【2019日本帰省9】行ってよかった十津川村(1)


深島訪問の後数日実家に滞在し、一人で塚原温泉へ行ったりしてました。

そして週末は11月の三連休に当たりまして、土曜日の朝一番の飛行機に乗りまして伊丹空港へと飛びました。

私が行きたかったのは奈良県の十津川村。なぜ十津川村か、さだまさしさんのライブでこの村の話を聞いてかねがね一度訪問してみたいと思っていたので。(Youtubeに音源があるようなのでいつ消されるかはわかりませんがとりあえずリンクを貼っておきます。)

さて、十津川村へ行くとなると、一部の変人にはよく知られている日本最長路線バスが大和八木駅から十津川村方面に出てまして、これに乗ってみようと。そしてバス旅で疲れ果てたら十津川村の温泉で癒やされようと。嫁と一緒に帰省したらこんなバス旅嫌だというに決まっているから一人で帰省する今回はいい機会だな。よーし…と計画を立て始めたのです。

計画段階でおかんに十津川村に行こうとしている旨を話したら、何を血迷ったのかうちの両親が参加すると。さらには大阪近郊に住む私の弟夫婦も参加すると。…おいおい、のんびり日本最長路線バスでお気楽一人旅のつもりが一気に5人グループになったぞ。こうなると路線バスなんて乗ってられないからレンタカー…となり、だんだんと当初の予定は崩れ、なんだけど、個人的な趣味(=他の人には受け入れられづらい)部分もだいぶ残った旅となりましたとさ。

というわけで、大分空港から伊丹空港にハエみたいなヒコーキ(正しくはCRJ)で一路伊丹へ。さっそくレンタカーを借ります。

…見慣れた、そして乗り慣れた車登場。日産ノート。まあ、実はノートを指定したんですけどね。私の両親と3人で一台(弟夫婦は自前の車で参加)なので後席に余裕のある車がいいだろうと。ちなみにePOWERではない、しかもDIG-Sでない(スーパーチャージャーでもない)ノーマル車でした。

伊丹空港から都市高速で大阪市内を抜けてナビに命じられるまま西名阪自動車道から葛城市へ。すでに書きましたが11月の三連休の初日のお話です。道は結構混んでます。

途中道の駅ふたかみパーク當麻でトイレ休憩。ここで、行商のおじさんが靴下などを売ってまして、目についたのはB品靴下100円(だったと思う)。思わず数足買ってしまう。のみならず、アイルランドで染み付いた「いらんこといい」が見事に爆発。思ったことを言ってしまう。

私:「この靴下こんなに安くていいんですか?」

おじさん:「これ、私が作ったんですわ。値段見てびっくりしましたわ」

私:「え?お兄さんが作ったんですか?」

うちのおかんは東京生まれの東京育ちの人で、どこで人生を間違ったのか大分に嫁いでしまった。そんなおかんの影響で子供の頃から「関西は苦手」という意識がずっと植え付けられてきたのだが、今、こうしてたまに帰省すると思うのよ。もし日本に住むなら関西がいいなと。こんな会話が軽くできる西方土は私に向いている気がします。

この時点ですでにお昼。道路は渋滞とまでは言わないまでも日本の郊外あるあるのノロノロ運転で進まない。昼食難民となった私たちは通り沿いに良さげな店を探すがこれといった店がない。弟の嫁、つまりは義理の妹がネットで調べてよさげなお蕎麦屋さんを見つけ訪問するもすでに本日分終了…というオチ。結局たどり着いたのはこともあろうに五條市のガスト(別にガストに罪はないどころかありがたかったけど、せっかく旅に出てチェーン店はつまらない選択だよな…というお話です)。

ちなみに食べたのはこれ。冷やしうどん…ですかね。

ここからは最長路線バスと同様に国道168号線をひたすらに南下するだけ。十津川村まで迷いようがない。

この国道168号線がとにかく酷道だ…と聞いていたのだが、事実は大きく異なった。こんなすれ違いができないような道だと思ったら…

その数分後には、とんでもない快走路に早変わり。

辻堂バイパス 夢翔(ゆめかけ)大橋付近

なんでやねん…と思って調べたら、キーワードは地域高規格道路。五條新宮道路という五條市から新宮までの(名前のまんまやな)現在の国道168号線を改良する130キロにおよぶパイパスが計画・建設されて続々と開通しているらしい。

右下のタイムスタンプに注目してもらうと、ホントに数分ごとに変化していることがおわかりいただけるかと。

実際に旧道区間にこんな大崩落(2011年の台風12号で崩落したらしい)を目にしたり、バイパス部分と未改良部分を交互に運転してみると、十津川村までの道のりが徐々に楽になっていることが実感できる。

宇宮原バイパス

十津川村に入り、最初に立ち寄ったのは谷瀬(たにぜ)の吊り橋。ここで十津川村観光協会のサイトにお手伝い願いましょう。

(十津川村観光協会のサイトより転載)

日本有数の長さを誇る鉄線のつり橋。

上野地と谷瀬を結ぶこの巨大なつり橋は長さ297メートル高さ54メートル。

そびえ立つ深い山々に囲まれ、眼下には清澄な十津川(熊野川)が流れまさに絶景!

