【続:なぜか上海8】水郷の週末「楓涇」(2)

さて、お昼の時間になった。なんか食べよう。


…という思いで町を歩いてみると


うまそうなものが


並んでいる。


こんなこと書いたら中国人の方に怒られそうなんだけど、私は完全にチキンだった。いや、日本のマスコミが悪いんだよ(と人のせいにする)。中国ではダンボールで肉まんを作るだの、下水道の排水から油を作るだの怖い話を喧伝するから。きっとそんな悪徳業者は一部の地域の一部の会社だけに違いない(と思いたい)のだが、なんかマスコミが作ったあのイメージがここを歩きながら頭の中にあったのは残念ながら事実。


そういう思いで見ると、万一おなか壊すと、行き着く先はさっき見かけたニーハオトイレというのはあまりに怖すぎる。うう。どうしよう。腹減った。


さてさて、どこまで信用できるかは謎ですが、上海のレストランの入り口にこんな表示がある「ことがある」んですよ。


「食品安全監督公示」


これを字面のとおり素直に理解したら、お役所の役人さんが、レストランの清潔度とかを総合的に評価して、ABCの3ランクで評価してるってことでしょ。Aランクのところは当然誇らしく表示するだろうし、Bもするかも。Cになったらきっと表示しないんじゃないかと勝手に理解。


この楓涇の町の中、この表示を持っているようなまともなレストランはほとんどなかった。そのほとんどが、屋台に毛が生えたようなやつばっかりで。そんななか見つけたのだ。


あった、Aランク。


ここだ。ここしかないっ。


「あんた莫迦じゃないの、そんな表示買収でもされてるかもしれないじゃないの」と画面の向こうで嗤われている方もいるようですが、でも、そんなこと言い出したらきりがないし、それに、このレストランがこの町でいちばん立派な門構えだったことも事実。


中は…中国式の真ん中に回転台がついているおおきな円卓をはじめとした4人がけ以上の大きなテーブルがいっぱい。ってかみた限り満席で繁盛してる。…ちょっと待てや、この大きなテーブル独り占めはありえないなと思いつつ、お一人様であることを告げると、別室に案内される。


…ちょっと、ここ、まかない部屋ですか。


なにこの椅子。


でさあ、よく見ると、食器も「殺菌済みですよ」といわんばかりにビニールにくるまれているが


お箸が後家になっている怪。


そんなこんなで、メニューと格闘して頼んだものは


焼き豚とチャーハン


…のつもりだったのだが、焼き豚、予測に反して冷たい。量は「もうええわ」ってくらいたくさんあったけどね。


見ての通り、中華料理ってさ、大人数で行って、あっちのお皿を一口つまんで、こっちのスープを飲んで…ってやるのが正しい食べ方で、お一人様で、ふた皿ばかし頼んだって楽しいもんじゃないんだよね。このシリーズ中、私は日本食ばかり食べてたけど、実はこれが最大の理由だったりする。


おまけ。名物らしいけど、いろんな意味で手を出せなかった「臭豆腐」。あまり多くは語るまい。