【ドバイ出張記27】Deep Sh1t Cruising (1)

最終日。金曜日。この日はダブリンに戻る日…なんですけど、ヒコーキは日付が変わって土曜日の深夜1時過ぎに出発予定。なので、24時間も時間がある。


実は、前日の夕方、フロントにチェックアウトの時間を聞きにいったのだ。そしたら、客室の総責任者が偶然そこにいて…


責任者:「Snigelさん、明日いよいよチェックアウトなんですか」
私:「そうなんですよ。大変にお世話になりました。それで、もしお差支えがなければ、チェックアウト後、ヒコーキの出発時刻まで荷物を預かってくださると助かるのですが」
責任者:「ヒコーキの出発時刻は何時ですか?」
私:「日付が変わって午前1時過ぎなんですよ」
責任者:「あー、それでしたら、それまでチェックアウトの時刻延ばしても構いませんよ」


…と、まあ、ありがたいことにチェックアウトの時刻を10時間も遅らせてくれる。常識で考えれば、一泊分の利用料金を請求されるべきところなのだが。


この客室責任者さん、1階のレストランは混んでいるからと、上層階の常連専用のラウンジで朝食をとらせてくれる。


初めてこんな朝食を頼んでみる。ぱっと見、フツーのイングリッシュブレックファーストに見えるでしょ。何が違うって、実は、ベーコンも牛肉。そう、豚肉を避けてるのね。ビーフベーコンとやら、おいしかったです。


というわけで、軽く荷造りをして、金曜日の活動開始。


もう書いている本人も記憶のかなたに飛び去りつつありますが、ご記憶でしょうか。先週の金曜日に6 Emirates in a dayとかいうツアーに参加して、くされ運転手が止まるべきところをすっ飛ばして勝手に特急ツアーにするわ、昼飯代はちょろまかすわ、まあ、ひどいツアーだったんですわ。それで、怒り心頭に達して苦情の手紙を書いたの。昼食のちょろまかしについては、莫迦ですねー、あんな偽造レシートを作るもんだから、逆に動かぬ証拠を残してしまったわけ。


かくして、ツアー会社から、「すいませんでした。旅行代金の2割返金、または、次回のツアーに無償で招待いたします」というメールを受け取る。


さて、あなたなーらどーするー?


(1) 2わりへんきんをうけとる
(2) じかいつあーをむりょうにしてもらう
(3) むし


まあ無視するはないとして、返金か次回ツアー無料参加か悩むところではありませんか?私なりにいろいろ考えたの。このツアー会社ってね、船が本来の専門らしく、釣りツアーやクルージングツアーが本職らしい。む?クルージングツアー?もしかして、例のThe Palmも海から見ることができる?


そう、クルージングという言葉に心惹かれた私はやめとけばいいのに、この最終日にクルージングツアーに申し込んだのです。無料だったし。何より、前回のツアーは運悪くあのくされ運転手に出会ってしまっただけという可能性だってある。この会社は悪くない。…ま、これが吉と出るか凶と出るかはほんの数行後にわかります。


この日の朝はひたすらのんびり過ごし、午後1時過ぎに例のツアー会社のバスが迎えに来るというので、それを待つ。


電話が鳴る。ホテル前に着いたって。窓から確認するとなんか車が来てる。何か説明のしようのない違和感というか「何か」を感じながら外に出ると、その「何か」はすぐにわかった。


先週と同じバンと同じ運転手が待機している。


ないないない。絶対にありえないって。人が散々文句つけた同じ運転手を再び使うか?この会社にほんの少しでも配慮とか思慮とかあればこんなことはしないよね。


もちろん助手席に座る気になんかならないから、この日は後部座席へ。おかげさまで、このくされ運転手の後姿の撮影に成功。

(こんな感じで前の週も運転中ケータイで何か話し続けてた)


もう何度も話しているように、私が滞在しているホテルは入り江の反対側。他にもこのツアーに参加する人が数名いると思われるのだが、その人たちが泊まっているエリアに向けては車で30分近く走らねばならないのだ。


想像できます?車内の空気。もちろん向こうだって私が苦情を申し立てたことは知っているはず。こっちも話すことなど何もない。まあ、私の苦情でこの人が仕事を失った可能性はないということは確か。


例のThe Palmにある高級ホテルHotel Pacificからイギリス人の父子3名を拾い、更に、フランス人の母娘を乗せて、車はハーバーに到着。


ここで、このくされ運転手が爆弾発言をする。


今回のツアー代金は449AEDです。私までお支払いください。


…って、私の費用はそっち持ちじゃなかったの?


車から降りる段階になって、私に向かっても


くされ運転手:「はい、お金払ってね」


もう、このアホタレといろんな交渉をする気がない私は、とりあえずこのツアー会社に電話。


私:「私の担当者のCherylさん出して」
相手:「Cherylは私ですが」


…ところが、話がまったく通じてないのだ。


私:「あなた、Cherylさんじゃないの?」
相手:「弊社にCherylは二人おりますが」


…なんでこんな三ちゃん経営のようなくされツアー会社に同じ名前のやつが二人いるんだよ。


私:「とにかく、私からのメールの履歴見て。運転手にすぐ連絡して」


横からくされ運転手が…


運転手:「ちょっとー、まだですかー。もう船が出ますよー」


数分後、ようやく話がまとまり、運転手にも話が通じた模様。なんとかお金を払わずに済む。


で、ハーバーの浮島を進むと…


船。


…って、これ、釣り船…ですよね。私が申し込んだのは、釣りじゃなくて、クルージング…なんですけど。


私は、イギリス人の推定会社役員のお父さんに向かい


私:「あのー、大変につかぬことをお伺いしますが、そちらは釣りに申し込まれました?それともクルージングに申し込まれました?」
お父さん:「釣りですよ?」


…絶句。


再びケータイを取り出して、このもう救いようがない史上最低最悪のツアー会社に電話。…が、話がまったく通じない。出航時刻の遅れになることはなんとしても避けたかったので、そのまま出航。


長くなったので続く。