意識高い系こだわりのStaedtler

高校生の頃、文房具に凝っていたことがあります。「趣味」というには弱いのですが、なんて言うのかな、「こだわり」?(←一部の人に嫌われる相手に同意を求める語尾上げ)。まあ、少ない小遣いの中で、拘れるものがこれくらいだったのかもしれない。


当時ね、こだわっていたのが、製図用シャープペン。図なんて何も描けないくせに、0.5ミリではなく0.7ミリのシャープペンにこだわっていた。筆圧が強くて芯をよく折るものだから、太いほうが折れにくいんじゃね?という非常にわかりやすい論理。


さらにこだわっていたのは、Staedtler社の製品。文房具を可能な限りこの会社の製品に揃えていた頃がある。ステッドラー社…たぶん日本ではさほどの知名度はないはず。ドイツのメーカーですから。なんでこの会社の製品だったかというと、ドイツの会社だったから。


もっと正確に言えば、日本の会社じゃなかったから。「文房具なんていう細かいところで舶来品にこだわるボクって意識高い系?」(再び語尾上げ)…と今にして思えば。明らかに爆ぜろリアル弾けろシナプス的中二病全開でアホなこだわりを持っていたわけです。


あれから20年ほど月日が過ぎてますが、ふと気がつくと未だにステッドラー社にこだわりがあるんですよ。ふと自分が今使っているシャープペンと消しゴムを見ると…やっぱりステッドラー社製。そこに深い意味などないままに惰性で使っているというのが現実。…って、間違いなく日本のメーカー同様優れた商品ですけどね。Staedtler社製の文具は。

(よく見ると日本製というのが笑えますが、ステッドラー社製です)


ここは完全に蛇足だけど、現在愛用のペンはゼブラのSurariの0.7。数年前に東急ハンズで売っているすべての100円ペンを試して気に入って各色揃えてきた。これの替芯まで買ってきて愛用している。会社にも常備しているのだけど、このこだわりに思わぬ副次効果があって、このペン、こっちでは売っていないものだから、手癖の悪い誰かが私のペンを持って行くと犯人がすぐにバレる。


ともあれね、ステッドラー社はドイツの会社。ドイツ国民100人のうち99人はステッドラー社の文具を愛用しているに違いない…などと思いつつ、近所の文房具屋さんに行ったの。消しゴムを書いに。当然高校の頃からの愛用品、StaedtlerのMars Plastic。ドイツなんだから当然売ってますわな。


もうこの話の流れから読めていると思いますが…なかった。Mars Plasticが。5-6種類の消しゴムを売っていたのだけど、どれも日本的に言えば砂消しみたいな硬いやつ(うわー、「砂消しゴム」なんて完全なる昭和の死語じゃないだろうか)ばかりで、柔らかい消しゴムがない。まさかアイルランドですらフツーに売っているStaedtlerのMars Plasticが、そのお膝元のドイツで売っていないというのは完全に想定外でした。


気になったからこの消しゴムをドイツ人のCさんに見せたの。「見たことない」と言われましたとさ。