【四夜連続料理企画2】バレンタインデーの挑戦

2013年2月14日
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本日は２月14日でした。言わずと知れたバレンタインデー。ふと我が半生を振り返ると、三十余年の人生で、義理を含めてチョコレートをもらった覚えがない。いや、正直に白状すれば、小学校の時、チョコレートを貰わない孫を不憫に思ったうちのばーさんが、スーパーで、「どれか一つチョコを買っておいで」と言ってくれて、グリコのアーモンドチョコを買ってもらった覚えがあるのだが…これ、カウント外…ですよね。


私に人間として、あるいは男として外面あるいは内面（ヘタすると両方）に致命的な問題があるのだろう…まあ、自覚症状はないが…とにかく、チョコレートをもらったことがない。それは私が非モテ系ダメ人間であるという事実を冷酷に告げてくれているわけですが。


もうかれこれ10年以上アイルランドに住んでいて、こっちでは、日本みたいなバレンタインデーじゃないのよね。よく言われることだけど、日本のバレンタインデーはチョコレート会社の陰謀だと思う。


だけど、これだけは言っておきたい。チョコレート会社の陰謀だろうとなんだろうと、もしさ、私が日本にいる間に、たったひとりでもなんか美的感覚または物の考え方がずれている女の子がいて、私にたったひとつでもチョコレートをくれていれば、私の人生、少しは違ったものになっていたと思う。


まあ、今となっては詮なきことながら、一度でいいから本命チョコ、女の子からもらってみたかった。そのあと学校からの帰りに、女の子と手をつないで帰ってみたかった。日本での20余年。そんな甘い思い出がただの一つもないというのはあまりに寂しい。


かくして、当然のように今年もバレンタインデーは何も起こらずに終了。今年は悟ってしまったよ。「そうだ、待っていたらダメなんだ」って。そこで私はスーパーへ向かった。


もらえぬなら　自作してしまえ　ガトーショコラ
（全部字余り）


哀しいです。涙なしでは語れません。ついに30数年待ち続けて、諦めて自作することになりました。絶対どこか大切な所で人生を大きく間違えたとしか思えませんが、涙をこらえて作ります。私から私へ。愛のガトーショコラ。以下推奨BGMは、Ellisの「きっと、せつない」


レシピはクックパッドから拾ってきた。で、１万キロ離れた日本からまっきーが助言をくれた。


「イメトレしないとだめだよ」って。


師匠が言うなら間違いないでしょう。




というわけで、「バレンタインは愛情いっぱいの手作りチョコレートに挑戦しませんか？」というなぜか私の涙を誘うナレーションで始まる、某番組からの切り取りの動画を参照にする。


チョコレート。上の番組内ではカカオは55-60%くらいがいいと言っているが、私が買ってきたのは81％…高ければいいってわけじゃないんだろうなあ。すでに失敗してる。ちょうどいいや、クリスマスの残りのチョコ、混ぜちゃえ。これで、カカオの含有量も減るだろうし。


ゆせん。ゆせん。湯煎。


バター投入。なんだこれ、バターにチョコレートの塊じゃないか。これ。なんだよ、日本の女性はこんなもんを食わせて自分の大事な人を太らせようとしているのか。


卵黄に砂糖を投入。まぜまぜ。…って、バターにチョコレートで破壊力十分なのに、ここで砂糖を足すのか。


メレンゲー。うん。角も立った。ここにも砂糖が…。


まっきー工房の篩を使ってカカオなどの粉投入。


それを卵黄と砂糖に投入。逆のほうが正しかったらしいが…まあ、いいだろ。


なんかできたぞ。


余ったのは、カップケーキの型に入れてオーブンへ。


途中であみちゃカレー（うちではそう呼ばれているが一般的には「焼きカレー」）もついでに入れる。匂いが移ると最悪なので、耐熱容器で厳重に蓋をする。


できた…が、紙はもっと短くしないとダメね（ちょっと考えれば分かりそうなもんだが）。反省。


完成。


なんだろう。この出来損ない感は…。なんか膨らみが足りないし、美味しさのしるしの割れもない気がするけど…でも、爪楊枝挿したらちょうどなにも爪楊枝についてこない絶妙のタイミングで出したつもりなのだが。あ、30分とレシピにはあったけど、男子寮のオーブンは力が弱いらしく45分かかった（30分の時点では爪楊枝にたっぷりチョコがついてきている状態だった）。


本日星の評価はございません。理由は簡単。まだ食べてないから。あみちゃカレーでお腹いっぱいだし、しかも、よく冷まして翌日食べるほうが美味しいらしいし。


ケーキ作りをされる方、是非改善点をご教授ください。ふと思うと、このブログの読者さんの中には本物のフレンチのシェフさんとかいらっしゃるんだよな。もし読まれていたら、今ごろ頭を抱えられているのではないだろうか。こうして、今年のバレンタインデーは二度と戻れない川を渡ってしまった。


…あ、ラム酒代わりのウィスキーかけるの忘れてた…。