2016年冬、SASがっすのスカンジナビア航空のビジネスクラス定点観測(ただしヨーロッパ内)


SASがっすのスカンジナビア航空でダブリンに向かってます。…いつものことです。ただねえ、この会社、どーゆー方針なのかは知らないけど、ダイヤが一定してないのよ。コペンハーゲン=東京こそ毎日同じ時刻に運行されてるんだけど、その他のダブリン線は日によって時刻が全く違ったりとか、ハノーファー線に至っては運行がない日もあったり、月によって変わったり…ととっても意味不明な運用をしているのだ。なんとかマイルをかき集めて金色のカードを維持しようと意地になっている私は、実に実にとんでもない時刻のヒコーキでダブリンに向かっている。それは…

…朝の6時15分発。

まったく冗談じゃない。こんな時刻にうちの近所から運行されている列車などないから前泊でもしない限り当然のように車で移動となる。かくして、今回初めてハノーファー空港に車で向かう。

当然のように空港の駐車場は高い。土曜日から翌週の日曜日までの9日間で65ユーロ(ターミナル直結の駐車場はさらに高い)。…って、まあ、一日800円と思えばそうでもないか。日本の地方空港の駐車場も良くは知らんけどそんなもんだよね。

そして、日本の空港同様に空港近辺には民間の駐車場もちらほらとある。それに気がついたのは空港行きの電車の車窓から。横断幕の広告が見えまして。

「送迎付き。空港駐車場。一日1ユーロ」

やっす。ところが、ちゃんとオチはありましてね、送迎別途なの。つまり、送迎料金が20ユーロと一日1ユーロ。まあ、それでも安いんだけどさ。

でも、追加のオチもちゃんとありまして、Google大先生に聞いたところ

評価のほとんどが1というのもなかなかできない偉業です。

評判最悪。

いわく、電話したのに送迎の車が来なかったなんてのは日常茶飯事らしく、これは特殊な例なんだろうけど車に傷入れられたのにそれを認めもしなかったとかなんとか。うん。これはいかん。

ちょっと検索の手を広げると、そこまで安くないのだけど、屋内の駐車場を見つけた。どこまで信用していいのかは知らんが、評判はすこぶる良い。青空ではなく屋内駐車場9日間で58ユーロ。…って、送迎してもらう手間を考えるとまったくお得ではなさそうだが、面白そうなので試してみることに。ネットで予約完了。支払いは現地とのこと。

殊勝にも朝の3時に起き、朝の4時前にはアウトバーンを130キロで巡航する運転手になり一路空港(近くの民間駐車場)へ。

空港と同じインターでアウトバーンを降り、空港にほど近い住宅地へ。正直その通りに入るのに躊躇した。だって、どう見ても住宅地の真っ只中にある狭い道で駐車場があるような雰囲気ではないのだ。

路上駐車の車のお陰で更に狭くなった道を進んでいくと


(車載カメラの映像を編集無しでの垂れ流し。ヒマで死にそうという方はご覧になってください。なんかナビ無しではたどり着けないような場所に駐車場があることがわかっていただけると思います)

…なんかあった。でも、午前5時前。当然のように暗い。そして、もう一台エンジンがかかったままの車がいるが、それ以外に人影は見えない。

なんかさ、駐車場って入り口で駐車券を取って…ってそれこそ洋の東西を問わず同じような仕組みのような気がするけど、それがない。どうしていいかわからず固まる。とりあえず、事務所に行かなければいけないのかな…と思うが、とりあえず待機。

数分後、エンジンのかかったままの車から人が降りてきた。で、荷物を別の車に載せ替えている。どうも、係の人もいるような感じなので声をかけてみると、

「あー、お客さんの荷物もこっちに乗せて-」

とのこと。送迎車はバスでもミニバンでもなく普通の乗用車。

荷物を載せると、ちょっと事務所に来てくれと。事務所で料金を払い(そういえば領収書をもらってない)、鍵も預ける。…ってことは、自分で車を停めなくてもいいのか。あ、これ書いてて突然思い出したけど、なんかあたふたしていてルームランプを消したかどうか自信がなくなってきた。それはともかく、送迎車の後部座席にはすでに誰かが座っていたようなので助手席に座る。

ほどなく送迎車は空港へ向かった…と思いきや、全然関係のなさそうな裏道へ入っていく。そして、なぜか、さあ50台くらい収容するかなという舗装もしてない駐車場へ。何だなんだと思っていると、後ろから車がついてきており、その車が駐車。そして、運転手さんが降りてきて送迎車に乗り込んできた。なるほど、ここ、青空駐車場(確か15ユーロほど安かった)で、ここまで誘導してきたわけね。

(普段ならここで「後半に続く」になるところですが、先週更新をサボっているので長くなりますがこのまま進めます)

そして空港に到着。

ぶれててごめん…。ハノーファー空港朝の5時の図

ハノーファー空港にこんなに早く到着したのは当然初めて。こんな朝早くなのに人がわんさかいる。理由はすぐにわかった。まず搭乗手続きのカウンターに係がほとんどいない。別のカウンターになるのだが、ほぼ同時刻にルフトハンザが2便飛ばしている。さらにはおそらく出発1時間前にならないと保安検査場が開かないのだろう、そこにも行列ができてる。

というわけで、荷物を預けるために唯一開いているSASがっすのスカンジナビア航空の搭乗カウンターに選択の余地なく並ぶ。そして、ようやく開いた保安検査場にも並ぶ。

乗り慣れてるからなんとも思わないけど、考えてみると珍しいATR72

朝6時15分というまともじゃない出発時刻にも拘らず、70人乗りのATRは中国人と思しきグループも含めて完全に満席。いったいこの人達はどーやって空港までやってきたんだろう。

