ポンコツイタ車が文字通りポンコツになる(1)

嫁の車、イタ車です。イタリアの車といえば、アルファ・ロメオとかなんかかっこいい…などという間違った印象を受ける方もいらっしゃるかもですが、大概の人が考えているように、まあ、よく壊れる車なんですね(注:あくまで個人の意見・感想です)。具体的にはFiatなんですけど、Fiatってなんの略かご存じですか?英語でね、Fix It Again Tomorrow(明日また修理)の略なんです。

 

かれこれ10年ちょい、12万キロほど乗ったこの車、もうガタガタです。もっとも問題は持ち主にもある。全くと言っていいほど整備・点検をしない。2年毎の車検の時に、問題となった部分を直すだけ。そのツケが10年10万キロを超えた現在に回ってきた。さらにそこにイタ車というドラが乗った…という感じでしょうか。

 

御存知の通り、私は私で車を持ってます。新車で買って2年近く経つ日産ノート(通称そらまめ号)。こちらは私が週末に気が向いたら、あるいはちょっとした小旅行の時に(例:往復1000キロ超のデンマーク、往復1500キロ近いスイスなど)乗るだけであとはご近所さんの家に借りている車庫でお休み。…はい、ここまでが話の前提です。

 

こうなると当然の帰結として、嫁のポンコツイタ車は処分して、夫婦で一台車を持てばいいように思えます。まあ、私としては不本意なんですけどね。夫婦で車を共有するということは、すなわち私の車がゲタ車に降格するという意味でして。正直嫁の運転は上手という範疇には入らないし。

 

嫁の運転が上手くない…という事実はすでに過去日記のどこかで証明済みだと思います。うちのご近所さんにお借りしている車庫、停めるにはちょっとしたコツがいるんですよ。まっすぐ停められないんです。ちょっと角度をつけながら車を入れる必要があります。嫁と嫁母(はいはい、正しい日本語は義母ですね)、ここに試しにポンコツイタ車を停めようとして撃沈。私に言わせれば、ハンドルを切る位置などのちょっとしたコツを掴めばまったく難しくはないのですが(「俺の運転上手いんだぜ」自慢ではなく「嫁の運転下手」自慢です)。ちなみに私の車、AVM(よーするに四方にカメラ)がついているので、難易度はさらに下がるんですが、嫁はこれすら使おうとしない。

 

というわけで、嫁と車を共有するためにはこのガレージ問題を解決しないといけない。解決方法はあるんです。なにせイナカのこと、うちにはちゃんと2台分の車庫があるんです。じゃあ、最初からそこを使えばいいじゃん…という話になるのですが、そこには4台分の自転車、芝刈り機、その他嫁父(義父)のガラクタが鎮座しておりまして、場所がない。

 

これじゃあいかん!とはっちゃけたのが嫁母。この2台目のガレージをそらまめ号用にきれいにしよう!と言い出した。うん。それ自体何も反対することはない。現在だって大した金額ではないとはいえご近所さんに車庫代を払っているわけだし。たださ、そしたら自転車や嫁父のガラクタはどこに行くのよ…という話になる。

 

そのためには、そうだ、地下室の大掃除をして細切れに4部屋(ボイラー室を入れれば5部屋)あるうちの一部屋を嫁父のガラクタ部屋にしよう。そのためには現在の食品貯蔵個室を別の部屋に移して…。あ、自転車は、そうだ、別に物置を買おう

 

…話がだんだん大きくなっていきます。

 

私はもうこりゃ無理だなと思った。だって、嫁父を説得して物置を買い、さらには地下室の大掃除をするとなるともうこの家では年単位の計画になる。案の定と言えば案の定、嫁父が

 

「だったら、ワシが庭にレンガで物置を作る」

 

…いや、それ始めたら本当に年単位の話になりますよね。

 

そんなことをしていると、また嫁がポンコツイタ車の調子が悪いと言い出す。異音がすると。近所の修理工場で見積もりを取ったらサスペンション周りが逝っちゃっているから部品交換その他で5万円くらいの仕事になると。不摂生(整備なし)が祟ったこのポンコツイタ車の命日は間違いなく近づいている。

 

そんなある日、嫁母が鼻の穴を膨らませてドヤ顔でやってきた。手にはLidl(格安スーパー)の広告を持って。Lidlのネットショップで物置を安売りしていると。これに自転車を2台格納できるから、2つ買って軒下に置けば自転車の置き場所はできる。なるほどね。ただ、ネットにも「お買い得品」にも疑いの目を持っている日本で言えば昭和枯れすすきのような嫁父は

 

「んなもんダメに決まっておる!こんな安物!すぐに壊れる!」

 

…とにべもない。

 

ただ、この家は女性が強いのです。嫁姉を含めればずっと女3男1という家だったので結局ずっと数の論理で押し切られてきたらしい。嫁姉が結婚して家を出て、私がやってきたので女2男2の均衡した力関係になるかと思いきや、磯野家で例えれば、マスオさんではなくタラちゃんくらいの発言力しかない私のせいで、力関係は女2男1.2くらいで、結局嫁父の圧倒的不利は変わっていない。結局嫁母が押し切る形でネットで物置2台を買う。なぜかついでにガーデンベンチも買う。

 

これがどんな騒動になるかも知らずに(続く)。