Cさんの降って湧いた…いや、私に言わせたらあまりに予測通りに起こったポンコツイタ車が壊れた問題、それからノートを買った話の続きです。
私がそらまめ号(ノート)を選ぶにあたり、前の日記にも書いた通りとにかくこの人インテリキー(キーをポケットとかに入れていたら、ドアについているボタンを押すだけでドアの解錠・施錠ができるやつね)だけは譲れなかった。で、これがついているグレードって一番上だけだったのね。なので、自動的に一番上のグレードのTeknaを選んだ。
すると、オマケのようにAVM(アラウンドビューモニター)なるものがついてきた。平たく言うと、前後左右についたカメラの画像を合成して、あたかも車を上から見ているような画像を作ってくれるの。
大きなミニバンとかならともかく、こんな小さな車にこんなもんいらんだろ…と思ったのだが、新しもの、珍しものが好きなことも手伝って、まあ、使ってみようかと。
これが思いがけず便利だった。車はいつも車庫に停めるんだけど、この車庫が実は曲者だったの。写真じゃ伝わりづらいとは思うんだけど、この車庫にバックで車を入れようとすると、まっすぐ入れることができないの。角度をつけて車の後部をガレージに入れる必要がある。
しかも、シャッターの幅が昔のサイズのままなのか、両側のドアミラーの脇にはそれぞれ拳一つ分入るか入らないかの余裕しかないのね。先代のにんじん号(日本産の旧型ノート)と違ってドアミラーを電動で畳む機能がないからドアミラーを開いたまま停める必要がある。もちろん、労を厭わなければ、手で畳んでから停めるということもできるが、これをすると、両サイドのカメラがドアミラー下についていることもあって使えなくなるのです。
さらには、車庫の一番奥にはスペアタイヤほかいろんなもんが雑然と置かれているから、このいろんなものに数センチの距離まで近づけて停めないとシャッターが閉まらない。…と、まあ、東京じゃあるまいし(偶然見つけたGoogle Mapへのリンク。必見)なんでドイツのイナカで…とは思うのだが、結構難易度の高い車庫入れ技術を要求されるのです。ゆえに、このAVMは思いがけず役に立った。
相方Cさんも運転できるように他の人もカバーされる自動車保険に入ったんだけど、これがほとんど無駄になった。なぜならCさん、私の車を運転することを拒否した。新車が(傷をつけたら)怖い…というのもあるのだが、それ以上に「この車庫から出し入れできない」とのこと。バックで停めるのはともかく、前進で出すくらいはできるだろう…と思うのだが、毅然と拒否するのだ。「無理」って。
ところが…なんだけど、このAVMにはとんでもない死角があった。この立体駐車場に納車後ほんの数日後に車を停めたの。…さて、何が問題かわかりますか。
…気がついていただけるかちょっと自信がないのですが、構造物の「梁」が出っ張ってるんですよね。注意を促すように赤い線が引いてあります。ただ、梁の下にはまだ50センチくらい隙間があるんです。
で、このカメラばっかり信用したばかりに、この梁に気が付かなかったのです。「こんっ」とリアガラスを当てた。
幸いまだ車に慣れていないこともあってこの上ない微速でバックしてたので、ガラスにヒビが入ることも何もなく無傷だった(もしガラスだけではなくボディを当てていたら間違いなく凹むなり塗装が剥げるなりしたので本当に運が良かった)。で、AVMにはこう見えていたの。
…ああ、なんか言われてみると、上の方になんか写ってなくもないな…と。
で、シールドプロテクションという、障害物を見つけると警告音を鳴らしてくれるシステムがついているんですが、これが作動しなかった。そう、障害物のセンサーは車の下方に向かって作動していて、上方は文字通りの死角になっていたと。
いちおう日産の名誉のために書いておくと、この事実は取説にちゃんと図入りで説明されてました。ただ…取説など読む人じゃないのよね。私(ましてやドイツ語で書いてあったら)。まあ、誰が悪いって自分が悪いのですが。
ルームミラーに気を配っていれば、この梁に気がつくことはできた。もっと言えば、駐車場にちゃんと「ここでは前進駐車」と書いてありました(もちろんドイツ語で)。はい、何を取り上げても私が悪いです。
…と、まあ、話の中心がどこにあるのかさっぱりわからなくなったけど、AVMがついているにも拘わらず、Cさんはうちの車庫に車を停めることができない!と宣言。こんな便利なカメラがついているのに…って言ったら「むしろ混乱する」とのこと。そう、最初からこの新しいものを使ってみようとかいう気がないらしい。それでいて、「後ろのガラスが小さいから駐車がしづらい」とか言うんだからもうてんで話にならない。
Cさんの車は壊れた。日本と違って代車とかいう制度がないドイツ(はたまた有料なのか詳しくは知らない)、修理をするかどうか決めていないうちに時間は経ち、その間ももちろんCさんは仕事に行かないといけない。別に勝手に私の車に乗って行ってくれればいいんだけど…そう、車庫から出せないと。かくして、毎朝6時に叩き起こされてくそ寒い中車庫から車を出す日々が1週間ほど続きまして。
結局、Cさんの車、結論として350ユーロ払ってマフラーを直し、他の部分は放置。まあ、平たく言えば問題を先送りしたわけです。修理工場の若社長もいい加減なもんで…
若社長:「まあ、遠くに行かなければ、大丈夫でしょっ」
…まあ、車が壊れてくれれば壊れてくれるほどこの人は儲かるわけで、そーゆー意味では「買い換えた方がいい」とは言わんだろうなあ。
かくして、朝の6時に叩き起こされる日々は1週間で終わった。ただ、ポンコツイタ車が次にいつ壊れるかはまさに時間の問題でして。
Cさん、後生ですから一刻も早くそのポンコツイタ車を手放してください(かしこ)。