もう今年も残すところあと数日となりました。で、Sniちゃんは、今月何回更新したのかなー♪
会社も18日の金曜日辺りからだんだん落ち着きがなくなってきました。別の課では就業時間内に課内でのちょっとしたパーティーを開くなどなど。基本的な考えとしては「いいじゃん、クリスマスなんだから」というのがありそうです。
その雰囲気は翌月曜日(21日)になってさらに決定的になります。まず、2割から3割の社員が出勤していない(コンピューターの電源が入っていない)。そして空気もなんとなく浮かれているんですよね。さらに、昼休みに食事に出て1時間半とか帰ってこなかったりとか当たり前。私の上司も私と一対一面談をするはずだったのに昼やすみどっかに行ったきり帰っちゃ来ない。
そんな中、23日に私も仕事納めとなりました。基本的にはクリスマスと年末の間となる翌週の28日、29日、30日は通常通りの勤務…のはずなんですけど、この3日に関しては本当に「最低限の人数」で社員のローテーションを組んでいる模様。私もお休みです。かくして、11月に3週間も休みを取ったはずなのに、このクリスマス期に10日以上も休みを取れたりなんかするわけです。このアイルランドの(あるいはヨーロッパの)のんびりさ、一度骨身にしみたら二度と抜くことは不可能だと思います。
ただね、どんなにおおらかでも冬休みに入る前にこの上司との一対一面談は済ませておかねばなりません。これ、社員(つまり私)の側と会社(つまり上司)の側が話をして、今年の働きっぷりはどーだったか、来年はどういう目標でやるかなどを語る重要な場(以上タテマエ)なんですよ。
ここでね、今年の働きっぷりについて、5段階評価が下されます。通知表と一緒。で、これが実に現金でして、5だったら来年は5%の昇給で1だったら1%の昇給…ってな感じでこの評価が来年の年収に直接関係していたのです(数字はあくまで参考)。こう書くと、この面談が重要な場であることはわかっていただけると思います。考えてみると、プロスポーツ選手の契約更改に似ていると言えなくもないですな。
というわけで、この面談はかなりの人の場合、荒れます。「私がこんなにがんばってきたのになんで5じゃなくて4なのよー」ってな感じで。これ、理由は簡単で、学校の通知表と同じで相対評価なんですよ。すなわち5の人は何%で4の人は何%って最初から決まってるんですよ。おそらく予算の関係で。
私の場合、「面倒くさい」が先に来まして、毎年テキトーです。だってさ、5と4の差は1%とすると、年収の1%の差ってさ、たとえば仮に年収が500万とすればたった5万ですよ。月にすれば4000円ちょっと。そんな微々たる差額のために机をたたかんばかりにケンカするとかアホらしいし、そもそも日本的な感覚で言えばぜんぜん仕事してないのにそこそこの評価をいただくと、逆にこんな評価もらっていいんだろうかと不安になるくらいでして。
とにもかくにも、面談が終わらないと来年の年収が決まらないわけですよ。なのでこの面談は必ず年内に終わらせる必要があります。で、月曜日に私の上司がお昼休みを長く取りすぎたことでこの面談ができなくなってしまったのです。
翌火曜日。定時になっても上司はやってこない。聞けば…
同僚:「今日は子供の(クリスマス関連の)学芸会で休むって言ってたよ」
まじかよ。あと1日しか残ってないぞ。しかもその最後の日(23日)はちょっと早退しようと思っていた。町の西の果てにある会社から市内を経由して北の果てにある空港までバスで行くとなると、クリスマスショッピングでにぎわう大渋滞の市内を抜けなくてはいけない。ついでに空港も混んでいると思われる。いつもより早いバスに乗った方がいいかと思ったわけ。
かくして、23日は早く帰るために殊勝にも朝の7時前から出社して仕事を片付けていたのですが、最初はこの日はそんなに忙しくなるはずがないとタカをくくってのんびり仕事をしていたんですよ。そしたら甘かった。いろんな飛び込みの仕事などが入ってきて一人で大忙しになる。それでも上司と午後1時に面談の約束をしているので、この時間までに何とか仕事を片付けなければと昼休みも返上して仕事を片付ける(ってか最近昼休みをまともに取ったことがないんだけどさ)。
