークラスは嫌だな。いくらか払ってでも有償アップグレードを申し込もうか。いや、次回の帰省のためにもここは我慢すべきかな。いやいや、もしかしたら、インボラアップグレードがあるかもしれないぞ…いや、そんなこと期待するだけ無駄だぞ…となんだかいろいろ一人で考えながら並ぶ。
そして、搭乗口。残念ながら、ピンポンは鳴らなかった。その代わり、搭乗口の機械にはPrinter Errorとか書いてる。むむむ、なんじゃこりゃと思っていると、胸にI love you tooと書かれた謎の名札をつけた搭乗口の係の女性氏、「少々お待ちください」と隣りにあるカウンターへ。数分後、新しい搭乗券を持って帰ってくる。その搭乗券はエコノミープラス(プレミアムエコノミー)席。ありゃ、最終回の逆転ホームランだぞ。これ。ビジネスだったら「逆転満塁ホームラン」だったが。
そもそもの予約はエコノミークラスの一番前の席(30列目)。ここは十分な足元の広さがある。ここからたった一列前、距離にして1メートル移動しただけだが、この1メートルはでかい。エコノミークラスの席では飲み物が有料なのに対し、エコノミープラス席では無料。これはでかい。
実はエコノミークラス席での苦行を覚悟していた私は、ダブリン空港と市内で「エコノミー対策グッツ」を購入していた。まったく無駄になった。
エコノミープラス席。よーく見ると、そもそも予約していたエコノミークラスの最前列のほうが足元は広い。まあ、文句は言うまい。
機内は見える範囲ではビジネスクラスも含めて完全に満席。なのに、長江の奇跡としか言いようがない(深い意味はありません。中国といえば長江と思っただけです)、私の並びの三席は空席のまま。完全フラットシートのビジネスクラス席と比べると越えられない壁はあるのですが、エコノミープラスとしては最高の状態です。エコノミープラス席のバルクヘッドで隣がいない…というのがもちろん最高の状態ですけど。
ドアクローズのあと、誰も隣に移動してこないので心の中でガッツポーズ。…はいいんだけど、中国線はなんちゅーかにぎやか。日本線と比べると何かしら異なる印象。
離陸後、飲み物のサービス。ナッツと「食事中を含めた」飲み物を選ぶように言われる。つまり、食事前に飲み物の御用聞きに来てくれない。ナッツは袋に入ったままで暖められていない。本当に細かいことだけど、ビジネスクラス席との越えられない壁を感じる。
ちなみに、日本線のサービス更新後のエコノミークラスに乗ったことがないのですが(注:帰りは見事にエコノミーでしたのでこのお話は後ほど)、日本線のエコノミークラスは「特別に」食事の際のアルコール1本に限り無料らしいです。逆に言えば、中国線ではアルコール類は全て有料。日本線の乗客は客層がいいのかなとか思うがなんの根拠もない。
水平飛行になり「巣作り」を始める私。エコノミープラス席では各シートに電源が取りつけられている…のだが、電源が供給されていない。お願いするとすぐに電源を入れてくれた。こうして、スマホ・ノートパソコン・ノイズキャンセリングヘッドフォンの電源を確保する。
エコノミーを含めた各座席にはUSB電源が確保されているが、これはまったく使えないと思われる。電源が確保されるまでこれを使ってみたのだが、スマホの電池は充電中にもかかわらず減り続けていた。スマホを使わずに充電に特化すれば、なんとか充電される模様。…まあ、その程度の供給とお考えになれば間違いないでしょう。
そして、餌タイム。バーベキューチキンか魚の選択。私は過去にSASがっすのスカンジナビア航空で魚を選んで何度も後悔しているのでバーベキューチキンとやらを選択。客室乗務員さんに「あなたならどっちにする」と聞いた結果でもある。なお、エコノミークラスでは選択の余地なくこのバーベキューチキンとやら一択。つまり、魚はエコノミープラス席用の特別食…なのだが、エコノミーよりさらに酷いという罠が仕掛けられている。
…ソースが激濃。味を誤魔化そうという魂胆ですか。ラウンジで食べていたこともありほとんど残す。鶏さん餌とか暴言を吐いてごめんよぉ。
食事後に、コーヒー紅茶のサービスがあったのだが、日本線にある緑茶のサービスはなかった。やはり日本線は重要視されているのかなとか思うがやはり根拠はない。
食事後、3時間ほど熟睡の後、目が醒めてギャレーに飲み物を貰いに行く。背もたれはエコノミー席より倒れるけど、完全に横になれるビジネスクラスとはやはり越えられない壁を感じる。
ギャレーで、白ワインと水をお願いする。私が費用を請求しなくていいエコノミープラス席の乗客とわかると、ほら、ポテチも持って行け、ついでに「世界で一番美味しい」(アテンダントさん談)チョコレートも持っていけといろいろおまけを持たせてくれる。この瞬間に悟った。フライトアテンダントさんたちは最高のサービスを供給したいのに、アホな会社がコスト削減に走るばかりに思い通りのサービスが提供できないのだ。
そうそう。コスト削減で思い出した。ダブリン空港のお話。ダブリン空港は言うまでもなくエアリンガスとライアンエアーの本拠地。つまり、スターアライアンスにとっては外様の場所。スターアライアンス加盟会社のラウンジがない。結果、ダブリン空港が運営するDAAラウンジを間借りするのだが、今年(2017年)の始めよりこのラウンジがコスト削減のためにSASの上級カード保持者は使えなくなった。こうして、ゴールドカードを保持する理由がまた一つ消えた。
あのさぁ、SASがっすのスカンジナビア航空さん。日本語で書かれたこんなページを見てはいないと思うけどさぁ、あまりコスト削減に走りすぎると、お金を落としてくれる上客も逃げちゃうよぉ。やはり利用の多い客にはある程度の便益を供給すべきだと主張します。…と無償アップグレードされた身で偉そうにほざいてます。
このブログを更新しているうちに到着前の食事サービスへ。
エサ。以上。
こうして上海に到着。
【おまけ】クイズの答え合わせ。
(1)テーブルが汚い…を選んだ方。
おめでとうございます。正解です。ただ、アイルランドでそれを気にしたら負けです。
(2)ギネスが不味そう
おめでとうございます。正解です。ギネスの泡立ちが最悪です。同僚のアイルランド人曰く「俺なら文句を言って交換させるレベル」だそーです。
(3)ポテチが入っているのはおかしい
おめでとうございます。正解です。ただ、イギリス・アイルランドあたりではかなりアタリマエのことですので、実はこれが一番正解から遠い回答かもしれません。