【2016年桜舞う日本新婚旅行8】雷鳥かしらさぎかぐるっと回って考える


翌朝。


中安旅館の朝食。正しい日本の朝ごはん。


前日に女将さんに聞かれていたのです。「食事は和食と洋食のどちらがいいですか」って。サイトを見る限り、旅館としては日本食を食べてほしい様子だったのと、いつもヨーロッパでいろんな人に「日本の朝ごはんってどんななの?えっ?魚?」なんて会話を何度もしていたので、一度「正しい」日本の朝ごはんを体験してほしかった…という気持ちもあり、嫁に聞きもせずに和食を選択。


「この旅館は朝食は和食なんだよー」なんて言っていたら、数分後に私の後ろの席に座ったヨーロッパ人のご夫婦と思われるお二人がトーストを食べ始めた…。


「あ、明日はきっと洋食の選択肢があるよ」


取り繕う私。


ちなみに和食、干物の魚といい大変美味しかったですよ。

(正しい和食の後に出てきた美味しいコーヒー。ちなみにコーヒーにちょっとミルクを入れたのを頼んだつもりが、コーヒーと牛乳が別々に出てきた。…俺はどこの日本語の下手な外国人なんだ…)


この旅館で見かけたお客さん、そのほとんどが外国人だった。日本人のお客さんはどうも駅の近所の最近できたキレイなホテルを好まれるらしい。こんな旅館がなくなった時に「あー畳の部屋も良かったな」なんて言っても遅いんですよ。そーゆー意味ではこれを読んでいる日本人の皆様、たまには旅館にも目を向けてあげてください。


それはそうと、嫁に言われて初めて当たり前のことに気がついた。和朝食と洋朝食の違い。ごはんとパンでしょ…ってのは確かに正しいんだけど、それ以外に、塩か砂糖か…という違い。


さっきの写真、日本の正しい朝ごはんの写真を改めて見ていただければ明白だと思うのですが、味噌汁も焼き魚もみんな塩分…なんですよね。翻って洋朝食を見ると、ジャムにヨーグルトに…みんな糖分なんですよ。当たり前すぎて気がついてませんでしたが、和朝食と洋朝食は根本的に違うものだと気がつかされました。究極には高血圧で死ぬか、糖尿病で死ぬか…って話になりそうな気もしますけどね。


楽しい金沢の思い出を胸に…などとバスガイドさんの口上のようなことをほざきながら、タクシーで金沢駅へ。タクシーを呼ぶ分には、駅で2時間客待ちしてたーとかなさそうなので、気楽に呼べる…とやっぱり小心者の私。


金沢駅より向かったのは、京都。もうベタすぎて…なんですが、嫁は行ったことないし、まあ、いいじゃないかと。ちなみに私はほんの数カ月前に行ってるんですけどね。

(すごくどーでもいいことなんですけどね、金沢駅の新幹線の改札は自動改札化されているのに対し、在来線は自動改札化されてません。改札にいた若い駅員さんが元気にあいさつされているのが逆に新鮮でした。)


金沢から京都、フツーに考えれば特急サンダーバード号に乗れば2時間ちょいで到着します。なんだけど、佐久平駅で言われていたようにグリーン車に空席がなかった。金沢駅でも「空いてません」とつれない対応。


ただ、事前に調べていた私は知っていた。名古屋行きの特急しらさぎに乗り、途中の米原で新幹線に乗り換えれば、実は所要時間はほとんど変わらずに京都にたどり着けるのだ。なのに、金沢駅の機械的な対応しかしてくださらない(できない?)駅員さんはそんな提案もしてくれなかった。正直知らなかったは思えないのだが。もしかしたら、ジャパンレールパスの客は嫌われてるのかな…とか考えたり。


