夕飯は鯖の味噌煮でした。
最近鯖ブームなんですよ。なんてったって安い。なんか知らんけどアイルランドってはるか日本にまで魚を輸出してるくせに自国のスーパーで買おうとすると高いのね。魚コーナーも貧相だし。そんな中で鯖は他に比べると一切れ1.5ユーロとかで買えてお買い得。竜田揚げにしても美味しいし、煮付けにしてもいいし。かくして、朝食のハムなどと一緒に土曜日の朝鯖を買う。
…とまあ、ここまでなら日記のネタになどならなかった。
夕飯の支度を始める。鯖の霜降りのためお湯を沸かしつつ氷水を用意して、ああ、そうだ生姜の皮をむかなくちゃ。ここで頭の悪い私は皮むき器でその作業をする。最後の最後で左手の人差し指の皮も一緒にむく。
流血事件発生。
前にもやったことがあるので(同じ間違いをする人を莫迦というらしいですね)慌てず焦らず絆創膏を貼る。が、血が止まらない。ティッシュがどんどん血に染まる。
30分ほど待つが止まる気配なし。諦めた私はひもで指を縛り(止血のつもり)ひでかすに料理の代打を頼む。で、食事が終わり指を切ってかれこれ2時間近く経つのに血が止まらない。
ひでかす:「医者行って来い」
…と車の鍵を渡してくれた(ちなみにひでかすが運転したらもはや飲酒運転だった)。私はこんなもんそのうち治ると思っていたが、確かに2時間経っても止血しないので諦めて医者に。
アイルランドの医療事情の悪さは正直途上国並だと思う。病院の救急部にこの程度の怪我で行ったら下手したら7-8時間待たされそうだし、観てもらえたらまだ運がいいほうで、下手したら追い返される。そんな思いがあったから最初から医者に行くというのは私の選択肢にはなかったのだが、vhi(これを説明し始めると長いので割愛するけど、よーするに保険会社)のSwiftcareというのがあって、そこは午前8時から午後10時の間なら待ち時間1時間以内で観てくれるらしいのだ。
Dundrumのvhi Swiftcare。LUASの(Dundrum駅ではなく)Balally駅前にあることは知っていたのだが、行って初めて気がついた。駐車場がない。路上駐車も考えたが、駐車禁止なのでおとなしくショッピングセンターに停める。
(ここ。ほかの病院がやたらと目についてvhi Swiftcareが目立たない)
流血しながらショッピングセンターの駐車場から徒歩で Swiftcareへ。受付を済ませると待合室で待つように言われる。長丁場になることを覚悟で待合室を見渡すとコーヒーの自動販売機がある。無料。コーヒーのボタンを押していると、私の名を呼ぶ声がする。…え?待ち時間実質0ですか?
看護師さんに言われるまま診察室へ。このやりかたは他の救急病院と同じ。まずは看護師さんにより問診を受け緊急の具合を聞かれる。あの修羅場でのトリアージというやつです。救急病院なら、必要ならすぐに医師の診察が受けられるし、私のようなどうでもいいような場合は永遠に待たされるわけ。
看護師さん:「どうしました?」
私:「皮むき器で自分の皮をむきました」
看護師さん:「そのティッシュ、取ってみて」
吹き出す血。
私:「この絆創膏も取りますか?」
看護師さん:「いや、それはいいや。ところで、その(止血している)紐、どれくらい結んでる?」
私:「かれこれ2時間くらいでしょうか」
看護師さん:「ダメ。そんなふうに止血していいのは15分まで(だそうです)。壊死するよ。今すぐ外して」
「医療廃棄物」と書かれたゴミ箱に血まみれの絆創膏とティッシュを廃棄。
看護師さん:「それでは先生に見てもらうのでこちらにどうぞ」
と待合室に戻されることなく別の診察室へ。
看護師さん:「ここに先生が来るまで指を浸けておいてね」
(こんな写真を撮る余裕があるんだからどれくらい深刻かは推して知るべし)
…と、液体の入ったトレイを目の前に置かれる。さしものアイルランドでもこれは水道水じゃなかったと思う。透明だった液体が見る間に赤くなり、挙句に溢れだす。…おーい、止血できてないぞ。
先生は程なくやってきた。推定インドかパキスタン人の先生。
先生:「うーん。縫うものもないから(肉はそぎ落としている)もう止血するしかないねえ。看護師に止血してもらいましょう」
私:「ですよねー。できることは限られてますよねー」
数分後、別の看護師さん登場。
雑談しているうちにあれよあれよといううちにこうなった。
ちょっとこれは大げさがすぎませんか?
