フランクフルトの空港で再び乗り継ぎに失敗するの巻(上)

おはようございます(田代まさしの「寝起きシリーズ」ふうのささやき声で)
 


現在3月1日月曜日の午前6時です。私はHannover空港のルフトハンザのラウンジに来ております。誰もいません(爆)。
 


ちなみに私、8時から仕事です。無論ダブリンで。今、ここにいること自体が問題なのですが…とりあえず時計の針を3日前の金曜日の夕方まで戻しますか。
 


金曜日の午後3時半に、ちょっと早上がりの形で仕事を終えた私はダブリン空港へ。いつも通り空港へ着き、bmiのラウンジでインターネットをしながらフランクフルト行きのヒコーキを待つ。私にとってはいつもと変わらない金曜日の午後。搭乗開始はやや遅れたものの、まあいつもの範囲…と思った私はこの後訪れる問題の数々にまったく気がついちゃいなかった。
 


搭乗が終了し、そろそろ出発だろうと思われたときに機長からのアナウンス。
 


機長:「フランクフルト空港が強風のため、離陸の許可が下りません。離陸はおそらく1時間遅れの午後7時過ぎになると思われます。ただし、状況が好転して早めに離陸することがあるかもしれませんのでそのときは改めてお知らせします」
 


春一番…ってのがヨーロッパにもあるかどうかは知らんが、フランクフルトは時ならぬ強風に襲われた模様。それで離発着機に遅れが出ている模様。
 


考えてみれば頭のいい方法だと思うのだけれど、こんなときにフランクフルト空港の管制は、近距離便の離陸許可を出さない。なるほど、上空で無駄に待機をして貴重な燃料を無駄にするくらいなら最初から離陸許可を出さないというのはある意味で理にかなっている。そんなわけで、離陸許可が出たのは1時間後。
 


総論としてのヒコーキの1時間遅れ、各論としては1時間ちょいしかない、私のHannover行きの乗り換え時間の問題。2週間前にこの接続に失敗して、空港直結のシェラトンホテルでハマったばかり。まさか2回連続で乗り換えに失敗したりはしないだろうと思った私が甘かった。フランクフルトでの乗り換えに見事に失敗!再びルフトハンザのサービスカウンターのお世話になることに。
 


このサービスカウンター。2回連続でお世話になって見えてきた。このカウンターに来る人はたいがい怒ってるのよ。そりゃそうだ。ここに来る人は乗り換えに失敗したとかの理由でご機嫌ななめな人ばかり。でもさ、だからといってカウンターの人に当り散らすのはあまりにかっこ悪いと思う。
 


私の人生の大失敗というか、反省を込めて告白をしておきたい。今からさかのぼること10年ほど前。場所はパリはドゴール空港。ここの空港の職員の意地悪さは有名。これがホントの怒号る空港…なんちゃって。
 


しーーーーーーーん。
 


…空気が凍ってしまいましたが続けます。
 


パリにいた友人を訪ねて、ダブリンへ帰るときのお話。ダブリン行きの最終のヒコーキがキャンセルされたのだ。で、カウンターに1時間近く並ぶ羽目に。とはいえ前にいるお客さんはホテルをあてがわれて、次の日のフライトに再予約をされていた模様。まあ、仕方ないね…と思っていた。
 


ところが私の番になると、なぜかホテルはあてがわれない、挙句の果てにヒコーキが満席という理由で翌日の最終便まで飛べないという。この職員はわざと私に意地悪をしているとしか思えなかった。あるいは人種差別してるんじゃないかとすら思った。
 


これ、根本的に間違っていると今なら言える。なんか不当なことが起こったときに人種差別だと騒ぐのは間違っている。これやるとね、すべての事態が水を飲み下すがごとくに納得できるのよ。行列で私の前に割り込みされた…これは人種差別だ。レストランでウェイターに無視された…これは人種差別に違いない…ってな具合でね。
 


この論理だとすべてに納得がいく代わりにものすごーく卑屈になるのよ。屈折するというか。そのことに気がついた私は以降人種差別という考えは捨てるようにしている。
 


話はドゴール空港。不当にもほかの人はホテルをあてがわれているにもかかわらず、私「だけ」不当な扱いを受けた。カウンターでスーパーバイザーを出せとえらい剣幕で怒った。だけどけんもほろろの対応で状況は何も変わらなかった。怒るだけ無駄。結局空港で24時間以上待たされる羽目に。
 


で、頭に来た私はくされエアフランスに苦情の手紙を出すが10年近く経った今日まで、未だにその返事は来ない。私はくされエアフランスのマイレージカードを送り返し、以降エアフランスおよびスカイチームのヒコーキには近寄っていない。これが私が「たとえタダでもエアフランスには乗らない」理由。確かにEUレギュレーションが整備されていないころではあった。だけど、くされエアフランスの対応は不当以外の何物でもなく、苦情の手紙に返事すらよこさないのは無礼以外の何物でもない。一度だけ言わせてくれ。エアフランス、氏ね。
 


…と恥ずかしい告白をしたところで話を金曜日のフランクフルト空港に戻します。
 


2週間前と同様、連続してHannover行きの接続便を逃した私。カウンターでは上のような体験がある以上怒らないようにしている…というかにこにこしていたほうが得だということを経験的に悟った。というわけで、にこにこしながらカウンターのお姉さんと話す。
 


お姉さん:「それでは翌朝の1便に再予約いたしました。ホテルはNHホテルをご用意いたしました」
私:「ありがとう。いやー2週間前に引き続いて災難だったよ」
お姉さん:「え?2週間前に何かあったんですか?」
私:「2週間前の金曜日、雪のためにまったく同じ接続をまったく同じように逃したんだよね。その時は空港のシェラトンホテルに予約をしてくれて助かったんだけど」
お姉さん:「え?シェラトン?(カウンターの別の人に)スターアライアンスのゴールドメンバーって、ビジネスクラス扱いなんだっけ?あ、そうなの?(私に向き直って)ええと、残念ながらシェラトンホテルは本日満席ですが、同等クラスのホテルをご用意いたします。こちらがホテルのバウチャーと、タクシーのバウチャーです」

 


へ?タクシー?バスじゃなくて?
 


というわけで、タクシーの運転手さんにバウチャーを見せると夜のアウトバーンを160キロで走り始めるタクシー。15分ほどでホテルに到着。ちなみにタクシーは片道30ユーロなり。
 

 

 


なんじゃここは?
 


シェラトンとはまったく格式の異なるkempinski hotelなるホテル。あとで調べたら5つ星。おーい、ルフトハンザさん、いくらスタアラのゴールドメンバーとはいえ私往復税込み150ユーロしか払ってないのにこんないい扱いをしていいんですか?
 

 


部屋自体はたいしたことなかったけど、バスルームのアメニティなどはそろっており満足。
 

 


朝ごはんも空いた格式のあるレストランでおいしくいただく。唯一文句をつけるとすると、バスルームの水を出した瞬間の水が茶色ににごっていた。水道管が老朽化しているのだろうか。…ってかさ、いつからアイルランド真実紀行はフランクフルトの5つ星ホテルの評価サイトになったんだ?
 


で、朝の一便でHannoverに到着した私。帰りはもっとすごいことになるとはこのときは夢想だにしていなかった。続く。