【2016年冬帰省4】九州最東端の鶴見半島観光


お腹も膨れたところで(というか食べ過ぎ)、鶴見半島観光へ。その昔本日のガイドをしてくれている友人がFacebookで紹介していて面白そうなところだったので。最初にも書いたとおり、大分にコドモの頃ずっと住んでいたのにこのあたりには一度も来たことがない。

IMG_4771

帰りに撮影したので方向は逆向き。細かいことはキニスンナ。

この辺り、海岸線が相当に入り組んでいる。平地などほとんどないので海岸線と崖の間にへばりついたような道をずっと進む。おそらく海面下も一気に深いところまで落ちているんだろうなあ。

IMG_4768

巾員極狭。言いたいことはわかるが、日本語としては正しくない気がする…。極狭でもバスは来る。

ようやく到着したのはいよいよ半島の先端に近い下梶寄地区。九州最東端のバス停。…むむむ、路線バス乗り継ぎの旅のスタートまたはゴールとしては最適の場所じゃないかな。

バスは一日に2本(しかも平日のみ)しかないらしい…。明らか位にスクールバス設定。

バスは一日に2本(しかも平日のみ)しかないらしい…。明らかにスクールバス設定。

遥か彼方に灯台が見えるのですが…。

遥か彼方に灯台が見えるのですが…。

ここ、夏は海水浴場になるらしいのだが、季節は12月。ドイツに比べると相当に暖かい(この日も12-3度はあったはず)のだが、当然閑散としている。

佐伯市鶴見水の子島海事資料館

その脇にあったのは、佐伯市鶴見水の子島海事資料館というくっそ長い名前を持った建物。

ここの館長さんと思われるおいちゃん(大分あるいは九州方言。「おじさん」)がいろいろ説明してくださった。

なんでもこの建物もともとは、ここから沖合十数キロの距離にある無人島、水ノ子島の灯台の「吏員退息所」。よーするに休憩所ですね。灯台守はここから船で沖合キロの灯台まで出かけて、一度出かけると1週間は戻ってこられなかったとか。

IMG_4728

なるほど…見慣れた郵便のマークはそーゆー事情なのね。

そもそも灯台が建てられたのが明治の頃で、当時の逓信省の管理下にあったため、当時の感覚ではとんでもない金額が使われて丈夫な建物で何度も襲われた大型の台風などでもびくともしていないとかいろんなお話を伺った。そのお隣にあったのは

IMG_4721

ワンダーフォーゲルハウス…ってドイツ語かい。なんでもこちらは灯台にぶつかって死んだ鳥を剥製にしているとか。

…あれ、建物の中に入らなかったので入館料払ってないぞ。おいちゃんがこんなにていねいに説明してくださったのに良かったんだろうか。うん、きっとヒマで時間を持て余されていたに違いない…ということにしておこう。ってか、せっかくなんだから中に入ればよかった。今こうやって書いていて中に入らなかったことを悔やんでいる。

私がいろいろ変な趣味があることは前回の日記でもおわかりだと思いますが、また別の変な趣味を告白すると、私、末端マニアです。…なんじゃそれって、例えば行き止まりの道があるなら行き止まりまで行って自分の目で行き止まりを確認しないと気がすまない。この半島なら先っちょまで行かないと気がすまない。というわけで、半島の先っちょの灯台を目指します。

また帰りに撮影。

また帰りに撮影。

この半島の先っちょを目指すのに海岸線を離れて、つづら折れの道をつたい山の稜線を目指します。

IMG_4766

先端マニアにはたまらない「九州最東端」の地。落ち着いて考えると、この先に四国その他があるのだが。

この、土曜日とは言え真冬にこんな道を通って灯台を目指す車なんて一日10台もいないのではないだろうか。そんな中、後ろからいかにも市役所の業務用車…という趣の白い軽自動車がついてくる。この先に何かあるのかしら。灯台の保守点検の方かしら…などと思いながら走っていると、ついに車道の末端に到着。ここから灯台まで上りの道を歩きらしい。

 

IMG_4752

…と言っても歩いたのはせいぜい200メートル。なのだが、どんくさい…じゃなかった、マジメに働きすぎた友人が数日前に肉離れを起こしておりまともに歩けないのでのんびり登り始める。すると、後ろの市役所の軽自動車から降りてきた男性が話しかけてきた。この話は数段後で。

IMG_4744

灯台の先はちょっとした展望台になっている。まあ、ペンキのはげ具合などの黄昏っぷりがたまらない。ここにあったのは

IMG_4741

…双眼鏡。

Clipboard01

双眼鏡マニアさんのために拡大(いるのか?そんな人)。10円入れてね(はあと

って、この古さ、下手したら私より年食ってるんじゃないだろうか。賭けてもいいけど壊れてるよね。え?100円でもなく、50円でもなくて10円?おいおいいつの機械だよ…と面白がって10円を入れてみる。

普通に動きました。アホタレに破壊されることもなく健気に動く双眼鏡にちょっと感動。件の水ノ子島の灯台は少しもやっていたこともありほとんど見えませんでしたが。

ちなみに、COVACっていうメーカーさん、現在も存在してサイトもある。そのサイトによると、現在出荷されている観光地用の双眼鏡は100円硬貨使用なんですと。…これってホントにいつの機械なんだよ…。