かくして、この日記は右手だけで打ってます。日頃の倍どころか5倍くらい時間がかかってます。
さて、お会計。
vhiの会員でない場合、初診は125ユーロ。そう、これだけのことでざっと1万5000円が飛んでいきます。幸い、vhiの会員でオプション(特約)も付帯している私(毎月けっこうな掛け金払ってます)、出費は初診50ユーロ、包帯5ユーロで済む(日本的にはそれでも高いけどさ)。
…ってかさ、受付で住所と名前聞かれたけど本人確認はなし。その気になれば誰かへのなりすましも十分可能(犯罪です。たぶん)。実際領収書に印刷された私の名前、打ち間違ってたし。このへんのゆるさが良くも悪くもアイルランド。
帰り道で思った。
よかったー。オートマ車で。
おお、我らがSnigel師の指が・・・。これで「指差し」増刷は絶望的か?
私は女友達とパブに飲みに行き、小腹がすいたので彼女の家で「鯖の燻製」(そちらのDunnes storeにあるやつと同じと思われます)と銀シャリでこれを満たそうということになり、自転車で帰路についたのです。途中雨が強くなり始め、彼女は速度をあげました。丁字路で急ブレーキ、そして派手に転倒。近くに住む親切な人の運転ですぐ病院へ。行きがかり上私も付き添いで同乗。これが午後九時半頃。幸い打撲だけで済み、彼女が治療を終えたのがほぼ午前零時。治療費はタダです。タクシーで帰宅したのが零時半。
教訓 アイルランドとスコットランドでは土曜の鯖は避けるべし。
誰がうまいこと言えとw
NHSの悲惨さは想像を絶するらしいですね。なので、2時間ちょいで家に帰れたというのはかなりいいほうではないでしょうか。それにしてもすごい偶然ですな(汗
ありゃー痛そう~かなり深く入っちゃったね
お大事にするのだよ。
ゲームなんてしてたら、また血噴出すよ(´д`ι)
いらさいませ。
入ったんじゃなくて削ったんですw
うわー 痛そう ><
先日私もアイルランド病院デビューしましたが
(理由は御存じのハズです。最初はGPでいいか、と思ったのですが、現地社員に病院の緊急外来のほうがいい、と言われて・・・)
待ち時間 3時間、治療3分、料金100ユーロ。
でも最近の日本もこんなもんじゃないかと思います。
私もSwift Clinicのことをお知らせしようと思ったのですが、24時間じゃないので言ってませんでした。まあ、待ち時間はともかく大事に至らなかったようで幸いです。Swift Clinicがあるだけ、ダブリンは恵まれているのかもしれませんねー
私の友人は、サッカーのゴールキーパーやってて、シュートを止めたら、左手親指の付け根が物凄い腫れて、奥さんに病院行けだの息子に病院行けだの言われてましたが、上記理由(時間かかった上に高い)の為に、数日先延ばし、マニュアル車を運転してました。(職業はタクシー・バスドライバー兼ツアーガイド)
そして、病院行ったらどうやら折れていたらしく、その日のうちに手術をするはずが、先生がいないという理由で追い返され、次の日に手術。
次に診察を受けたときに看護士がギプスだか添え木だかのやり方を間違えていたらしく、先生激怒、そして治療が伸びる羽目に…
という事がありました。おいおい、ギプスのやり方間違えて、指の向かせる方向間違えたって、医療ミスじゃねぇかよ!!
と思ったんですが、本人はさも『アイルランドじゃよくあることだから』みたいないい方してました。今は変な後遺症もなく普通に動かせてますが、もしかしてあと一歩で後遺症的な骨のつき方してたんじゃ・・・
と思うと怖いものがありますねぇ・・・。
骨折を放置するということ自体日本人の私には理解できない世界です。
私の包帯変えるときも「これ誰が巻いたの。下手ね」と看護師さん言ってました。あんたの同僚の仕業ですってば。
あららららら・・・・・・・(・_・)。
本当にお大事に。
ちなみにウチにも国保の納付書が来ました。月20000円はニートな自分にはつらいです(>_<)。
2まんえん@@
年間24万円ですか。年十数万の掛け金をクソ高いと思っていた自分を反省します。