佐伯駅から宗太郎駅、重岡駅再び佐伯駅と佐伯市内の駅を行ったり来たりしながら…まだ続けるみたいですよ。今度は海崎駅。もういい加減にしろ…とお怒りの方、ご安心ください。駅巡りは今回で終わりです。ただし、文量は多いです。原稿用紙18枚分(普段なら間違いなく2分割もの)。…無駄に長いとか言わないで。けっこう書くのに時間かかったんだから。
13:55 海崎駅
佐伯の一つ大分寄り(上り方向=北)にある海崎駅。佐伯駅からわずか3キロちょいなのでその気になれば小一時間で歩ける距離にある駅。
海崎…っていい駅名だと思う。地名からどんな場所か想像がつく。日本全国に海崎駅ってここしかないらしい。他のどこかにあっても驚かない駅名なのだが。そんな駅の乗車人員は一日42人。
この駅でしたかったことは、宗太郎駅までの乗車券の購入なのだが、一日42人という乗車人員からお察しのとおり、この駅は無人駅。高萩さんから事前にその情報を得ていたため、やむなく佐伯駅で購入と相成った次第。
駅舎は簡易駅舎。ぶっちゃけ安っちい。なんだろう、何かが気に入らない。花が植えられてて文字通り「華が添えられている」ことについては地元の方の努力とお見受けし、敬意を表したいんだけど…わかった。問題はこれだ。
海 崎
STATION
なんか知らんが浮いてるんだ。嘘くさいと言うか。海崎駅と書くとか、海崎駅とKaizaki Stationを併記するなら何の違和感もなかったけど、その中間を取るからなんか気持ち悪い。駅舎の安っぽさをさらに際立たせるこのセンスはないなあ。ひどい言いがかりをつけつつ、中に入ってみましょう。
…って、あるじゃん、きっぷの自動販売機。列車の接近方向にある貴重な窓を殺して販売機を設置するあたり、後付感が満載です。
まあ、これだと、「海崎から160円区間」のようになり、「海崎→宗太郎」と駅名が入らないから、意味がないっちゃーないんだ。ええっと…
宗太郎まで740円ですね。
おっ、ごていねいに金額ボタンに駅名がいちいち書かれている。親切設計ですね。宗太郎駅は740円…
740円
佐志生
…あれ?宗太郎は?
事実:海崎駅のきっぷ販売機には宗太郎の表記がない
「そりゃ、実質乗れないんだからそうでしょう」という人、ちょっと待ってほしい。そのお隣にはあるじゃないか、宗太郎から県境を超えて宮崎県側にある「市棚」と「北川」が。これらの駅だって、例の佐伯発朝6時18分の始発かつ終電に乗らないとたどり着けない。なので宗太郎と条件は同じ。なのにここに表記があるということは、この切符販売機の表示は2018年3月のダイヤ改正前に作られた可能性が高い。つまり
海崎駅では宗太郎駅の存在は否定された
という結論に至るわけで。
こんな莫迦なことを書きながらこの切符販売機を改めて見ると「故障の際の連絡先」として、佐伯駅の電話番号が書かれている。まあ自販機としてはフツーだけど、私の知る駅の切符販売機って、係員の呼び出しボタンがついてたような。無人駅だからしょうがないのか。
駅構内の様子です。上下線の入れ替えができるように二面二線の地上駅となってます。
1番ホームより南の佐伯方面(下り方向)を望む。
駅裏なのに荒れ地という状況の北向きの2番線(上り方向)を望む。ちょっとなんかに気になりませんか?そう。待合所が妙に真新しいこと。それもそのはず、この待合所、2018年に火災で消失、再建された模様。当時の地元紙の写真を比較すると、待合室の広さが半分以下に縮小されてます。ダイヤ改悪時の鉄道会社の常套句「お客様のご利用実績より見直しました」ということか。
ここでにちりん13号宮崎空港行きの海崎駅通過の動画をどうぞ。二度目の列車接近放送の途中で電車が通過しちゃうのがなんとも言えません。
ところで、海崎駅前にはとってもかっこいいセメント工場があるのです。
…どうもこの工場、操業停止して9年経つのに操業を再開していないらしい。もしこのまま操業を再開しないとなると、当然廃工場になるわけでして。地元の方には単に迷惑なだけでしょうが、このどこかFF7の魔晄炉を思わせる施設が廃施設になるとか、今後に期待したくなります。
駅アイコンはジョーヤラ船。こちら海崎で毎年9月に行われる大漁船の出るお祭りみたいですね。
14:55 浅海井駅
浅海井駅。読めませんね。「あざむい」です。海を「む」って読ませるって無理があるような。読み方がわかるとなんとなくあざといに音が似ているようで印象が悪くなります(個人のくだらない意見です)。2015年度の1日平均乗車人員は72人(Wikiより)と、高校生あたりの通学に利用されていることがわかります。