午後1時。まだ仕事は終わらない。でも上司は昼休みに行ったまま帰ってこない(またかよ)。私は2時半のバスに乗ろうと思っている。面談は1時間の予定なので、バス停までの移動時間を考えると1時くらいには始まらないと間に合わない。なのに上司帰ってこない。上司が帰ってきたのは2時になろうかというころ。
上司:「今日、ちょっと早退するんだったよね。何時のバスで空港に行くって言ってたっけ?」
私:「2時半のバスの予定でしたが、(面談をする限り)無理だから3時半のにしますよ」
とは言ったものの、3時半のバスじゃぎりぎりになることは過去に実験済(ってか1時間に1本しかバスがないってどんだけイナカなんだよ)。道路状況がよくて、バスの接続がよくても空港に着くのは5時ごろ。クリスマス直前のとんでもない混雑が予想される日となるとそれで6時のヒコーキに間に合うとは思えない(航空会社によっては出発時刻の45分前が搭乗受付の締め切りとなる)。そんなことを頭の中で計算していると…
上司:「ヒコーキ何時のだっけ?」
私:「6時です」
上司:「ぎりぎりじゃないか。確かクルマでちょっといったところにあるバス停から別のバスが出てなかったっけ」
私:「出てます(しかもこのバス、市内で乗換えをしなくていい空港直行バスだから早い)」
上司:「じゃあ、そこまで私が送っていってあげよう」
おお、さすがこの上司、やるときはやるな。こうしてちょっとしたウルトラ技で面談を実施…するかと思いきや、直後に今日が最後で転職する同僚のお別れ会みたいなことが開かれるとかで上司を含め私も参加。気がつけば午後3時!
上司:「何時ごろ会社を出るんだっけ」
私:「まさに今…ですね」
上司:「じゃ、行こうか」
私:「あの、面談は?」
上司:「1月にやろう。どうせ、給料変わらないんだし」
そうだった。去年に続いて、今年も不景気のあおりをもろに食らって昇給が見送られているのだった。面談でどんな評価をもらっても給料は変わらない。考えてみると、給料が右肩上がりで上がっていたあの時代が懐かしい。文字通りの今は昔で、今じゃ、社長自ら経費削減を血眼になって叫んでいる状況。
もっとも、どっかの軽自動車の会社みたいに鉛筆1本まで会長決済とかいうすさまじい状況じゃないけど(そーゆー極端な例は逆によくないとも思うのだが)。だからといって、この面談を1月まで持ち越していいとは思えないのだが、さすがいい加減王国のいい加減な会社、こんなことがまかり通ってしまうんですな。
かくして上司に会社から数キロ先にあるバス停まで送ってもらうことに。ところが、クリスマス前の大渋滞に巻き込まれて、バス停に着く前にバスの通過予定時刻が過ぎてしまった。ただ、この渋滞なら当然バスも遅れているべえと同僚にケータイで電話してバスの運行状況を調べてもらう。その話をしていると、私の上司のさらに上の上司がその同僚の机に来たらしく、電話をひったくって…
上司の上司:「Snigel君。バスに乗り遅れたら、特別に空港までのタクシー代を経費として認めてあげるよ。クリスマスだしね。ハッピークリスマス!」
あんた話がわかるね…っていう次元の話じゃない。あんだけ経費削減を言っときながらその大盤振る舞いは何よ?このクリスマスとやらはそんなすべてを上書きするだけの特殊なイベントなのか?私があきれ返っていると、私の上司が今度は私のケータイをひったくって、上司の上司に
上司:「今日は道が混んでるんで、このままSnigel君を空港まで送って帰ります。通り道ですし」
上司の上司:「いいよー、ハッピークリスマス!」
いいのか、それで?私にとっては文字通りの有り得ない有難い話なのだが、あんだけコスト削減を叫んでおきながら、ホントにそれでいいのかこの会社。ひいてはこの国は。
結局上司に空港まで送ってもらって空港に着いたのは出発の1時間半くらい前の午後4時半ごろ。いざふたを開けてみると
空港、がらがらの図。
以下、続く。