「こち亀」の名前でおなじみだった「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載が終了した…という話題がちょっと前にあった。私も他の人と同じような感想を持った。「あー、永遠に続くかと思ってたのに終わっちゃうんだ」と。
私が生まれたのとほぼ同時期に始まったこの連載、中学生の頃だったか、まとめて売っていた初期の1から14巻までを古本屋で書い(いや、当時だから親に「買ってもらい」)、それからコミックスを買うようになった。当時50巻くらいまで刊行されていただろうか。
それから時は流れ、私はアイルランドに出たこともあってコミックスは100巻辺りまでで買うのをやめてしまった。こんなことを書いては失礼なのかもしれないが、私がこち亀を知った頃、つまりコミックスの50巻前後がいちばんの円熟期というか、面白かったような気がする。
以来、帰省した時にジャンプが目の前にあればちょっと読む…くらいのつきあい…だったのだが、それでも終了と聞いて驚いた。なんとなく、永遠に続くかと思ってたから。
同じようなことをLeonard Cohenでも思った。今週飛び込んできた突然の訃報、あー、そっか、彼だっていつまでも生きているはずはない。もう二度と彼のコンサートには行けないんだなって。
彼の音楽を知ったのはもうかれこれ20年ほど前のことになる。当時仲の良かった女の子の家に行くと、いつも、Leonard CohenのGreatest Hitsがかかっていたのだ。CD最初の曲、つまり、私が初めて聞いた曲はSuzanneだった。そして、Sisters of Mercy、So Long Marianneと続くアルバムで一気に彼のファンになった。
で、その後、彼のアルバムを買い漁るうちに、(当時の)最新のアルバムのThe FutureやI’m Your Manにまでたどり着き、彼の曲のほとんどすべてを聞いた。
好きな曲を挙げればキリがない。上に挙げた三曲を始め、有名どころではHallelujah、結婚式のダンス曲にしようとして失敗したTake This Waltzなど。正直なところ彼の深い詩は、私のようなアホタレにはおそらくほとんど理解できていない。それでも、あのSuzannneからSisters of Mercy、So Long Marianneの三曲ですっかり彼の世界に入り込んでしまった。
ただ、正直に書くと、21世紀に入ってから彼が出したアルバムは、それまでのものほど私には響かなかった。こち亀と同じで円熟期を過ぎてしまったのか。それとも私の感性の受信機が年齢を重ねて感度不良になったのか。
あるいは、本人もあるいはその自覚はあったのかもしれない、2004年に発売されたアルバムにあったBecause ofという曲は、切なくなった。
“Look at me, Leonard. Look at me one last time.”
…なのだが、2005年に私は衝撃の出会いをする。日帰りで行ったロンドン、カムデンマーケットの中古のCD屋のテントで大音量でかかっていたCDが私の耳に飛び込んできた。そう、The FutureというLeonard Cohenの曲のライブ盤。聞けば、Blossoms of Heaven, Ashes of HellというCDは公式のアルバムではないとのこと(Wikiなどにも出てこない)。おじさんに「くれっ」と言ったら、再生中だったCDラジカセの中からCDを取り出して売ってくれた。20ポンドという値段が適正だったかどうかも調べずに衝動買いした。
たぶんこれ、これまでの人生で何度となくしでかした衝動買いの中でいちばんの大当たりだった。この中にあったアンコール前の最終曲、Hallelujahはもう聞いて震えが来た。
(驚いたことにまさに「そのもの」がYoutubeにあったよ)
かくして、彼のコンサートに行きたくなった。
それから数年後、なんと、ダブリンで野外コンサートを開くという。当然行った。そして、翌年のO2シアター(当時)のコンサートにも行った(もっと言えば、I’m your fanというトリビューンコンサートにすら行った)。別に派手なパフォーマンスがあったわけではない。だけど、晩年のLeonard Cohenを生で二度も見ることができたことは間違いなく私の人生の宝物。
そして、2016年11月。アメリカの大統領選挙の「大番狂わせ」のニュースの裏で、ひっそりと彼の訃報が知らされた。贅沢を言えば80年代の彼のコンサートにも行ってみたかったが、それには私が生まれるのはちょっと遅すぎた。それでも、彼と同じ時代に生きて、彼のコンサートに二度も足を運ぶことができたことは僥倖としか言いようがない。
I said to Hank Williams: “How lonely does it get?”