そして、今回はマイル修行も兼ねているので、エコノミープラス席(まあ、ヨーロッパ内のビジネスクラスと思っておくんなせえ)を予約。…と言っても席はエコノミーと全く同じ。さらにコミューター機なので、通常の小型機などより席が更に狭い。

そんな中で出たんですよ。朝食。

朝の6時、お腹も空いてないし断ろうかとも思ったけど、撮影のためにいただきましたよ。

ドイツのケータリング会社の作った朝ごはん。傾いているのは狭い中一生懸命撮ったからです。

 

よく見ると、ケータリング会社はドイツだわ。ヒコーキはハノーファー空港で一泊したものの、さすがに機内食は一泊しないで現地調達するのね。さすがドイツのケータリング会社と褒めていいのか、まあ、肉肉肉肉肉…はい、文字通りです。肉が5枚。朝の6時半にSASがっすのスカンジナビア航空冬の肉祭り。神様お百姓様ごめんなさい。こんなもん食えるか…と正直半分残しました。パンも冷たかったし。

そして、コペンハーゲンでの乗り継ぎ時間はわずか50分。MCT(Minimum Connection Time)は満たしているものの、これってどーなの?という接続時間。

もし、コペンハーゲン、MCTとかの検索ワードでこのページに引っかかった人のために書いておくと、コペンハーゲンでの乗り継ぎは、基本、楽勝です。LCCとの乗り換えはその限りない…というかまったく別次元の話として除外した上で、スタアラ各社どうしの乗り継ぎはかなり楽です。一番時間がかかるパターンは、シェンゲン条約外の国(例:日本)からシェンゲン条約内の国(例:EUのイギリスとアイルランドを除くほとんどすべての国)からの乗り換え。この場合、保安検査から入国審査を経ることになりますが、それでもかなり順調に行きます。保安検査に10分、入国審査に10分、さらに、搭乗口が最大に離れていて駆け足で10分、出発時刻まで余裕を見て20分…50分で行けますよ(保証はしませんよ)。入国審査がどうしようもなく混んでいて、もうこのままでは絶対に間に合わない…という時には、右端にある関係者専用の窓口で…いや、なんでもないです。前にも書いた気がしますが、日本のパスポートを持っている限り、コペンハーゲンの入国審査はあっという間に通過できます(保証は…略)。

で、まあ、ハノーファーからのヒコーキが定時に着いたこともあり、このわずかな時間のうちにラウンジに突入。日本語の新聞を読んでから脱走。ちなみに、土曜日だったにも拘らず、たった一部、Chinese Newspaperと書かれた棚に残っていたのは木曜日の朝日新聞。ルフトハンザのラウンジには日経・読売・朝日と日本の新聞三誌が揃っているのですが、コペンハーゲンのSASがっすのスカンジナビア航空のラウンジには朝日しかおいてません。この左寄りが北欧…というのは多分うがった見方が過ぎますね。

そして、出国審査を経て、ダブリン行きへ。出国審査がやや混雑しており、すでに優先搭乗は終わっていたものの、座席が最前列だったこともあり楽に搭乗。

搭乗時間差さっきより長いのに、えらくしょぼい朝ごはん

機内。朝食。

…ええっと、これが、SASがっすのスカンジナビア航空のSAS Plus…すなわちヨーロッパ内ビジネスクラスの朝ごはんであります。なんというか、しょぼい…というか、ドイツのケータリング会社の作ったやつのほうがよっぽどマシだったような…。

そして、帰り。帰りもひどい。ダブリン発は日曜日の午後4時発で、コペンハーゲンを経由してハノーファーにたどり着くのは午後10時半。まあ、週末を目一杯ダブリンで過ごしたい…という人にはいいダイヤかもしれないけどね。

何が問題って、車をハノーファー空港においてあること。はい。飲めません。飲んだら乗るな。飲むなら乗るなを当然守ってますので当然機内で前回みたいにスパークリングワインを調子こいて飲むわけには行かないのです。

というわけで、SASがっすのスカンジナビア航空に興味があるという奇特な方用、こちらが機内食の写真であります。

例の「ちり紙」を敷いた気品あふれるテーブル

じゃじゃーん。

いちおうコースになっている…。

…正直言って、ここ数回のなんちゃってビジネスクラス(エコノミープラス席)でいちばんまともに近かった。スターターとメイン、デザートといちおう3コースになってるし、まあ、北欧のこと、サーモンがまずかったら何が美味しいんだ…という話になるから、サーモンもまあまあおいしかった(と言っても、その辺のスーパーで2ユーロで売ってるサーモンと同レベルなのだが…)。

コペンハーゲンには定刻着。

そして、SASがっすのスカンジナビア航空の機内食マニアさんに捧げます(いるのか、そんな奇特な人)。ハノーファーまでの機内食はこれだぁ。

謎物体の正体はChicken NOrdic coleslaw & Dill chips…食べても意味不明でした。

午後10時過ぎ、一杯飲みたくて仕方ありませんでしたが、耐えました…。

…まあ夜10時に近い時刻に、さらには近距離線でそんな大したもんは出ないだろうなあ。味は…まあまあでした。

そして、到着口から駐車場の管理人に電話をするとすぐに迎えに来てくれまして、駐車場へ。「屋内駐車場」とはなんのこたーない、元倉庫かなにか。鍵を預けたのは二重駐車をしてるからだと理解。電車と違って乗り換えもなく車のクルーズモードを120キロに設定すれば、あとはもう家まで一直線。お酒は飲めずとも、マイルはしっかり稼げました…ああ、なんて良い客なんだ。俺は…。