朝7時にたどり着いた宗太郎駅からこの浅海井駅まですべて大分県佐伯市内にあります。その距離42.8キロ(ちょうど中央線の新宿から高尾までの距離)。運賃840円(ご参考までに新宿=高尾は550円。なお、並走する京王線は360円)。佐伯駅での乗り換え時間を除いても普通列車で小一時間かかる距離です(ただし上りのみ。下り電車の接続はない)。平成の世に吹き荒れた市町村合併の嵐は大分県佐伯市という九州の市町村の中で最大の面積を持つ市を誕生させたわけです。
駅名標の真下に書いてあること
「九州最東端の駅」
それにしてもこの駅名標が正しくて好ましい(なんか筒井康隆さんみたいな言い回しですが)。海崎駅もこうなら文句は言わなかったのに。でも、観光客向けなのか「九州最東端の駅」とかわざわざ大書しなくても…という気がしなくてもない。とりあえず、何をやっても文句を言ううざいアホタレの言うことですので放置で。
きっぷうりばもあったらしく、どう見ても昔は有人駅だったようです。その頃の様子を写したブログを発見(必見)。今と状況が異なるので興味深いです。花が生けてあったり駅に暖かさを感じるんですよね。
運賃箱。また運賃箱が設置される前はおそらくここに駅員さんが立って改札業務をしていたんでしょうね。それはそうと、「運賃箱」と書かれた下になにか剥がされたような痕が見て取れます。さっきのブログにそのお答えがあります。ずいぶんとマヌケなことを書いてたなぁ…と思います。
もうひとつ余計なことを書くと、小倉(北九州)から日豊本線の下りに乗ると、中津、別府、大分と来て、大分市内の佐賀関に近い幸崎という駅までICカードの利用ができ、このような無人駅には簡易式のカード読み取り機が設置されてます。もし、SUGOCAのエリアが佐伯地区まで拡大した日にはこの運賃箱は撤去され、この駅では明らかに浮いた感じになる簡易式カード読み取り機に置き換えられる可能性があります。
この駅の特徴は、駅舎を出た瞬間にある…気がします。
ホームはどこやねん。なんか遥か彼方に跨線橋が見えてるけど、そこまで行けってか?
再び逆光ですが跨線橋です。跨線橋の階段がコの字になっていないことからもわかるように、駅舎とホームはかなり離れています。
これはホーム側からの写真を見てもらえばわかりやすいかも。島式のホームの先端まで行ってみましょう。
このホームの先端まで行っても「この先の立ち入りを禁止します」などという表記がないあたりがとても緩いですが、それはそうと、ここにスロープがあり、かつ、線路を渡った反対側の柵が開閉できるようになってます。そう、ここに構内踏切があった模様。「以前は改札口からすぐ線路を渡り、ホーム端の斜路を上るようになっていたが、電化と同時期に跨線橋ができて柵が張られ、今の様式となった」(Wikiよりコピペ)らしく、ええっと、とすると、日豊線のこのあたりの電化っていつよと思ったら、1974年の3月。つまり、ちょうど45年前。それ以降こんなおかしな形で半世紀が経とうとしてるらしい。
駅舎側から。開閉式の金網はあれど、すでにコンクリートが剥がされバラストが敷かれていることからもここが構内踏切として利用されることはないとわかる。
駅舎には構内踏切のあった名残でしょう。「右よし左よし」の標語というか看板というかが残ってます。指さし確認をしていた時代を偲ばせます。
というわけで、にちりん15号宮崎空港行きを見送りつつ、45年の歴史を重ねた跨線橋を御覧頂いてます。ちなみに同じ列車を赤塚さんが撮影するとこうなります。
…なんか腹さえ立ちますね。なんでここまで大迫力の写真が撮れるんですかね。こんなかっこいい写真を見ると思わず浪漫鉄道を口ずさみたくなります。なにそれって、かのハイ・ファイ・セットの歌うJR九州の社歌です(ハイ・ファイ・セットを知らんという最近の若いもんには鉄板の合唱曲「翼をください」をオリジナルで歌った人…といえば通じるかしら。それでわからんならもう諦めます)。
浅海井駅の締めに赤塚さん撮影のにちりん14号大分行きの動画をご紹介します。この日気がついたことは、このあたりは787型車両の天下なんですね。こちらは下りのにちりん14号より10分ほど早く浅海井駅を通過してます。
駅名アイコンは暁嵐の滝のようです。駅から割とすぐのところにある(=海にほど近い場所にある)滝のようです。
15:15 日代駅
お次にやってきたのはお隣の日代駅。津久見市にあるのはこの日代駅と津久見駅のみ。2015年度の1日平均乗車人員は45人(Wikiより)。対2000年比で乗車人員が1/3以下になっているという地方の厳しさを感じさせる厳しい数値です。