Hank Williams hasn’t answered yet
But I hear him coughing all night long
Oh, a hundred floors above me in the Tower of Song
この答えは向こうでは得られるのでしょうか。Leonard Cohen様、あなたは間違いなくLegendです。
大丈夫です。サザエさん毎週日曜に放送してますよ。笑点も。私が死んだ後も放送してるかもしれないw
マジ書くと、キリがないので…
自分でも理由がわからないですが、他にも好きなミュージシャンは大勢いるのに、私がファンを自称するたった3人のうちの一人です。
英語わかりません。なぜだかも分かりません(えーと、自己分析は自粛します)でもファンなんです。(カッコイイとか、声がいいとか、理由がわかっていればファンとは自称していなかったかも…以下自粛)
興味を持ったきっかけは(聞いてないよね)学生時代に、小遣いが1日(月ではない)あたり1万で、都心のレコードや巡りでは飽き足らず、丸善あたりで買った洋雑誌みてネットのない時代に海外通販までしてアルバム買い漁ってはコンピレーションしたテープ(時代が違う)を作って毎週私に押し付けて、感想を求めてくるチョト迷惑だけど(◯◯の曲が気に入ったなど感想を伝えると、そのアーティストのアルバム色々と丸ごとダビンクしてくれる)大変ありがたい洋楽オタの友人だった。
当時は特別ファンではなかったけど(以下自粛)
あ、でも、スルメみたいなおっさんですね。
英語わからないけど、嫌味な、かっこよくないユーモアのセンスが好きなんです多分。
で、その後90年代にベルファストの今はなきフィッシュマーケットの蚤の市でバナナを持ったおっさんと再開し
好きな曲は(自粛)
2006ころのビデオ見て、もうソロツアーはないだろうと思ったら、北米欧州ツアーが発表され
欧州ツアー行きも計画しました。ヨーロッパまで行ってファミリーに会わないわけにはいかないだろと言われて頓挫したのが悔やまれます。(家族に会うのが嫌なのではなく、計画は直行便片道10時間のフィンランドで、乗継必須の最西端まで行くのとは違う、よね?)
個人情報抜かれまくりのFBでフォローしてたら色々インタビュー動画とか流れてきていて、まあ覚悟というか永遠にやり続けてくれるというか…..
ニュースの後はみんながそれぞれ好きな曲をシェアしまくり、ウォールを流れてきて、、、
それにしても生で2回も見たなんて羨ましい!! 私もレナードおじさんと一緒に合唱したかった。
支離滅裂な長文で失礼いたしました。決して荒らしているわけではないです。
今日の気分で、若かった頃。
https://www.youtube.com/watch?v=BmPUu-rMpWA
Birds on wireで来ましたか。なかなか渋い。なんかステージ前でカメラに向かって座ってる子どもたち(せっかく歌ってるコーエンが見えない)が気になって仕方ありませんでした。あの子達も実は今では私より歳上なんでしょうね…。
そのダビング(ああ、なんて懐かしい響きw)してくれる友人には感謝ですね。ある意味英才教育を受けたと言っていいかも。
スルメ説には完全同意です。
そういえば、彼はついに最後まで日本でコンサートをしなかったんですってね。日本でそこまでの需要というか人気がなかったということなのか。
こち亀の件、私も全く同じことを思っていました。50巻前後が一番、、、同じように毎巻買って、100巻あたりで息切れです。最後は買ってもいないし読んでもいません、心の中ではまだ終わってません。
似たようなことは歌手のユーミン(松任谷由実)でも感じています。こちらは引退していませんが、同じようにチョット距離ができました。円熟期は過ぎたのかもしれません。
どちらも素晴らしい方なんですが、受け手であるこちらの嗜好が変わったのかもしれないですね。
ああ、ユーミン!そうそう、こち亀を好んで読んでいた頃に聞いてました。友人からダビング(あなんさんへのメッセ参照)してもらったdelight slight light kissというアルバム、よく聞いてたなあ。そうそう、それがCDからではなく、マザーテープ(うわぁ、さらに懐かしい単語が出てきたよ)からの録音で、最初の「リフレインが叫んでる」の前に変な五音の確認トーンが入ってたのも思い出しました。で、今はといえば…「え?まだ歌ってたの?」という感じで。
こんなこと書いてると、ただのオッサンの醤和懐古主義と言われそうですが、でも、両さんは銀座や最果て署に飛ばされたり、部長とヨーロッパ珍道中を繰り広げたあたりが一番面白かったと思います。
もうひとつ、蛇足を書くと、歌手さんの場合、明らかに声が変わっちゃうという問題がありますよね。一番感じたのが中島みゆきさん。最近(といってももうここ20年あたり)のあのがなるような歌い方がどーしても好きになれません。
NetflixのBlackMirrorのアシュリー・ツー(前半フリで後半面白いドラマ)でAshleyO役のMileyCyrusがLeonard”Fuckin”Cohenって言ってたので何かあった?と検索したら彼女この曲カバーしてたのね(ギャグって事)。でI’mYourMan知らねーとググったらここに来ました。
CohenはSongsFromARoomやTimHardin(IfIWereACarpenterとかが有名なフォーク歌手)が1971年に渋くカバーしたBirdOnAWireあたり(どっちのバージョンを先に聴いたか覚えてない)から聴いてた。
先日Amazon掘ってたら2000年に公式CD化された’79年のライブ、FeildCommanderが最近アナログで出てた(残り僅か、宣伝じゃ無いよ)ので買った。オールドファンはレコードで聴きたい。
いらっしゃいませ。
氏が亡くなって3年近く経ちますが、ラジオとかで氏の曲がカバーされて流れていることがたまにあり懐かしく思い出したりします。
Songs From A Roomって初期の作品じゃないですか。それを同時代にレコードで聞かれていたとかちょっとうらやましいですね。…いや、氏の生のコンサートに何度も足を運べた事自体が行幸なのかもしれませんが。
本文中に出てきたBlossoms of Heaven, Ashes of Hellという非公式のアルバム、かなりお買い得な値段で売ってます。いかがですか(宣伝…かもしれませんが、このCDが売れても私にはなんの得にもなりません)。私の勝手な意見としては、この頃の氏がいちばん円熟期というか、Bird On The Wireの頃より好きです。
追記 BirdOnTheWireが正確なタイトルです(ゴメン)