ナショナルコンサートホールにクラッシックのコンサートに行ってきました…なんかカタカナばっかだな。もとよりクラッシック音楽など興味の微塵もない私ですが、牛にひかれて善光寺参り、まっきーに引かれてダブリンの文化の殿堂、ナショナルコンサートホールに行ったわけです。
過去10年かそれ以上ダブリンに住んでいたので、当然何度かここには足を運んだことがあります。オペラのアンナ・カレーニナと王道のカルメンなんかを見た覚えが。
今日は、いつものアイルランド国立交響楽団に日本人のマリンバ奏者の大茂絵里子さんがゲストで来られるという。ごめん。嘘は書けない。私はそもそもマリンバってなんだっけ…ってところから始めないといけないレベル。はあはあ、この木琴のお化けみたいなやつなのね。
(某Tripadvisorサイトより拝借)
この、なんというのかは知らんが、このホール、ステージの後ろにも客席(二階席)があるの。これがさあ、客席から見るとすごく嫌なのよ。ステージという非日常を見に来ているのに、その後ろに私と同じ「客」という日常が見えているというのが。まっきーいわく、日本にも同じようにステージの後ろにも客席があるホールがあるというが、私の知らない話で正直好きになれなかった。しかも、ホールそのものも歴史の重みを感じるわけでもなく…。
さて、今回はたぶん初めてそのステージの後ろの席からオーケストラを見た。この席、当然といえば当然安いのよね。今日のコンサートではたったの12ユーロ(1600円)。なんだまっきーは安さでこんな席を選んだのか…とか思っていたのだが、
まっきーごめんなさいでした。
(私のいたステージ席から見た図。演奏中は撮影禁止につき、ブレてるけどこの写真で勘弁してね)
まっきーにはもう謝るしかない。この席は…面白かった。この席さ、自分がオケの一員になったよな錯覚を覚えるのよ。さらに、オケのメンバーの譜面が見える(私の場合「読める」じゃなくて「見える」ね)。さらには表情豊かな女性指揮者が自分に指示を出しているような錯覚すら覚える。なんていうのかな、芝居を楽屋の袖から見るような錯覚でずっとコンサートを楽しめた。 2メートルほどの高さの違いこそあれ、オケのメンバーは手が届きそうな距離にいるし。もう完全にツボにはまった。この特等席が一番安いというのはもう納得行かないというか、それくらいお買い得な席。
そして、この席は客席とお見合い席になる…まあ演奏者視点で客席が見えるんですわ。残念なことに、この日は座席は半分、まあ、ちょっと贔屓目に見れば4割くらいは空席だった。それもつぶさに見えてしまうのだ。客の反応もすべて見える。
演目は前半はマリンバのソロも含めて曲目等全く謎。そりゃそうだ。クラッシック音楽の知識の引き出しなんて私にはほとんどないんだから。ただ、退屈はしなかった。譜面や演奏者をつぶさに観察していると楽しいのだ。この席、もう1回書くけどお買い得。
木琴のお化けのマリンバなんだけど…きっとすごい演奏だったんだろうなあと思う。たださ、ほら、まともなバイオリンなら音を出すことすら私にはできないのはわかる。だけど、鍵盤がついてるピアノとかマリンバとか、どれを叩けばどの音が出るかは私でもわかる。つまり、うまいうまくないじゃなく、今すぐきらきら星を弾け…と言われても困らないわけで。まあ、演奏の次元が違うわけだが…何が言いたいのかわかんなくなってきたけど、まあ、私のようなアホタレには、演奏がすごいレベルだったのはわかるものの、その本当の凄さはわからなかった…ということだ。
休憩時間に突然友人二人に話しかけられた。見えていた客席には知った顔はいなかったと思ったが。
私:「よく俺らがいるって気がついたね」
…って言ったあとに、ふと自分たちがいる席を思い出した。
(さっきの写真を加工。赤線のあたりに私らはいたわけね)