最高のロケーション。

歩くたびにゆらゆらと揺れるつり橋はスリル満点!まるで空中を散歩している気分。

十津川村NO.1の観光スポットです。

(転載ここまで)

それではご覧頂きましょう。谷瀬の吊り橋。

ありていに言って頭おかしいだろ(大喜び)。これ。なんでこんな高いところに平気で吊橋かけるんだよ(その答えはさっきの十津川村観光協会のサイトに明記されてます)。

ちなみに駐車場で一台あたり500円徴収されますが、渡橋は無料。にもかかわらず詰め所には人がいて、見守ってくれてます。

すでに何度も書きましたが、この日は11月の三連休の初日の土曜日。お天気にも恵まれました。コロナなんて未だ(少なくとも日本では)影も形もありませんでした。となると、この長さほぼ300メートルの吊橋に多くの人が詰めかけていることは驚きには値しないわけで。

吊橋には

危険ですから一度に20人以上わたれません

と書かれているのですが、20人以上渡っている気がする。詰所のおじさん、何ば見とっとねっ。

ちなみにうちの家族のほとんどは渡橋を諦めました。が私は好き好んできたんです。渡らないで帰る選択肢はありません。というわけで渡橋に挑戦。

最初の一歩で気がついた。

なんで端っこまで板を渡してないねんっ

この橋を攻略するとして、この高さなんだから当然脇の柵を手すり代わりにしたくなると思う。ところがそうするためには板がない見かけは空中部分を超えて手をのばす必要があるわけで。これが怖い。

そして、この橋にいる少なくとも20人以上の人たち、ある人は同じ方向に進み、またある人は反対方向から戻ろうとし、別の人は相方に写真を撮ってもらおうとポーズを決め、さらに別の人はもうダメと引き返そうとする。そんなおのおの勝手な行動が橋をあらぬ方向へと揺らすのだ。一定しない振動がやってくるのでどうしても脇の枠に手をやりたくなる。だけどそれも怖い。

ええい、見ていただければたぶんわかってもらえる。短い動画をご覧ください。

というわけで反対側まで渡ってきました。こっちまで来ると人が少なく見えます。

こうしてさらに30キロ、40分ほど走って十津川村の中心部へ。十津川村は広い。

本日のお宿はここ、静響の宿 山水

別の車から降りてきた弟がすすっと私の隣にやってきて小声で一言。

「なんでここにしたの」

ひなびた旅館が好きだからです。そう、一人旅のつもりだったので感覚的にそうなっているのね。あと、他の旅館の料金が非常に高かったという問題もあったりして。

うーん、ここはねえ、確かに評価が分かれるところだわ。部屋のこれらの写真を見てイイネ(≧∇≦)bと思う人は私と一緒に楽しい旅ができる人。ただし、世間一般としては少数派になる気がする。

この電話がちゃんとリンリン鳴って「お食事の用意ができました」と。もうたまらない渋さです。

思わず持って帰りたくなる金庫(もちろん持って帰ってません)。

風呂・トイレが部屋になく、共同というのも人によっては絶対的にマイナスポイントかもしれない。

かように旅館内は昭和の匂いがぷんぷんしてましたが、一方でお風呂は真新しいものでした。翌日フロントの方とお話してわかったのですが、例の2011年の大水害で十津川の支流の上湯川のほとりに建てられたお風呂が見事に流されてしまいそれで建て直したらしいのだ。そりゃきれいだわ。というわけで、お風呂だけは昭和ではない旅館でした。

到着後、夕食後に部屋で宴会をしようということになり、村の中心部まで買い出しに行くことに。うちのおかんが実にかっこいいのだ。お財布からTポイントカードを取り出し

「溜まってるポイントで好きなもん買っておいでっ」(キラーン)

…どこで。

お世話になった村の中心にあるお店。

十津川村にはコンビニはありません。村の中心にあったのは懐かしい昭和の薫りのするお店だけ。とはいえ必要なものは揃いましたので、色々買って旅館へ戻りました。当然ニコニコ現金払い。

まあ、その夜のことは書くのはやめよう。別に他のお客さんに迷惑をかけたとかそんな話じゃないが…全員で見事に酔っ払いまして…。楽しかったですが。

翌日に続く。