【準更新強化月間】Ryanair搭乗編2014

お待たせしました。くされRyanair搭乗記です。


本日の旅程はブレーメン(ドイツ)からダブリン(アイルランド)です。


確認。RyanairはPoint to Pointの航空会社です。つまり、東京から福岡(直行)という航空券は売っても東京から大阪経由で福岡という航空券は売らないのね。どーしてもそうしたいというなら、東京から大阪、大阪から福岡という感じで2枚の別々の航空券を買うことになります。ただし、最初のヒコーキが明らかに航空会社の問題などで遅れたりキャンセルされてもRyanairは面倒を見てくれません。なので、このような航空券を買う場合には接続に相当の余裕を見る必要があります(理想的には経由地の観光も兼ねて1泊するとか)。


ともあれ、前回航空券の予約の仕方まで見ましたけど、今回はそれ以降。


出発1週間前になると、Ryanairのサイトで搭乗手続きができるようになります。そして、これは義務です。出発時刻の2時間前までに必ずネット上で搭乗手続きをして搭乗券を印刷しなければなりません。万一、搭乗券なしに空港に行った場合、70ユーロのAirport Check In Fee (空港搭乗手続き料金)いう名の手数料…というか実質罰金が発生します。


驚いたことに、今年の1月からRyanairは自由席をやめました。驚きましたね。守銭奴のRyanairが乗客の利便性を考えて自由席をやめるなんて。少し見直しました。

(出発1週間前になるとこのようなメールが届きます。このメール内にオンラインチェックインへのリンクが貼ってあります)


というわけで、きっかし1週間前にRyanairのサイトに行きましたよー。


旅券番号などを入力して、さあ、座席を選ぼうとすると…


座席を選びたいなら5-10ユーロ払ってね。さもなければテキトーに座席を指定するけんね。
(注:ここのスクリーンショット、引越し荷物の一番底で眠っている1号機の中です。1号機を引っ張りだした時にスクリーンショットは足します。ごめんなさい。)


いやー、一瞬でもRyanairを見直したとかほざいた私がアホだった。なんのこたーない、座席は通路際か窓際かの属性指定すらできない。もし選びたいなら5ユーロ、あるいは出口や非常口に近い座席を選びたいなら10ユーロ払いやがれという実にすばらしいシステム。くされRyanairにガチンコ勝負を挑まれて泣く泣くOneworldから撤退してまでLCCに成り下がったエアリンガスですら、前日なら無料で座席の指定ができるぞ。ちなみに日本のLCCはこの辺どーなんですか。ご存知の方ぜひご教授ください。


ここで以前Ryanairをネタにしたときに読者さんが掲示板に書いてくれたコメントを引用。いや、これはホントに殴られたくらいの衝撃でしたよ。


読者さん:「Ryanairでも必ず座席はあるよ。バスよりマシ」


いやはや、これ、ホントだわ。通路際か窓際かなんてホントに些細なこと。2時間近い飛行が立ちっぱなしというなら確かにつらいけど、座席は必ずあるのだ。そこになぜ5ユーロを払う意味があるのだろうか。というわけで、座席指定なしで搭乗券を発行すると出てきたのは窓際の席。ま、いっか。


かくして搭乗当日。


とりあえず、HannoverからブレーメンまでRE(Regional Express=急行列車)で移動。急行といえば響きはいいけど、なんのこたーない、Hannover市内とブレーメン市内の一部駅は通過だけどあとは全部停車。たまにある東京または新宿発の中央本線の電車を思い浮かべればわかりやすいかも。都内の一部駅は通過ながら、郊外は完全に各駅停車。ぜんぜん速くない。しかも車両は詰め込み式の2階建て車両。空いていたからまだ良かったけど、まったくいいところのない車両。


ブレーメン中央駅からトラムで空港へ。ブレーメンの空港のターミナルは二つに分かれている。わかりやすく書けば、Ryanairかそれ以外。Ryanairのターミナルは明らかにハンガーを改造したLCC仕様。それ以外のこまともな航空会社はまともなターミナルを共用している。


まずはカスタマーサービス(「サービス」があるかどうかは定かではない)に行き、ビザの確認。個人的にはアイルランドへの長期滞在権があるからまるっきり無駄な行為なのだが、そんな文句を言ってもどうにもならない。Ryanairの俺様ルールに従うしかないのだ。


そして保安検査を受けて待合室へ。


まあ、この待合室もひどい作りでして、シェンゲン条約外のダブリン行きは搭乗前に出国審査があるんだけど、一度出国審査を受けたらその先には売店はおろかトイレすらない。椅子すら壁際に数席あるだけだから、一度出国審査を受けたらあとは搭乗までひたすらに絶っているしかないという鬼仕様。慌てても仕方ないので出国審査の前の待合室でのんびり待つ。


折り返し便の到着時刻の定刻ぴったしにヒコーキが滑走路に降り立つ。その瞬間に搭乗案内。 待て待て。お前のところはヒコーキが到着する前に搭乗ができるんかい。25分の折り返し時間ではそんな無理が通って道理が引っ込むらしい。