目立つでしょ。ここ。通常席からフツーにステージを見ていたら嫌でも目に入る(だから最初に「日常が見えて嫌だ」と書いたんだけど)。この席であくびしたり居眠りしたら会場全員の人に気がつかれる席だわ。そこにアジア人3人がいたら、そりゃ目立つ。間違いない。
その後はストラヴィンスキーのペトルーシュカ(一部は私ですら聞き覚えがあった)の演奏の後、アンコールでダンソン第二番…と指揮者の人がマイク無しで言ったのだけど、よく聞き取れなかった。なにせ、こっちは、会場に向かって話している指揮者の背中から話を聞いているんだから。でも、こっちは譜面がばっちり見えているからこうやってあとでネットで調べたりできるわけだ。ちなみに、この曲、好きだわ。
クラッシック音楽に造詣のかけらもない私ながら、2時間のコンサートは楽しめた。コストパフォーマンスの点からもとんでもなくお勧めな席でした。機会があれば是非どうぞ。
ついき:もっとまともなリビューをしているまっきーのブログ記事はこちら。なお、ひでかすも参加していたが、ひでかすのブログは………(音声が途切れた模様)。
この席、クワイヤ(choir)席っていうんですが、最近は音楽専用ホール(http://www.nagata.co.jp/sakuhin/concert_halls.html)で設置されていることが多いです。チケットが安いのは、単に音が悪いからです。
音が悪いというのは、「音質が」ということもありますが、主に各楽器のバランスがちゃんと聴こえないというものです。指揮者は通常の客席から聴いた時に最適に聞こえるようにオーケストラの音を仕上げるのに加えて、特にラッパの類は前に向かって音が出るので、後ろからだと音色がくぐもった感じになります。
逆に、ご指摘のようにオーケストラが何をやっているかとか、指揮者がどんな顔をして振っているかは手に取るようにわかるので、楽器のプレイヤーには非常に勉強になる席です。おまけに安いので音大の学生さんとか、吹奏楽をやってる高校生とかが好んで座ってたりします。あとは、指揮者の追っかけの人とか。
私も一応ラッパ吹きの端くれなので、何度か座ったことがあるのですが、演奏の間じゅう、客席の視線を浴びる上、Snigelさんと同じく知り合いに見つかる恐れがあってリラックスできず、音楽に集中できなくなるので、最近はほとんど座ることはなくなりました。
あ、それです。それ、クワイヤ席。そう書いてました。
確かに音という意味ではアウトでしたね。特にラッパ類のすぐ後ろに座っていたので、その音が目立つ目立つ(しかもくぐもっている)。そして、周りに座っていたのは、明らかに音楽をやっている感じの人が多かった気がしました。まっきーいわくスコアを持ち込んで鑑賞したことも昔はあるとかないとか。
知り合いに見つかる以外は私はいい席だと思います。正直なところ、オケって目でも楽しまないとややもすると退屈になりかねない気がするので。
かのベルリンフィルハーモニーのコンサート会場もクワイヤ席あります。ドイツお住まいでしたら一度はどうぞ。日本で聞くと凄く高価です。湿った日本の空気ではオケも今一つらしいですし。
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写真のリンク拝見しました。…うわああ囲まれてる。私なら後ろの席一択ですね。価格は安いわ思わぬものは見えるわで楽しい席です。
そう、ハノーファーでもオケが見られるらしいんですよ。見に行こうと思っているのですが、すっかり忘れてます。そうだ、「プレゼント」と称してチケット買って行こうかな。
日本なら、東京のザ・シンフォニーホール他、まだ数が少ないです。そんなに楽しい席なのですね。でも・・・・Q州からわざわざ東京までは・・・なのです。大阪あたりまでならベルリンフィルおっかけて日帰りで行ったことがありますが。バイエルンってお近くですっけ?バイエルン放送交響楽団もなかなかいいですよ。(地図みながら言え、自分)
ちょまさんQ州なんですか。そりゃ遠い。で、うちからバイエルン州はそれと同じくらい遠いんですがw