土曜日。朝、カーテンを開き愕然とする。
天気がいい。
いや、そこ喜ぶところだろうとお考えの方もらっしゃると思いますが、そうじゃない。ネットで見た天気予報によると、上海の週末の天気は台風の影響か雨。さもなければ、週末の貴重な休みを有意義に使うためにも日帰りツアーにでも申し込もうかとか一瞬考えていたわけ。もっとも値段とかみて二の足踏んでたんだけどさ(←日帰りツアー一万円程度を高いと思う貧乏人)。
これはいかん。どげんかせんといかん。
というわけで、慌ててネットで検索をかける泥縄の私。人生の縮図そのもの。
私の愛用の検索エンジンは人並みですがGoogle。ブラウザのホーム設定はGoogleだし、指が勝手に覚えているんですよね。だけど、Googleは中国に嫌われているので(過去にいろいろけんかしている)よくGoogle検索が遮断される。頭きますよ、なんかさ、中国当局のためにならないことを検索したとか言うならともかく、中国を観光してお金を落とそうと考えているのにその検索を遮断されたら。
そんな逆境の中(って逆境は大げさか)みつけたのはここだあ。
朱家角。
よーするに、水郷らしい。
なんか知らんが、行けばわかる。れっつらゴー。
と、まともに調べもしないまま出かける私。この行き当たりばったりな性格は治らない。
向かったのは地下鉄2号線の終着駅徐涇東という駅。ここからローカルバスが出ているらしい。
朱家角に向かう人たち、よい(お金持ちの)観光客は観光バスで向かう。普通の観光客は上海体育館から出ているらしい観光客用の直行の急行バスを使う。そして、ごく一部の悪い観光客(別称ヘンタイ)はこのやたらと時間のかかるローカルバスを使う。
当然観光バスはお金は使うが苦労はしない。ぼーっとバスに乗っていれば目的地について、無駄なく案内され、あわよくばご飯にまでありつける。ローカルバスの場合、地下鉄まで入れても100円程度で目的地に着くのだが、もちろん案内も何もないから自力でたどり着かなければならない。
さて、ヘンタイ(私)は徐涇東とかいう駅に到着。駅になんとなく「公共交通はこっち」と書いてあった気がしたので3番出口へ。
はにゃ?
すでに迷子。
だってさあ、私の甘いバラ色の未来予想図では出口を出た瞬間に目の前にバス停があってそこに「朱家角行きバス」って大書きしてあって、そのバスに乗れば朱家角に着く…はずなんだけど、もちろん世の中そんなに甘くない。少なくとも中国は甘くない。
なんとなくみんなが歩いていく方向に進むと、おお、駅からさあ300メートルくらい進んだところに確かにあった。バスターミナル。
乗り場が6つあって迷ったが、3番乗り場、徐朱線というのが正解らしい。東京と八王子を結んだら京王線…という同じノリで、バスに名前がついてるようだ。徐涇東と朱家角で徐朱線。ああ、実に安易。とはいえ、漢字文化圏から来ている身としてはこの安易さがありがたいのも事実。
バスは程なくやってきた。…ってか、バスをバス停につけた大橋巨泉のような運転手さん降りてどっかいっちゃった。構わず乗り始める人たち。私もバスに乗って最前列の席に陣取る。エンジンはつけっぱで冷房が効いている。地球温暖化とかアイドリングストップとか燃油価格高騰とかそんな言葉はここには存在しないらしい。
さあ10分か15分経ったろうか。バスの中が程よく混んできたころ、運転手さんが戻ってきた。最後に学生風情の制服姿の男性が乗ってきてバスは出発。
学生風情の男性が私の席にやってきた。なんか中学校の美術の時間に使ったような木製の画板みたいなやつに乗車券をいっぱいくっつけてる…ってええ?この人車掌さんなんだ。
上海カード(パスモみたいなもん)で支払ったのでいくらかは正確には知らんが、運賃は5-60円だと思われる。朱家角と書いた紙を見せただけ。ああ、便利な便利な漢字文化圏。
上海の郊外をのんびりとバスは進んでいく…といいたいところだが、およそのんびりではない。というのも交通のマナーがもうめちゃくちゃ。低速のトラックとかがいたらバスがおかまいなしに追い越しをかけるのだ。橋の手前で対向車線が見通せない状態でエンジンが大きな音を立てつつ、クラクションで威嚇しながら追い越したりとかもうめちゃくちゃ。
途中で比較的大きな郊外の街に着いた。
…あれ、見慣れたトラックが。中国にも進出してるんですね。
街中のバス停。車掌さんがバスから降りてどこかに行ってしまった。乗務員の交代かな。…と思ったが、待てど暮らせど戻ってこない。7-8分経ったろうか、車掌さん戻ってきましたよ。二人分のお弁当が入ったビニール袋持って。
(ビニール袋に注目。中はお弁当)
仕事中に弁当を買いに行くな!(特に運行中に)
かくして、1時間ちょいで朱家角に到着。いや、正確には朱家角かどうかは知らん。どっかしらバスターミナルに着いた次第。
…長くなったので続く。
適当な国民性が出てますね(笑)
ネタとしては楽しそうですが、乗りたくないと思いまスた(苦笑)
しかし、日本人はわかるでしょうが、英語圏からきた人達は、絶対にわからないバス乗り場。Snigelさんと同じ、怖いもの見たさ的な感覚でローカルバスに乗った英語圏やその他の言語圏の人って、こういうの見てどうするんですかね?
諦めてきた道戻るんでしょうか?(笑)
いやはや、ホントに漢字圏の人間でよかったと思いました。このバスに明らかな観光客はただの一人も乗ってませんでした。だから楽しかったですよ。