私の住むドイツ某所、とんでもないイナカなんです(いつもの書き出し)。で、一番近い都会はといえばハノーファーなんです。ハノーファーといえば、サッカーが好きな方なら現在2部リーグに降格の瀬戸際にあるHannover96を思い浮かべる人もいるかも。
私は思い浮かべるべきなんです。なにせ日本人が3人もいて、かつ、その中心にいるのが清武弘嗣さん。この人、私の地元の◯分のチームトリニータが一番輝いていた時の花形選手。その清武さんが◯分から1万キロも離れた(でもうちから50キロしか離れていない)ハノーファーで頑張っているんだから応援してしかるべきなんです。
…かくいう理由から興味がないわけではないのですが、サッカーなど何も知りませんから私にここで語れることなど何もないわけです。
ほんで今日。降格待ったなしのチーム、負けるわけにはいけない大一番がブレーメンで行われるのです。そして、その大一番が始まる頃、私はブレーメン空港から久しぶりにRyanairでダブリンに向かうのです(現在形であることから分かる通り、これを書いている時点ではこの試合はまだ始まってません。列車の中で書いてます。ちなみに試合結果はこちら)。
この2つの事実、なんの関わりもなさそうなんですが、思わぬつながりを持つことに。私が列車の時刻を調べていたら、ハノーファー中央駅から毎時1本出る急行電車(と言っても急行料金はいらないので快速と訳すほうがしっくり来るかな)に注意書きが書いてありまして…
(超意訳):「サッカーの試合があるからこの列車めっちゃ混むでー。可能なら別の列車選んだほうがいいでっせ」
ふむ。
もしこれが試合後で日本人3人がクソみたいな動きでボロ負けした…とかだったら、日本人の私の身に危害が及ぶ可能性がないとはいえない。だけど、行きは、むしろハノーファーのファンに褒められこそすれ問題にはならんだろう…ってそんな次元の問題じゃない、下手に列車が混んだらまずいだろ。立って乗るくらいならいいけど、遅れたりしたら問題。
というか、今推敲してて気がついたけど、逆にハノーファーが日本人の活躍でブレーメンをコテンパンにやっつけたりしたら、それはそれで身の危険があるわけだ。じゃあひとつ前の列車にすればいいかというと、むしろそっちのほうが混みそうで…。うーむ。
ふっと思いついたの。そういえば、この区間1時間に1本急行(快速)列車が走っているのに加えて、特急列車が走ってたなと。急行(快速)と特急1本づつで都合毎時2本の運行があるわけ。なんで、接続列車にこの特急が出てこないんだろうかと。
詳しい説明は省くけど、私はハノーファー中央駅で乗り換えなければいけない。で、10分ほどの接続で急行(快速)列車が出て、30分ほどの接続で特急列車が出る。で、特急列車は20分ほど先に出た急行(快速)列車に追いつかないのだ。なので、ドイツ国鉄のサイトには特急に乗る意味がないとして接続が出てこないようだ。
そこで、乗り換えの選択を「普通」から「のんびり」にすると、お、特急への接続が出てきた。しかも、特急料金のかかるはずの特急に乗るほうが運賃が安い…というわけのわからん逆転現象まで起きている。
ドイツ国鉄のサイト、特急電車には謎の割引運賃がありまして、特定の便を選ぶことで(つまりその便以外には一切乗れないというヒコーキのような)割引運賃を出すことがあるのです。で、この割引のおかげで特急料金のいらない快速列車より特急のほうが安くなったと。あー、これならサッカーのファンと鉢合わせることもないやと予約。それが昨日のお話。
ほんで今日。ハノーファーの中央駅で気になるから見に行ったの。とんでもなく混んでいるとか言う急行(快速)列車を。
(この列車で定時より4分遅れで到着)
(いつもより2両ほど増結された車両は…空いてました)
…結果としてはすかすかでした。よくよく考えてみると、試合開始直前にスタジアムに行く人はいないよね…。乗るとしたらもう1本前の列車だわ。
(なんかヒコーキなんかよりよっぽど旅をしている気分にしてくれるICE)
何のために後追いの特急列車にしたのか謎になったがまあ、しょうがない。特急でブレーメンへ。
ブレーメン中央駅。試合開始直前ということもなく酔って暴れるアホタレも(まだ)おらず平和そのもの。ただ、試合後に起こるであろう騒動を見越してすでに
…セキュリティも待機中。この夜は荒れたんだろうなあ。
ほんでね、今回相当不本意ながらRyanairでダブリンに向かうことになったの。特にセールでもなかったのでもろもろの手数料込みで€39.99…おおよそ5000円。なんだろう、これがルフトハンザならとんでもなくお買い得な価格なのに、Ryanairというだけで高く感じる矛盾は。
数年前からRyanairは自由席をやめたんですが、もし事前に座席指定をしようとすると4ユーロから€15の金を取ります。…実にうまいやり方です。だってこの座席指定料金は利益率100%…なんの手間もなく座席指定をするだけでそれだけの金を丸儲けするという。
