私の勤める某社、この不況下にもかかわらず、30人もの新入社員を募集中です。ありがたい話です。やれリストラだなんだと騒ぎになっている中で業務拡張しようと言うのだから。
その業務拡張に伴い、相方と私の二人でまわしていたITのサポートデスクにももうひとり人員が増えることになりました。ありがたやありがたや。これで私も楽ができるというもの。
というわけで、このポストをインターネット上に公示したら、まあ、集まる集まる履歴書の山。ある日、相方がその履歴書の山を持ってきて…
相方:「一緒に選ぼうか」
…って、私も参加ですか。
相方いわく、3人しかいない部門なんだから、私が参加するのは当然だという。まあ、言っていること自体理にかなっている。面接そのものは、相方とその上の上司がやるので私は無関係ながら、書類選考の段階で、私は人をふるいにかけるという初めての経験をすることに。
ある履歴書。
「XXの経験があって、△△もできる。この人、この職にはもったいないね」却下。
別の履歴書。
「この人、年に一度のペースで仕事変えてるね。長く勤めてくれそうにないね」却下。
さらに別の履歴書。
「カバーレターがあるね。なになに、不況で労働時間が減って、収入が半分になった?で、前にもらっていた給料の半分でいいって?この人、自分を安売りしすぎてるよ。景気が回復したらやめちゃうだろうね」却下。
もひとつ別の履歴書。
「10年ほど前にOO社に勤務…ってわしが昔勤めてた会社じゃん。…ってわし、この人知ってるよ。ってさ、10年もITやっててなんでわしより安い給料で仕事やろうとしてるの。10年何やってたの?」却下。
…ってなわけで、次々と却下。残ったのはやたらと安い給料で仕事をやろうとしているガイジンさんたちばかり。
今回の選考でよく使った言葉。
S/he will be wasted here.
つまり、その人はこの仕事をやるにはスキルがありすぎるとかそーゆー意味。とにもかくにも相当な数の履歴書から残ったのはたった数枚。アイルランドのとんでもない不況を肌身で実感しました。