情景(1):某月某日デュッセルドルフ空港駅のカウンターにて。
私:「XXX駅までの片道切符ください」
係:「え?どこですって?」
うーん。気持ちはわかる。デュッセルドルフから軽く300キロ離れたイナカの無人駅の名前を知っていろってほうが無理がある。ましてや、空港駅でガイジンが言う駅名じゃあねえよな。係氏、紙を出してきたので、そこに駅名を書く。
係:「XXX駅ね。はあはあ。ICE(新幹線)はご利用になりますか?」
私:「使います。一番早い方法で」
情景(2)某月某日。会社の受付嬢(の代役)
朝イチでヘルプデスク宛にメールが来る。
受付:「電話が壊れた。相手に私の声が聞こえない。受付の仕事にならない」
はいはいはい。どーせくだらないことだんべと思いつつ受付へ。案の定「ヘッドセットボタン」が押されていて、通常の受話器では通話できない状態になっている。
私:「ほら、ここのヘッドフォンのマークが書かれたボタン押してあるでしょ。これ押すとヘッドホンなしじゃ通話できなくなるんだよね。これを消すと通常通り受話器で会話できるよ」
係:「助かった。ありがとう」
情景(3):某月某日再びデュッセルドルフ空港駅のカウンターにて。
情景(1)の数ヵ月後、再びデュッセルドルフ空港駅のカウンターへ。カウンターへ前回と同じ男性の職員。
私:「XXX駅までの片道切符ください」
係:「XXX駅ですね。新幹線はご利用になりますか?」
係氏、なんとなんと、デュッセルドルフから300キロも離れた無人駅の名前を覚えていた!
これには私もたまげました(某地方の方言で「びっくりした」の意味)。この係氏には実に優秀な学習機能がついていると言わざるを得ない。賭けてもいいけどこの数ヶ月のうちで私以外にこの駅名を口にした人はいなかったにちがいない。だけど、この係氏はちゃーんと一度しか聞いていない駅名を覚えていた。これこそまさにプロの仕事だあ。
情景(4)某月某日。会社の受付嬢(の代役)
情景(2)の数週間後、朝イチでヘルプデスク宛にメールが来る。
受付:「電話が壊れた。相手に私の声が聞こえない。受付の仕事にならない」
まさか…と思って言ってみるとそのまさか。前回と同じ状況。つまり「ヘッドセットボタン」が押されていて、通常の受話器では通話できない状態になっている。
私:「ほら、ここのヘッドフォンのマークが書かれたボタン押してあるでしょ。これ押すとヘッドホンなしじゃ通話できなくなるんだよね。これを消すと通常通り受話器で会話できるよ…ってかさ、数週間前にまったく同じ会話をしなかったっけ?」
受付:「え?そうだっけ?」
あのー、うちの会社の社長さん、読んでないと思うけど(読んでたらそれはそれで困るが)、受付は会社の顔ですよ。こんな学習機能のない人を仮に代役でも受付に置いていていいんですかね?
自戒を込めて書きますが、同じことを聞く人、同じ間違いをする人はアホとみなされることが多いと思います。気をつけたいもんです。