こんな露骨な金儲け方法に協力するつもりなどさらさらありませんから、私はフツーに搭乗手続きをします。…と言っても事前にネットで手続は必須です。これを怠って空港に着くと、「罰金」として€45徴収されます。なんの罰金だかさっぱりわからないのですが文句を言ったら「嫌なら乗るな」と言われます。たぶん。
ただ、ですね、裏ワザ…とまでは言わないのですが、ちょっとしたテクがあるんですよ。事前に座席指定をしない場合、座席は無作為に選ばれます。当然、足元の広い席や早く降りられる機体前部の席に席が割り振られることはありません。…が、もしヒコーキが満席の場合どうなるか。そうなんです。もし通常席がもう空いていないとなるとそのような「特別な」席が割り振られるわけ。それを狙って直前まで搭乗手続きを遅らせる私。セコい航空会社とセコい客の地味なバトルです。
出発6時間前まで待った。6時間というとまだ相当な余裕がありそうですが、ブレーメンまで列車で3時間近くかかるんです。そう、自宅で搭乗券を印刷するためにはまさにギリギリのタイミングまで待った結果がこれ。
(すいません。テキトーに画面を合成してるので若干ずれてます)
通常席が一つ(6F)だけ残ってます。このまま搭乗手続きするとこの席にあてがわれることは確定。なので、列車に間に合う時刻までぎりぎりまで待ってみたが、この席は埋まらず、座席指定をせずに(=Ryanairを儲けさせずに)搭乗手続きをした結果、案の定座席は6Fになった。
ちなみに…なんですけど、スマホにRyanairのアプリを入れれば搭乗券を印刷せずに(€45の罰金を取られずに)搭乗手続きができる2時間前まで搭乗手続きができると思われるのですが、そんなアプリを入れると私の最高級(当社基準による)中華スマホが穢れるので入れません。なお、本日の写真の多くがブレているのは件の最高級中華スマホのカメラの性能(と持ち主のセンスの無さ)が原因です。
で、座席が決まった次の画面で私は困ってしまった。
一体私はここからどーしたらいいんですかね?
正解は…スクロールダウンすると、「ダウンロード」の選択肢が出てくるんですが…情けなくも数分悩みました。
(ブレーメン中央駅から空港までは路面電車で移動)
列車がどーなるかわからなかったので、私は殊勝にも2時間前に空港に到着する列車を選ぶ。結果、何も起こらなかったので2時間前に空港に到着。
LCC(というかRyanair)専用の安普請なターミナルビルへ。思えばさ、成田空港とか関空にLCC専用ターミナルが相次いで建設されたらしいけど、このターミナルはそれ以前から存在する。良くも悪くもRyanairはLCCの先駆者なんだなと思う。
搭乗時間1時間も前に搭乗案内が流れる。これがまた商売上手なんだ。大意こんなことを言うのだ。
「まもなくダブリン行きの搭乗を開始します。本日満席に近いため、最初の90人(ちなみに満席で188人)のみ荷物の機内持ち込みを保証します。搭乗口は1Eです」
…なんじゃそりゃって、機内持ち込みの荷物が多すぎると頭上の収納棚に入りきれなくなるので、それを避けるために遅く搭乗した人は荷物を搭乗寸前に預けてもらいますと。
ちょっと待てやい。他の航空会社でこんな莫迦な案内を聞いたことがない。RyanairのB737-800だけ収納棚が狭いの?んなわけねーだろ。
(ヒコーキが到着するはるか前から搭乗口に並ぶ、定時運行に恐ろしく協力的な人々)
ともあれ、その放送を聞きぞろぞろと並び始める人たち。私に言わせると意味不明。1時間半ほどの飛行時間のヒコーキに乗るために1時間も前から並ぶって莫迦なの?というわけで、私は待合室の唯一のカフェでのんびりビールを飲みながら搭乗時刻を待つ。
で、一番最後に搭乗。
(Ryanair迷物、機体備え付けの階段で搭乗。正直急で怖いです)
出発前におとなりの座席でちょっとした問題発生。…いや、問題というほどじゃないんだけど、座席のいらない2歳未満の幼児を連れたお母さんが、どこか空いている座席はないかとフライトアテンダントさんに聞いている。フライトアテンダントさんは困り顔。そこで私は…
「だったら私が一番前の空いている席に移っていいですかね。そうすれば問題は解決するかと」
…称してお為ごかしといいます。この乳児連れのお母さんを助ける…という名目で€15かかるはずの非常口座席にまんまと移動。
…ってかこのどこが足元広いんだ?確かに左側の最前列はとんでもなく足元は広い。だけど、右側のこの席の足元は全然広くない…というか前席の下に足を潜り込ませることができない分むしろ狭く感じる。この席に€15払ってたら俺、暴れるわ。
結局ヒコーキはダブリンに20分も早着。結論としては…何も問題なかったな(残念ですが)。