ノートパソの上にビールをこぼすのはまずいと思う…。

男子寮の夕方。私はご飯を作り、ひでかすはダイニングテーブルで人のノートパソコンを使い何やらネットを見ている模様。平和。


ところが、その平和はひでかすの一言で破られた。


「あーマジごめん」


…なにかと思ってみると、ひでかす、人のノートパソコンのキーボードにビールをぶちまけやがった。


バーカと思いつつ、私は構わず料理を作り続ける。ひでかすは驚くほどの早業でノートパソコンを裏返しにする。あー、なるほど、そうすれば地球に引力がある以上ビールはノートパソコンの本体には行かなくなる。


とりあえず、料理の手を休めて現場検証(この時点で日記のネタにしようとか思ってなかったので写真は撮ってません)。


ふむ、どうもノートパソコンのすぐ脇においてあった開けたばかりの缶ビールをノートパソコンに向けて倒したらしい(マヌケだ)。量は、なんと言えばいいか、ほら、ビールの最初のぐびっていう一口の量。大した量じゃない。ひでかす曰く、「お前のノートパソコンなんて、めったに使わないのに、なんで今日に限ってビールを隣に置いているんだ」…って、人生そんなもんです。残念ながら。


ひでかすは、とりあえず内部まで水が浸透してはまずいと、今度はリビングのPCでようつべに行き、キーボードの外し方を調べて、さっさとキーボードを本体から外してしまった。動きがおどろくほど素早い。へえ、ノートパソコンのキーボードって、案外簡単に外れるんだね(…とアイチー土方の私が感心する。…って、あれ、そう言えば、未だにキーボードの水濡れ事故の経験はなかったわ)。


開けてみると、さっとノートパソコンを逆さまにしてビールの浸透を防いだおかげか、内部にまでビールが浸透した形跡はない。それでもひでかすは乾かすといい、ドライヤーまで持ちだして、必死に乾かそうとしてる。


ひでかす:「(´・ω・`)ショボーン」
私:「ごはんだよ~」


というわけで、翌日。


再び私がご飯を作っていると、ひでかすがそろそろ乾いた頃と、ノートパソコンの電源を入れる。問題なく入る。


ひでかす:「ノートパソコンのパスワード入れて」


はいよ。…って、をい、キーボードの2列目は反応しないし、3列目を触るとビープ音がするぞ…これ、壊れてね?


ひでかす:「(´・ω・`)ショボーン」
私:「ごはんだよ~」


正直なところ意外だった。確かにキーボードはうっすらとビール臭かったが、そもそもぶちまけたビールの量は大したことなかったし、ひでかすの初動対応も適宜だったのでまさかキーボードが逝ってしまっているというのはにわかには信じられなかった。もっと言っちゃえば、前に炭酸水のボトルが吹き出して同じくらい濡れたことあったしね(しかもその時は私はそれ自体を「なかったこと」にして素知らぬ顔を決め込んだ)。


ひでかすはこの程度では諦めない。何やらプラスチックの容器を持ってきてお湯を沸かし始める。何をするかと聞けば…


ひでかす:「キーボードを洗う」
…なんですと?


また、ひでかすはシロートが思いつかないようなことをいう(注:私の職業はアイチー土方)。で、お風呂くらいの温度のお湯にひでかすはキーボードを漬けて揺らし始めた。おおおおお、みるみるキーボードの間に入り込んでいたゴミなどが浮かんでくる。

(やや閲覧注意な洗ったキーボードの隙間化が出てきたゴミや埃)


数分後、キーボードは見違えるほどきれいになった。…ただし、びしょびしょに濡れていたが。ひでかすはドライヤーを使ってキーボードを乾かし始める。


さらに翌日。私が夕飯を作っていると、ひでかすが、そろそろキーボードも乾いただろうと、本体にキーボードを取り付けて、私にパスワードを入れるように言う。…結果は同じ。つまり、おそらくキーボードはビールをこぼした瞬間にお亡くなりになったと思われる。


ひでかす:「(´・ω・`)ショボーン」
私:「ごはんだよ~」


それでもひでかすは諦めなかった(ある意味、その根性は買ってもいいかも)。まずは、外付けのキーボードで動作確認。問題なく動作する。つまり、壊れているのは濡らした(そして洗った)ノートパソコンのキーボードだけで、ノートパソコンそのものは無事だと判断される。


かくして、今度はeBayに行き、キーボードの部品を見つけてくる。キーボードって思いがけず安かった。送料込みで2000円程度でキーボードを見つけてくる。ひでかすはポチる(購入ボタンを押す)。


数日後。キーボードは届いた。


私が夕飯を作っていると、ひでかすはキーボードを取りつけ、私にパスワードを入れるように言う。


今度は…あら、動いた。


というわけで、i7 vPro搭載のノートパソコンは無事に復活しましたとさ。


教訓:ノートパソコンの近くでビールを飲むのはやめましょう。