いよいよヴェネチア最終日。もう1泊するんだけど、翌日はもう朝食後速やかに例のトンデモ駐車場より家路につくのでヴェネチアは今日が実質の最終日となる。
最初に白状しておくと、この日は特に計画を立てていなかった。なので、完全なグダグダした締まりのない日になった。
それでも朝一番の予定だけはしっかり立てていた。昨日のムラーノ・ブラーノ島訪問は私たっての希望。そして、嫁のたっての希望はペギー・グッゲンハイム・コレクション (Peggy Guggenheim Collection)という美術館へ行くこと。…そう来ましたか。
美術館は歩いても行けるのだが、大運河の向こう岸で水上バスのほうが遥かに便利。7日券を買ってしまったこともあるし、迷わず水上バスへ。
午前10時の開門と同時に中へ。入口はまあ路地裏で目立たない。それもそのはず、この建物の本来の入口は大運河なわけ。そっちからさっそうと船でやってくるのが正しい入り方といえる。もっとも、入場券売り場は路地側にしかないんだけどね。
中は正直あまり広いとはいえない美術館で(昔は邸宅だったらしいし)、足早に見れば30分とかでも鑑賞は可能だと思う。…なんだけど、二人で企画展を含めて2時間以上のんびり滞在する。さすがヨーロッパの美術館というべきか、ダリにシャガールにピカソに…と、錚々たる面子の絵が並んでいる。
嫁と意見があったのは、この時代、つまり20世紀前半の作家の作品が一番見ていて楽しめると思う。同様の理由で、ハノーヴァーのSprengel美術館もふたりとも気に入っている。…念の為に申し添えますが、私、美術のセンスはまったくありません。確か中学の頃の美術の評定は5段階で2だったような記憶があります。
まあ、ここまでは良かった。ここからグダグダの日が始まります。正直書くのもめんどくさい…そんなこと書いたら読んでくださる方に失礼か。
美術館を出て水上バス停へ。ここがすでに混んでいる。10分おきに来る最初のバスは満車…いや、車じゃないから、満艇?…いや、勝手に新語作っちゃまずいか…とにかく満員で乗れなかった。次のを待っていたら後ろからおばさんが英語で
「はい、どいて。私は仕事に行かなきゃいけないの」
と言いながら人を押しのけて列の前に進もうとする。「馬鹿野郎こっちはお前らの4倍の運賃を払っているんだ」と言いたくなるがこらえる。
なんだかんだで次の水上バスのデッキになんとか乗れて脱出。魚の「背びれ」の部分になるカステッロ(Castello)地区へまだ行ってないからこのまま向かってみよう。
結論から言うと、これは大失敗だった。理由は簡単。単なる住宅地というか、特に観光客にとってめぼしいものがなかったから。
途中のカフェと呼ぶには無骨過ぎる場所で休憩。良さげなカフェは完全に満席だったのだ。見るからに期待していなかったカフェでカンパリオレンジをいただくが、初めて「まずい」カンパリオレンジに出くわす。たぶんオレンジジュースの質が悪かったとかだろう。
そのままてくてく歩き続けたので、当然の帰結としていよいよ尾びれの先となるサンピエトロ島にまでたどり着いてしまう。ここのCanonica Parrocchia San Pietro di Castelloという教会へ。中は撮影禁止だから当然としても、外側の写真すら撮ってない。テンション低かったんだろうなあ。
ここから水上バスで、今度はジュデッカ(Giudecca)島へ。お昼ごはんを食べに向かったわけ。ここなら観光客溢れる場所じゃないから変なツーリストトラップに引っかからないだろうと。ところが、アホの浅知恵、昼食の時間帯…というのをすっかり忘れていた。午後3時ってお昼の時間じゃないのよね…。レストランはすでに夕食の時間帯までの休憩時間になっており、食いっぱぐれる。…嫁は執念で見るからに面白みのなさそうなパニーニを食べていたが。
ここから水上バスと徒歩で一昨日ウォーキングツアーで外から見ただけのScala Contarini del Bovoloへ行ってみる。
登れて大いに満足した…けど、確か7ユーロとか取られたはず。その価値があったかどうかは…謎だわ。
そしてヴェネチア最後の夕飯。
また裏道のレストランを発見しようとしてたどり着いたのがここ。
実際中も狭かった。テーブルが4-5脚あるだけ。
嫁との共通見解。「ティラミスはおいしかった」。それだけかい…と怒られそうですが、それだけです。
そして翌日はドイツに向かって出発。そこからの様子は車載動画がいっぱいあるんだなー。これが。続く。
とりあえず、ヴェネチアの総括。
20年ほど前に一度来たことはあったのですが、ほぼきれいに忘れ去っていたので楽しかったです。もし、ヴェネチアに旅行に来よう…とお考えの方、2泊3日で十分楽しめると思います。それでもお財布には痛かったですけど。一日目はサンマルコ広場や大運河の観光、二日目にムラーノ島へ行って可能ならムラーノ島、残りの一日は何かしら興味がある場所に足を伸ばしてみるとか。オススメは私も参加した無料のウォーキングツアー。最低限の英語ができれば楽しめると思いますよ。