魔女の血の入ったバウムクーヘン


ぼーっとつぶやいたーを見ていたら飛び込んできたこんな大阪のドイツ総領事館のつぶやき。

なんですと?ヴェルニゲローデにバウムクーヘン専門店があるだと?

ヴェルニゲローデはうちから車で小一時間の距離。ヴェルニゲローデは俺様の庭のようなものだなどと主張するつもりはないけど、知っていてしかるべき場所なのに知らなかったとはいかがなものか。しかもちょっと前にバウムクーヘンを話のネタにしながら何たるざま。これは行かねば。

とりあえず、このカフェの存在を知らなかったことを恥じると同時に思ったこと。ちょっとあえてもう一度載せさせていただく。

写真を見て違和感…ないですか?私は…ある。

Wikipediaより拝借。(c)Gregor Rom)

街のシンボルはこのお城。

落ち着いた情感のある市中心部の様子。ここに…

これ?違和感しかありません。私が何言ってるかわからんという方、どこか歴史的美観地区にファーストフードなりコンビニなりが配慮なしに出店してる様子を想像してくだされ。変でしょ?

そもそも、バウムクーヘンってたぶん日本のほうがドイツより見かけると思う。過去記事にもある通り(切り取ってないまんまるの)ホールのバウムクーヘンってほとんど見たことがないと言っても過言ではない気がする。まあ、百聞は一見に如かず。行けばわかる。見ればわかる。行こまい行こまい。

実はこの前に別の場所に行ってたんだけどそれは長くなりそうなので次回に譲る。その前にも寄った場所があったので午後4時前という明らかにピーク時間を過ぎたカフェに到着。優秀なナビさんのおかげで迷わず着いたんだけど、着いてびっくり。ここ、何度も通ってた。というのも、ヴェルニゲローデ市内に行けるアウトバーンのインターは2か所なんだけど、そのうちのあまり使わない方のインターを使うとこのカフェの横を通過する。なので、何度かその妙ちくりんな建物は何度か目にしていたはずなのだ。

じゃあなんで今まで気にならなかったかというと、その立地。明らかに工業団地のような新しいエリア内にあり、こんなところにこんなものがあるというのが思いもよらなかったわけ。まあ、だからこそこの奇抜な建物が認められたんだろう。あとは、インターにつながる大通りからちょっと引っ込んだところにあり、気をつけて見ていないと気がつかない。ちなみに街の中心よりカフェ側にあるヴェルニゲローデ駅から歩くと3キロ超。40分もかかる。どう考えても遠い。

駐車場を見ると、フランクフルトだベルリンだと遠来の客が多い。まさかこのカフェのためだけに来たとは思えないけど、少なくともハルツ国立公園に来たらここも立ち寄りポイントにはなり得るのだろう。

こちら外観。総領事館の写真になぜ角度がついていたのかがよくわかる。正面から撮るとこの照明が邪魔するんだわ。しょうもないことに気がつきつつ中へ。

正直に言う。これは嫁も言っていたのだけど、奇抜な外観は明らかにMのマークのファーストフード店のように中に期待を感じさせないものだったけど、意外や意外、中は割と落ち着いた普通のカフェ。明らかに閑散時だったので、待つこともなく空いているテーブルに案内される。

メニューを見ると、おお、バウムクーヘンに…アイスもある。ホワイトチョコでコーティングされたバウムクーヘン…よし、これにしよう。

と思った私の目にとんでもないものが飛び込んできた。

Herzhaftes für „Zwischendurch”

Warmer, pikanter Baumkuchen mit „Hexenfleisch” (Schweinegeschnetzeltes) und „Hexenblut” 

5,40 €

(DeepLによる訳)”合間 “に食べられるボリューム満点のスナック

ヘクセンフライシュ(豚肉)とヘクセンブルート(魔女の血)を使った、温かくスパイシーなバウムクーヘン

は?

確かにドイツには甘くないパンケーキが存在する(過去記事へのリンクですがな)。なんだけど、甘くないバウムクーヘン、しかも豚肉?

ちなみにこのあたりは魔女が住んでいるらしいです。定番のお土産も魔女です。気になる人はこのあたりをご参考にされるといいでしょう(丸投げ)。

悩んだ。ここはネタを取るか、初志貫徹で食べたかったホワイトチョコでコーティングされたバウムクーヘンか。

注文後、頼んだものは嫁が花摘みに行ったほんの僅かな間に到着。おそらく混雑時間での客の回転とか考えてるんだろうなあ。それ以前に確かにバウムクーヘンはすでにできているんだから時間がかかりっこないというのも確かにある。そして何より混んでない。

だだーん。私が頼んだものをご覧ください。

ネタに走りましたか。そうですか。

嫁はバウムクーヘンにバニラアイスを乗っけたものを注文。ちなみに本来はチョコレートアイスが乗っかっているのがメニューにあった品なのですが、現在チョコレートを断っている嫁様はバニラアイスに変更。なぜかは下をご参照ください。

私の甘くないバウムクーヘンを嫁のと比較してもらえば一目瞭然ながら明らかに嫁のそれとは別の生地のバウムクーヘン。一言で言えば甘くない。何か緑色のものも入っているのでこれがなにか言い当てようと思ったが、この「魔女の血」なるしょっぱいソースが完全に味を支配しているのでこれがなにかわからなかった。量はあくまで「軽食」。お昼ごはんを食べてなかった私には全く足りなかった。

まあ一言でいえば、ご賢察のとおりですが私の知るバウムクーヘンとは似ても似つかぬものでした。ちなみに生ビールも注文できますので、甘党じゃない家族サービスのお父さんはこちらに逃げることができそうです。私はビールなど頼んでませんよ。ダメ絶対飲酒運転ですから。

 
 

もちろんお持ち帰り用のコーナーもあり(ここだけの利用も可能)ホワイトチョコの方はお持ち帰りという形で妥協しました。このホールのバウムクーヘンが€5.5-8.5とか(重さで計算)。ちなみにまだ食べてません。

こんなカットされた、どちらかといえばこちらのほうがドイツではよく見かけるやつも売ってました。
ちなみに賞味期限は4週間くらい先に設定されてたから日本へのお土産にもなりえます。「本場の」を強調して。

あれ?このラベル見覚えがある。

俺のバカアホマヌケ鈍感。クリスマスマーケットですでに見かけてるじゃん。これ見たときに「クリスマスマーケットに出店してる」→ということは店がどこかにあるはずと考えが及ばなかったのはアホとしか言いようがない。しかも、すでに写真を過去記事に乗っけているというとことん救いようのないマヌケっぷり。

こちらは、ドイツ時在住のとある日本人女性の談

「本場のドイツで大きい声じゃ言えないけど、絶対日本のバウムクーヘンのほうが美味しいですよねー」

申し訳ないがまるっと同意。ユーハイムさん以降改善に改善を重ね、例によって日本人向けにガラパゴス進化したバウムクーヘンのほうがたぶん日本人の舌にあいます。なんだけどさ、こうして本場ドイツでめったに見かけない本物のバウムクーヘンを味わうことに意義があるのです。…「豚肉が乗ったのが本物のバウムクーヘンなんかいっ」と自分で突っ込んでおきます。

ちなみに、奥にちょっとした博物館兼製造現場見学的なスペースがありましたが、時間が遅かったせいか誰もいませんでした。