【更新強化月間】ドイツ住民の義務、自転車を買う

ドイツに住むにあたって、住民の義務として買わなければならないものがありました。


自転車。


例によって冗談の通じない人のために書いておくと別にドイツに住むからって自転車を買う義務なんてありませんよ。だけどさ、なんか知らんけど、みんな持ってるのよ。というわけで、私も買うことに。考えてみると、住むにあたって、自転車の購入は優先順位はかなり低い方なんですけどね。


で、まあ3月の半ばにRealというドイツのアイルランドで言えばテスコ、日本で言ったらモールのないジャスコ(ってもう言わないのか)みたいなスーパーの広告見てたら出てるのよ、マウンテンバイクが。日本みたいに9,800円とは言わないけど、それに近い金額で。よしと、買いに行きましたよ。木曜日に。


Real(リアルじゃなくてレアルと読みます。そんなサッカーチームなかったっけ)、基本的にあんまり好きじゃありません。そもそもが日本のイナカでイオンモールに行く感覚で、うちから最寄り店まで30キロも離れてます。Cさんは大きすぎて好きじゃないというし(私に言わせるとテスコ、大きめのジャスコの大きさです。全然大したことはありません)、私は私で店員さんが全然幸せそうに見えないのが好きじゃないんです。


いい店って、店員さんが幸せそうに働いてる気がするんですよね。日本だったら、まあ、みんな営業スマイルを身につけてるからさほど感じないかもしれないけど、アイルランドやドイツではけっこう簡単に店員さんの気分を読むことができる(気がする)。私の見立てではRealで働く人は幸せそうには見えない。そうなると、お客として店に行っても、なんかあんまりいい気分じゃないのよね。


かくして、うちから30キロも離れたReal、行きましたよ。木曜日に。自転車売場に行って、ようやく見つけた店員さんに話しかけてみると…


店員:「え?広告の自転車?もうないよー」


あら。


日本の常識ってどうでしたっけ。先着XX様限りとか数量制限がある場合はともかく、数量制限がなくて、かつ、広告の有効期限内だった場合、どーゆー対応するんでしたっけ?私がバイトをしていた某店、取り寄せをしたようなしなかったような…。ドイツはRealの場合月曜日から土曜日まで広告は有効でして…


店員:「ご注文されます?2週間で届きますよ」
私:「ええっと、注文して、気に入らなかったらどーなるんですか?」
店員:「気に入らなかったら、購入されなくて結構です。まずはご覧になって決めてください」


…そうですか。んじゃ、とりあえず注文してみますか。


2週間後…全然連絡がない。こっちから電話してみると…


店員:「まだ入荷してませんっ」


…あんたが2週間って言ったのに。どーもアイルランドがいい加減王国だってこのホムペで10年以上にわたり言い続けてきたけど、ドイツだって同じくらいすっとこどっこいな気がしてきた。


さらに2週間後、私がダブリンに出張中に電話がかかり、ようやく自転車が届いたらしい。行ってみよう。


サービスカウンターに向かうべきらしかったのだが、まずは自転車売場へ。あった。同じ自転車。再入荷したらしい。広告の品ではないので値段が70ユーロも上がっている。


自転車をしげしげと見てみる。あ、これ、いい。


何がいいか上の写真じゃわからないですよね。はい解説。ヨーロッパで自転車を買うと(別に借りても同じだけど)、日本人にとっては馴染みの薄いことがあるんです。ブレーキ。つまり、後輪のブレーキがさ、左手のハンドル部分にあるんじゃなくて、ペダルの動きを止めることで作動させるの。これ、知らない人にはなんとも説明しづらいんだけど、ペダルをね、軽く逆回転させるとブレーキが作動するのよねん。慣れないと難しいし、何より効きが甘い気がする。


このパターンじゃない場合、後輪のブレーキは前輪と同じタイプ、つまり、フレームを締め付けてブレーキをかけるやつね(ブレーキシューとか言うらしいけど)。全後輪ともこのタイプだと、雨の日とかフレームが濡れていると恐ろしくブレーキが効かないのよ。運転したことはないけど、列車って、雨の日ってものすごく制動距離伸びるんでしょ?おそらく理屈では同じことだと思う。とにかく怖くて乗りたくない。


それに対してこの自転車、なんと、全後輪ともディスクブレーキ(日本の自転車の後輪についてるやつね)。これはすごい。これなら私にも乗れそうだ。よし、買おう。というわけで、サービスカウンターへ。サービスカウンターの店員さん…


店員;「少々お待ちください」


数分後、別のおばちゃんの店員さんが自転車を押してきた。


店員:「いかがですか」
私:「いいと思います」
店員:「ではお会計を。ペダルをつける際は左右を間違えないように気をつけてくださいね」


…店員さん、行っちゃった。


長くなったので続く。