バスルームのリフォームをやってみる(2)


8月の初めの1週間ほど、嫁と私は親類の結婚式にかこつけてフランスはアルザス地方に1週間ほど出かけていました。戻ってくると嫁父(義父)がスーパー日曜大工マンに変身しましていろいろ始める。

まず。8月12日。天井が引っ剥がされた。

なんということでしょう~…はまだ早い。一部見苦しいものが写り込んでいたので画像処理してます。

次に使ってなかったビデが撤去された。

ここで後でフラグになることを書きます。この便器のある壁の反対側は私の事務所です。11センチの壁を挟んで反対側で私は今この駄文を書いています。とりあえず「トイレの壁の向こうは私の事務所の机」というのを覚えておいてください。

8月23日。階段にある壁が引っ剥がされて、水道管がむき出しになった。こんなとこに水道管が通ってたんだ。

まあ、ここまでは正直「準備運動」だった。9月に入ろうという頃からスーパー日曜大工マンが暴走…もとい、本領を発揮し始めた。

8月28日。床を引っ剥がし始めた。

なんですと?

ちょっと待ってよ。これってもはや日曜大工の域を超えてませんか?弊社基準としては大きく超えてます。

私の知る限り、ドイツ人、もうちょっと主語を大きくしていいならヨーロッパ人のこの手の能力は総じて高い。いや、日本だってドイトだケーヨーデイツーだとホームセンターはあちこちあるし、日本人だってやる人はやる、お前の勝手な基準で勝手に話を進めるな…という反論が来そうですが、でもね、たぶん平均値取ったらこっちの人のほうが勝つと思う。

ちょっと話の次元が違うかもしれないけど、日本で自転車がパンクしたとき、まあたいがいの人は自転車屋さんに持っていくでしょ。でもこっちではかなりの人は自分で修理しちゃう。俺様基準で申し訳ないですが、私なら冗談にも自分で修理しようとは思いません。

話をうちのスーパー日曜大工マンに戻すと、だいたいなんでこのセメントを引っ剥がすような工具を持っているの?という疑問が湧いてくる。ちなみにスーパー日曜大工マンは実は昔鳶職だったとかいうオチはないです。むしろ図面とにらめっこしていたような人だったらしいです。

当たり前の話ですが、セメントの撤去時に響き渡るドリルとハンマーの爆音。さっきのフラグをすでに一部回収しますが、壁一枚を隔てただけのドリルは正直うるさい。仕事にならない。ノイズキャンセリングヘッドホンをここまでありがたいと思う日が来るとは思わなかったわ。

セメントには補強のため針金が入っていた模様。
ますます撤去が面倒だったろうなぁ。

引っ剥がされたあとちょっと様子を見に行った。なんとセメントの厚さ(タイルを含む)は6.5センチ。

数日かけて引っ剥がされた床。

このバスルームを含む、私達の住む家は2階です。この下は地面じゃありません。1階のバスルームがあります。なのに、6.5センチのセメント。

これまた当たり前の話なんですが、セメントって重いのよ。上の写真に写ってるバケツに引っ剥がしたセメントとタイルを詰めて階下に持っていくんだけど、私の力では一度に2つが限界。いったい何回階下に引っ剥がしたセメントが詰まったバケツを持っていったかわからない。最終的にはこれだけのセメントが引っ剥がされた。

目測で幅1.5メートル、長さ2メートルのコンテナが半分以上埋まりました。

これだけの元セメントが2階に敷いてあったという事実に驚くばかり。たぶんだけど日本の伝統的な木造建築だとこれだけの重さは支えきれないよね。なんか建築の思想が根本的なところから違うなと驚きました。

ちなみに、このコンテナのレンタル料金が€60。中身の処理は€250/トンです。どれだけの重さのかさっぱりわかりませんが、トン単位の重さじゃないかと思う。いくらかは知らんがお金が羽をつけて飛んでいってることは間違いない。

こうしてスーパー日曜大工マンが数日かけてついにバスタブまで姿を現す。あ、バスタブの下にはタイルは敷いてなかったのね(当たり前)。

そしてそのバスタブは9/11に撤去。こう賭けば20字にも満たない短い文で表現できるけどこれがまた大事(おおごと)でして。

どうやってバスタブを搬出するの?

私にかかれば簡単ですよ。窓からぶん投げちゃえばいい。幸い窓のほうがバスタブよりわずかながら広い。

スーパー日曜大工マンによりこの考えは即座に却下。「家の壁に傷がついたらどーするんだ。アフォ」。かくして氏はまたくそめどい方法で解決しました。

まずは階段の手摺を撤去(しなくても行けただろうとは思う)

階段から直線部分に当たる窓を養生。

撤去時の写真はございません。理由は簡単。私も手伝って階段を降ろしたから。事前準備が簡単だったからかもとより簡単な案件だったからか、あっさりバスタブは外に運び出されました。

9月19日。ついにトイレも撤去。ここから不便な日々が始まりました。時系列が追いついてきたので、次回からはリアルタイム報告になろうかと。

ついしん(訃報)

このサイトのコメントの常連さんだったかねて病気療養中だったmoppieさんが9月19日逝去されたとの報を本日奥様よりいただきました。奥様を含め実際にお会いしたこともあるアイルランドを心から愛された方でした。氏のコメントをもう頂けることがないと思うと本当に残念です。

なぜ善き人ほど早逝されるのか。moppieさんがコメントは無理にせよあちらの世界からここを読まれていればいいなぁ。合掌。