この展望台にに何やら鐘がある。

IMG_4737

幸せの鐘。

これだけ最近取り付けられたことは間違いない。ほかの黄昏っぷりの中でステンレスがキラキラ輝いている。

なんでもこの場所、「佐伯市恋ロード」(リンク先のドローン画像見て、こんな断崖絶壁だったのかとびっくり)として売り出し中で、灯台を「ふたりの未来を見つめる場所」と捉え、恋愛の聖地として再価値化する「恋する灯台プロジェクト」の一環…なんですと。サビサビの恋愛の聖地…なんて怒られるから書きませんけど。

IMG_4742

…それにしてもベタだ。ベタ過ぎる。そのベタさが見透かされてか、それともまだ売り出し始めて日が浅いからか、詳しい事情は知らないが、ベタな南京錠もほとんど取りつけられていない。

残念ながら、既婚の、しかも嫁同伴ではない私にはただただベタな鐘でしてね、私達以外に誰もないことをいいことに一人で鐘の乱れ打ちを始める。はい。「ベタ」とほざいている私はただの「バカ」です。

ところで、さっきの「市役所の軽自動車」に乗っていたのは市役所の職員さんではなく実は九州電力の社員さん。なんでも「初日の出が見える場所特集」を自社のサイトで紹介すべく取材に来られたそうな。

もともと話し好きの私に、ものすごく人当たりのいい友人のコンビはいろいろ話し込んでしまい、私は「じゃあ私達、バカップルになりきって鐘を鳴らすので写真に使ってください」と勝手にオファー。渋る友人を無理やり隣まで連行して写真撮影(それでも一緒に鐘は鳴らしてくれなかったけどね)。

その結果がこのページ。この九州電力の社員さん、プロの写真家とかじゃじゃないはずなのだが(少なくともそんなことは言われてなかった)、ずいぶんときれいな写真を撮ってくれた。これなら確かに「カップルさんが永遠の愛を誓い鐘を鳴らしていました」なんてベタベタな説明文が写真の下についてても誰も疑うことはないわ。実際はカップルでも何でもない私が面白がって乱れ打ちをしていただけなんだけどね。

「砲台跡200m」の向こうには「危険立入禁止」の柵。この黄昏っぷりがたまらない。

「砲台跡200m」の向こうには「危険立入禁止」の柵。この黄昏っぷりがたまらない。

友人と永遠の横恋慕を誓ったところで(誓っていません)、次の目的地へ…と言いたいところながら、別に大した目的地があるわけじゃないのよね。だらだらドライブ。

元ノ間海峡

元ノ間海峡

帰り道の途中にあった元ノ間海峡。「一年中白波の経っている大変流れの激しいところ」だそうな。

Clipboard01

 

途中で例の一日2本しかないバスとすれ違う。見事に空気輸送でした…。
IMG_4783

さらに車を走らせ、鶴見半島よりさらに南へ。豊後くろしおラインなる道路があって、その途中に空の公園がある。釣りバカ日誌19の撮影地らしいが…見てないから知らん。

IMG_4790

またあったよ幸せの鐘。再び乱れ打ちをかましたかったのだが、すぐ近所に長野ナンバーの車でやってきた本物のカップルがいたので自重しました。

IMG_4786

遠くに見えるのが本物のカップルさん。誰もいないと思って話していたであろうあなた方の会話、見事に丸聞こえでしたよ…。

IMG_4782

そして、幸せの鐘からちょっと登ったところにまた展望台。ここにもやはり先ほどと同じくらいの古さの双眼鏡が。こちらはなんと無料。ブリか何かの養殖場などがよく見えた。

IMG_4804

この一見さんお断りふうの趣の店に乗り込んでいけたのは、地元民の友人が一緒だったから。案の定と言えば案の定、友人の友人がひとりで飲んでいた。ただし、あちらの世界に行かれていたが…。

冬なので日暮れは早く、すでに日は暮れようとしている。よし、メシ食って帰ろう。と、向かったのは同行の友人の友人が勧める居酒屋、「てっぺん焼海ん子」さんへ。ラーメンが美味しいとか。…って酒も飲まずに居酒屋かよ。

IMG_4805-COLLAGE

言うまでもないことですが、運転手の私はもちろんお酒には手を出してません(友人はもとより下戸)。別にコーラでもサイダーでも良かったんだけどなんとなくノンアルコールビールを注文。さらに、フグや鶏の唐揚げなどをいただき、(お酒なしながら)締めにラーメンを頂く。

ここの大将も気さくな方で、団体客が来てひとりでてんてこ舞いだったにも拘らず、明らかに地元民ではない一見客の私にも話しかけてくれる。どこから来たのかと聞かれたので、実家の住所を言うと、「ああ、友人がそこで工場を経営している」とのこと。その工場は私もよく知る工場で、その友人は私の父の同級生…というすごいオチだった。世間は狭い。

このあとドケチ道を貫く私は下道でとことこ行きの倍の時間をかけて実家に戻る。いやー、佐伯、いいところです。オススメしたいけど…遠いですよね。