このサンダーバードとしらさぎ(なぜカタカナでエグレットじゃないのか、サンダーバードと整合性を持たなくていいのとか、なんで湘南新宿線じゃなくて湘南新宿ラインなんだとか、くだらないことは書きませんよ)1時間に1本づつの運転で、敦賀まで同じ線路の上を運転するのになぜか2本がわずか5分程度の差で発車。どうせなら30分ごとに交互に発車…とかにしたほうが途中駅から(まで)の乗車機会も増えていいような気がするのだが。


まあいいや、JR西の悪口を書きすぎた。そんなわけで、サンダーバードで京都に直行するはずが8分前に出るしらさぎで米原へ。結果としては正解だった。どうも683系から681系という古い車両に変わったらしいのだが私の目には区別がつかず、そんなことよりしらさぎのグリーン車は空いており実に快適。

(がーらがらの「しらさぎ」のグリーン車。実に快適でした)


敦賀を過ぎたあたりにループ線があることを現地で偶然発見。読書に忙しい嫁を横目に一人で興奮していた。(この鳩原ループ線って、そっち系の方には有名らしいですね…知らんかった)

米原には定刻通りついたのだが、この乗換が少々面倒だった。米原自体小さな駅なのだが、乗り換え時間が7分ほどしかなかった。しかも、のぞみが止まらない米原は新幹線が30分に1本程度しか止まらないので、乗り遅れると30分ほどムダにすることになる。


着いて気がついたのだが、米原駅、新幹線(ひかり)が上りも下りもほぼ同時刻に到着する。さらに、それに合わせて在来線の特急も発着するようになっているらしく…つまり、一瞬駅が大混雑するのよ。


そこにやってくるのが、ジャパンレールパスを持った(私を含む)アホな外国人旅行者たち。ジャパンレールパスは自動改札を使えないので有人改札に人が殺到することになる。駅ももうこの状況には慣れっこなのか、有人改札以外にも別の駅員さんを配置して一瞬だけ溢れかえる客に対応していた。おかげで間に合ったが…おそらく嵐のような私達が通過したあとに静寂が戻ってきたんだろうなあ。


東海道・山陽新幹線と北陸新幹線の大きな違いはグリーン車の位置。北陸新幹線は先頭車両がグランクラス、その次がグリーン車と編成の端っこの方に追いやられていた。そして、独立した空間を保つために車掌さんは「グランクラス・グリーン券をお持ちでないお客様の通りぬけ、見学はご遠慮ください」などと車内放送をしていたくらいなので、確かに落ち着いた感じではあった。


それに対し、どっちがいいかは一概には言えないけど東海道新幹線のグリーン車は編成のど真ん中。…なので、乗り換えは楽だった。エスカレーターを降りたその場所がまさにグリーン車の乗車位置で、しかものぞみの通過待ちをするひかりはすでにホームで待機していた。


こうして、予定にはなかった東海道新幹線に乗車。たったひと駅、20分ほどの乗車なのにグリーンアテンダントさんがおしぼりを持ってきてくださった。


ジャパンレールパスはなぜかのぞみやみずほに乗車できないという制約がある。なので、東京から京都・大阪に移動する場合は、こだまに乗ってとことんのんびり旅したいとかいう酔狂な人でない限り、1時間にたった1本しかないひかりに乗車することになる。これ、ものすごく不当だな…とジャパンレールパスを使うまでは思っていたのだが…まあわかる気がする。だってこのひかり号のグリーン車、外国人旅行客ばっかりだったもん。


日本のビジネス客とジャパンレールパス客の棲み分けという意味では、ジャパンレールパスののぞみ除外は確かに一理ある。…ただ、現在外国人旅行客がうなぎのぼりで増えているという点では、ひかりは最低でも30分に1本程度は運行すべきだと思うのだが。


しまった。無駄話してたら京都駅に着かないままに次回に続く。え?中だるみ回だった?…まあ、そう言わずに次回をお待ち下さい。


こだわるマニアさんのために注意書き。表紙写真はサンダーバード号の683系です。私たちは乗ってません。