11月です。月は変わりましたが、今月も先月に引き続き、「更新強化月間」に指定されています(って実は今決めたんだけど)。とりあえず、オチはなくても更新するようにします。今日のように(ぇ)。
何を血迷ったか愛用のLufthansaさん、冬時刻表で、ダブリン到着午後11時25分、ダブリン発午前5時35分というとんでもないヒコーキを設定してくれました(朝の5時半のヒコーキに乗るためには空港に何時に到着しないといけないんだ?)。んでもってたった今、この午後11時25分到着のヒコーキでダブリンに帰ってきました(注:これを書いていたのは昨晩1時過ぎのこと。どうも途中で寝てしまったらしい)。
もう11時を過ぎてダブリンに戻ってくると、もう頭の中は早く家に帰ることで一杯。こと、翌日が仕事だったりしたら特に。だけどさあ、入国審査という壁があるのよねん。
ダブリンに住んで早10年、おかげさまで長期滞在権なるものを持っているので、私の入国審査は係官と冗談の一つも飛ばせばすぐに終わる。だけど、当たり前と言えば当たり前なのだけど、入国審査のEUとNon-EUの列、Non-EUに並ばなければいけない。これがストレス溜まるのよ。EUのほうがそれこそ旅券の表紙だけ見せるだけでどんどん通過していくのに対し、Non-EUのほうは各人質問攻めにあい、なかなか進まない。
私が並んだ列、中国人と思しき二人が質問攻めに遭っていた…と言っても、私が到着したとほぼ同時に別室にご案内となったのでどんな会話が交わされていたかは定かではないのだが。その次の二人はけっこうあっさりと入国審査が終わる。そして、次は私の前にいたアジア系の男性。台湾と思われる旅券を持ってる(確か台湾の旅券は表紙が緑色だったような…自信ないけど)。
ここから先、敢えて訳しません。以下、Immigration Officer(入国審査官Iとします)とTourist(旅行者Tとします)のやりとり。英語があまり得意でないという方も、自分が入国審査官とのやり取りをすると思って読んでみてください。
I:”How long will you be in Ireland?”
T:”Eh, 6days”
I:”Are you visiting somebody?”
T:”Eh, yes, my sister.”
I:”Do you have an invitation letter?”
T:”Yes.”
I:”May I see it?”
T:”Yes.”
…と言いつつ、全然手紙を出そうとしない。よーするに、わかってないくさい。…ってか、親戚呼ぶのにInvitation letterって必要なの?だが、入国審査官氏、慣れているのか、質問を変える。
I:”Does your sister work here?”
T:”Yes, she is outside.” (か、噛み合ってねえ)
I:”Does your sister work here in Ireland?”
T:”Sorry, I don’t understand you. Can you speak slowly?”
この瞬間に私の後ろにいた人がぶっと噴きだす。いや、笑っちゃダメでしょ。やってる本人大真面目なのに。それにしても、こうなるとプライバシーもなにもない。
私には彼がどんな気持ちだったか痛いほどわかる。きっと件のお姉さんから、アイルランドの入国審査は厳しいからとさんざん脅されていたに違いない。それで不安にあっていろんな想定問答集を頭の中に組み立てていたに違いない。そんなわけで、想定問答集の中にあった”Sorry, I don’t understand you. Can you speak slowly?”という発言は流暢な英語で話せた。その部分だけ聞けば、彼は英語を話すだろうとみんな思うだろう。
I:”Do you have the return ticket?”
T:”Yes.”
I:”Can I see it?”
T:”Yes.”
…またわかっていないらしい。Yesと答えつつ、何もする気配がない。この時点で入国審査官氏、見切り発車に出る。
I:”Can you wait there? I’ll deal with you later.”
と言いつつ、ベンチを指さす。そう、入国審査官氏、彼を後回しにすることを決めたわけね。
話としてはこれだけです。彼がこの後なんとか入国審査を通過できたかどうかは定かではありません(って入国を拒否される理由が全く見つかりませんが)。不謹慎ながら傍から見ている分には面白かったけど、当の本人は入国できるかどうかの瀬戸際なんだから それこそ必死だと思う。そーゆー意味では助け舟を出してあげたかったけど、何せ中国語を話せないんだから助けようがない。
不景気だからかなのか、ここ数年のアイルランドの入国審査は以前にも増して厳しくなっているみたいです。このケースだって、家族に1週間程度会いに来ただけの旅行者なんだから、そんなに意地悪くいろいろ聞かなくてもいいような気がしてならないのだが、それとも入国審査官氏は私には見えない何かを見たのだろうか。
国によっては不法滞在する人が大量に出るので、審査官は慎重になるのでは無いでしょうか?
特に中国人はどの国に行っても不法滞在者が多いと聞きます。
日本人なんて律儀だし不法滞在なんてしないと思われているような感じがします。
というか、レター持ってる日本人は聞かれる前から出しますから(笑)
まぁ、英語わからない&家族に会いに行くって言うのが入国時の一番怪しい理由になるんだと思います。
不況だと入国審査が厳しくなるのか…
>ゆきちゃ
確かにそうだった!私が遠い昔に初めてアイルランドに来たときは、持ってるレターとか聞かれる前から全部出した気がします。…ってこんなことを未だに覚えているということは、けっこう緊張していたんだろうなあと今更ながらに思います。
もうひとつおまけに確かに、「英語わからない&家族に会いに行く」ってのはいかにも怪しいですよね。もし不法滞在を狙っているなら私ならなんかもっとうまい嘘をつくんじゃないかと思うので、こういう人は逆に信用していい気もします。
入国審査の厳しさ、前以上だと思いますよ。
…明日は我が身か…(。❁ฺω❁ฺ。) おほほほほ
>まっきー
ちゃんと書類とかそろっていれば何も恐れることはないよ。ちなみに、それでもらちが明かない場合、「アイルランドの身元引受人」に入国審査官が電話をする可能性がありますの。そこまでいけばもはやレアケースとして威張れるんじゃないかな。
10年前、ロンドンからダブリンに飛んだときは、番台みたいなところにオッサンが仁王立ちしてまして、
オッサン「何しに来た?」
私「さいとしーいんぐ」
オッサン「どのくらいいる?」
私「せぶんでいず」
オッサン「(…3秒ほど無言で考え)行ってよし!」
てな、やりとりだけで終わりました。
このオッサンの人を見る目に危機管理を任せるあたり、アイルランドって素敵な国ねと思いました。
イギリスからの乗客は、ほぼ国内旅行扱いなのでしょうかね。
うわー、古きよき時代のお話ですねえ。私がいっちばん最初にアイルランドに来たとき…15年ほど前…はイギリスからの到着客には入国審査がありませんでした。今でもアイルランドからイギリスへの到着客にはなぜか入国審査がありません。まあ、北アイルランドとアイルランドの間に出入国審査がない現実から考えれば、あるほうがおかしいんですけどね。
ダブリン港についたフェリー客も同じような扱いでした。バスの中に入国審査官(と思われる人)が乗り込んできてnationality please!と聞いて、EU内の人間ならそのまま素通り…という実に香ばしい対応をしていましたねえ。今はどーなんだろう。