某月某日。夜のフランクフルト空港。ダブリンからの到着便の中に例によって私の姿がありました。15分ほど遅れて到着したので本来なら急いでしかるべきなのでしょうけど、のんびり慌てず勝手に「マラソン通路」と呼んでいるターミナルBからAへの通路を移動。通りがかりの免税店で見つけたのは
リンツのチョコレート。
アイルランド、こんだけ酪農が盛んでいい乳製品を産出してもよさそうなものなのに、ことチョコレートに関してはダメダメなものしか産出してない。申し訳ないけどCadburyのチョコレートなんてこのスイスのリンツのそれに比べれば食べられたもんじゃないと思う。ともあれね、私リンツのチョコレートを愛しているのだ。ちなみに、帰省の際のうちのばーちゃんのおみやげはこのチョコレートが定番です。
ここの店員さん、どうやらフランス人らしく、フランスからの観光客の一群と職務を放棄して雑談に花が咲いている。私は時間がおしていたこともあってパソコンから印刷してきた搭乗券を見せてクレジットカードではなく現金で支払い、そこから徒歩5分くらいの場所にある搭乗口へ。
搭乗口ではもうすでに大方の搭乗は終わっているらしくもう係以外の人はいない。とはいえ出発時刻までまだ20分ほどあるので余裕を持って搭乗口へ行った…はいいが、あれ?搭乗券がないっ!
すぐに気がついた。フランス語でくっちゃべっている店員さんに気を取られて(ぜんぜん人のせいになってないな)搭乗券をレジのカウンターに忘れてきたんだ。
自家製の低性能脳ピューターがはじき出した計算によると、今から免税店に戻って搭乗券を取ってきて所要10分。まだ間に合う。
というわけで、小走りで免税店へ。件の店員さんは未だにフランス語でなんかくっちゃべってる。が、私がカウンターへ行くと、当然のことのように搭乗券の紙束を渡してくれた。あ、やっぱここにあったんだ。ありがとねー。
そのまま搭乗口に戻る。で、搭乗口はまだあいている。よし、問題なし。いざ搭乗口へ向かおうとすると、あれ、おかしい、搭乗券がない。
そこにはすべてパソコンから印刷されたダブリンからフランクフルトまでの搭乗券、Eチケットの控え、さらには列車の切符まで(こんなもんまでパソコンから印刷できてしまう)そろっているのになぜか今まさに必要となっているHannoverまでの搭乗券がないっ。
話はそれるけどこの日記、できる限りカタカナ英語は排除しようと心がけている。たとえばこの日記ではゲートではなく搭乗口…という感じね。で、今Eチケットってなんていいかえられるかと思ったけど、「電子搭乗券」とかうそ臭い訳しか浮かばずどうもEチケットなる胡散臭い表現が市民権を得ていることに気がついた。こんな言葉が一般化するならなぜ80年代の日本でE電なる胡散臭い言葉が一般化しなかったんだろう。どっちも同程度だと思うけどなあ。
まあいいや。話を戻そう。どうも結論として未だに免税店のカウンターに私のHannoverまでの搭乗券は忘れ去られているらしい。もう免税店まで戻っているヒマはない。恥を忍んでカウンターの元お姉さんに事情を話しましたよ。
ご存知の方も多いと思いますが、くされRyanairの場合、空港に到着前にパソコンからの搭乗券の印刷が義務付けられています。もしなんらかの理由で搭乗券が手元にない場合、搭乗受付のカウンターに行けば、搭乗券を再発行してくれます。ただし40ユーロの手数料と引き換えですが。が、私のように、保安検査では搭乗券を持っていたけど、それをなくしたというアホタレの場合、最悪搭乗を拒否されるんじゃないだろうか。実験したわけじゃないから確証はないけどおそらくそうだ。搭乗を拒否されるだろうと思う。
じゃ、私の場合どうなったかというと…
私:「かくかくしかじかで搭乗券がないんだけどどうしたらいいでしょう」
最悪免税店までのダッシュも覚悟した。ああ、定時運行の妨げになるアホタレが自分だとは情けない。搭乗口の元お姉さんは
係:「ああいいわよ。今搭乗券再発行するから。はいどうぞ」
あっさり解決の巻。私のEチケットの領収書を見て搭乗券を再発行してくれた。このときに私は悟りを開いた。
そっかー。くされRyanairは当たり前のことにも感謝できるように作られた会社なんだ。
くされRyanairさん、今後もどんどん意地の悪いことを始めてください。あなたの悪い評判を聞けば聞くほど、私はフツーの航空会社のありがたさを噛み締めるでしょう。いうまでもありませんが、小心者な私はあなたを利用するような勇気はございません。かしこ。
ちなみに…搭乗券をなくしたのは2度目だったりします。緊張感がないというのも実に困ったもんだと自分で思います。