搭乗が開始されたのを見計らって出国審査を受ける。当然の帰結としてヒコーキに搭乗したのはほぼ最後。念のために書いておきますけど、私はヒコーキが遅れる原因とかにはなってませんからね。…ってかくされRyanairが私を含め遅れた乗客を待ってくれるとは冗談にも思えないけどね。乗り遅れたらMissed Departure Fee「乗り遅れ料金」と称して、110ユーロを徴収されて次のヒコーキに乗せて「いただける」らしいです(出発時刻の1時間後まで)。


搭乗はかなりスムースにいった…ってか最後の最後に乗ったからだけの話かもしれんが。乗ってみると、なるほど、指定席の売り方がよくわかった。最前列数列と中央の非常口座席、そして、後部の数列を除いて順番に席を埋めていくらしい。


ただ、私は一人旅だったので、たとえば3人組の場合、17Fから始まって18Aと18Bのように、番号としてはつながってるんだけど席としては離れてしまうようなひどいことをするのか、それともその辺は配慮してくれるのかはわからなかった。…けどくされRyanairがそんなお客様に配慮するようなことをするわけがない(言い切ったし)。


で、まあ、莫迦な話でさあ、水曜日の昼下がり…つまりRyanairが一番空いている(と思われる)時間帯、搭乗率は6-7割といったところ。いやいやいや、6-7割なら上出来じゃんとか思っちゃいけない。だって、私が支払った金額は28.99ユーロ。たぶんそのうちの半分かそれ以上は空港の施設利用料などの租税公課に消えると思う。私は搭乗率には貢献したものの、くされRyanairの利益にはまったく貢献していない気がする。


それを言い出すとさあ、Hannoverからブレーメンまでの電車代は27ユーロほぼ同じ。電車で1時間半の距離とヒコーキで1時間半の距離が同じ運賃でいいはずがない。Ryanair。うまく使えばこんなに安く飛べるけど、うまく使わないとどこで余計な出費を強いられるかわからない。考えてみたらRyanairこそ旅慣れた人向けの玄人向け航空会社といえる気がする。


で、話は戻る。玄人の私(注:当社基準による)は最後の最後にヒコーキに乗り、後ろの誰も使っていない6列のうちの1席にいちおう客室乗務員さんに断って座る。アホみたい。こんなに座席が空いてるのに中央席も含めて一箇所に固まって。なんかさあ、以前に「ヒコーキの重心のため」とかいう理由で座席変えられたことあったけど、これ見たらそんなのデタラメだと確信を持って言えるわ。このヒコーキ、中央にしか人がいないぞ…あ、それならバランスは取れるのか。知らんけど。

(Ryanairのカップはオ力モトもびっくりのうすうす。べこべこ。重量も軽くなるし、製造コストも多分安いしいいコトずくめ…航空会社にとっては。)


そう、Ryanairの空いている便は最後に乗るのがお勧め。…あ、混んでいた場合荷物の置き場所がなくなったりとかする可能性があるし、客室乗務員さんの虫の居所が悪かったりしたら断られたりする可能性もあるかも知れんから…どーなっても知らんよ。とりあえず今回は前後左右数列にわたって誰もいない。シートピッチは最悪だけど…それでも悪くないわ。


出発は客が少ないこともあってか定刻よりも10分ほど早かった。

(ワインのボトルももちろんうすうす。べこべこ。実に環境にことを考えた素晴らしい会社です=ボーヨミ)


昼下がりで腹が減っていたので、普段なら絶対に見向きもしない機内販売についつい手を出してしまう。誰も買ってなかったサンドイッチと白ワインを買い、Ryanairの売り上げに貢献する。あわせて12ユーロなり。1700円も出せば、日本のファミレスだったらセットにドリンクバーまでいけちゃう…よ…ね。まあ、ここでRyanairの売上に貢献したことは間違いない。


まあ、ドイツ人がケチなのか、そーゆー時間帯なのか定かではないが、食べ物を含めものがまったく売れてない(まあ、乗ってたのはドイツ人だけじゃないと思うけどね)。化粧品などの機内販売、たまに調子に乗ったアイルランド人のヨッパーが買っているスクラッチカード式の宝くじなど…まったく売れてない。


1時間半のフライトののち、ダブリンには定刻よりも20分も早く到着。着陸後鳴り響くファンファーレ。「今日もまたRyanairは定刻で到着しましたぁ」と。…いつもながらアホかい。


ダブリン空港の100番台の搭乗口は搭乗橋さえ設置されていないほぼRyanair専用状態。到着口まで果てしない距離を歩く羽目になる。そこから入国審査を経て出口へ。…色眼鏡なしで正直に言うと、今回の搭乗、なんの問題もないばかりか、狭い座席ながら前後左右に誰もおらず、挙句に定刻より20分も早く到着するなど文句のつけようのないものだった。


実際、何も起こらなければ、Ryanairは決して悪くないのだ。だけど、たとえば荷物が多かったりとか、ヒコーキが遅れたりとか何らかの事態が起きるとその瞬間にひどいことになるんだよねえ。以上、Ryanairの搭乗記でした。