こちら、駅前の様子です。今写真を撮っている場所から左を見ると低いガードになっており、その分をこのゆるい坂で登ります。件の低いガードがGoogleのストリートビューの撮影車には鬼門だったらしく、このガードの向こう(山側)にある駅前の撮影ができてません。
浅海井駅で、「このホームの先端まで行っても『この先の立ち入りを禁止します』などという表記がないあたりがとても緩い」と書きましたが、まあ、ここも緩い。これだけ低いガードなのに高さ制限の表記がない。手前側が若干高めで、そののち低くなってますが、この高い部分は下り線佐伯方面のホームです。なので、1メートルほど高くなってます。
そういえば車載動画があったんだわとがさごそ探してみたら出てきました。たぶん実質2メートルないんじゃないかな。高さ制限の標識が立つなら1.8メートルあたりでしょうか。
ついでなんでGoogle Street Viewで出てこない駅前の様子も。左の車が見えるところに下の写真の駅に向かう坂があります。とりあえず駅前にバス停はおろか、駅前広場だとかタクシー待機場とかシャレたものは全くありません。
駅舎をややアップにて。コンクリート製のわりかし立派な駅です。
跨線橋の上から駅舎を右に見つつ、下り線、佐伯方向です。2面2線のホームでその先にはトンネルが2本ありいかにも複線っぽいのですが、日豊線は大分以南は単線。こんな感じでほとんどの駅で入れ違いができるようになってます。浅海井駅で10分くらいのズレで通過した特急電車はこの駅で入れ違いをした模様。
下り線側のホームより上り方向1番線と駅舎のアップです。見てのとおり、重厚さとかとは無縁の駅ですが、それなりの年月は重ねている模様。現在の乗車人数から考えると明らかに過剰投資しているところからして、昔はもっと賑やかだったんだろうなあと思われます。
一つ上の写真中央にある駅名標に注目。いいですね。この昭和的なやつ。ちなみに津久見市は平成の大合併の影響を受けなかった(というか、合併を断られた)経緯があり、1951年の市制施行以来市域の変更はありません。なので、ここはこの駅名標が設置された当時から津久見市です。
こちら、新しいJR九州標準の駅名標です。アイコンは特産品のみかん。こう言っちゃアレですが、大分県内の沿海部のどの駅もこのアイコンは使える気がする…。古い駅名標と並べて思いましたが、新しい駅名標もそれなりの趣がありますね。特にひらがなの「つ」のフォントあたり。誰かJR九州フォント…とか作る人がいても驚かないかも。
一日に上り下り各15本の運行がある日代駅。日中2時間に1本しかない各駅停車がやってきました。15:26発大神行き。また読めない駅名きました。「おおがみ」でも「だいじん」でもなく「おおが」です。この前は13:24中山香行き、この後は17:20亀川行き…とほぼ2時間間隔。どれもこれもマイナーな駅名ばかりですが、大分駅から小倉方向に30分から1時間程度で到着するローカル駅です。
この815系電車、一度しか乗ったことがないんですが…嫌いです。イナカなのになぜかロングシートなんですよねぇ。「なぜか」とかすっとぼけて書いてますが、理由は想像がつきます。私が日豊本線を利用していた頃、つまり1990年あたりという30年近く昔のお話なんですが、当時の日豊本線は基本3-4両編成で運行されてましたが、最近は特に日中は2両編成で運行されることが多いようです。乗客が減っているのもわかるのですが、それ以上に合理化でクロスシートでお客を詰め込めない4両編成より2両編成でお客を詰め込めるロングシートで運行すれば運行コストが下がるぞ…っていうJRの九州の思惑が見え隠れするわけです。
一つ上の写真で左側に見切れた部分にある標識。おそらく最高速度規制の標識ですが「振」という区分が珍しい気がします。「振り子式車両」のことですよね。たぶん。あれ?ここを走る振り子式車両って下手したら一日一便(ソニック12号)だけとかじゃないかしら?下の180はカーブ半径でしょうか。
それにしても、いかにお客さんが少ないとはいえ、ホームのど真ん中に標識を立てるとはどういう了見なんだか…と思ったんだけど、この駅に停まる普通列車はたいがい2両編成だから、ここに電車は停まらないわ。つまり、この写真に見えているホーム全部ある意味無駄…という悲しい現実。
どうもここいらで時間切れのようです。夕方には別府で水戸さんと合流する約束になっているのでそろそろ別府に移動を開始しないと。でも、その前に地元民の高萩さんが「臼杵駅のアレは見てもらおう」といい出した。というわけで、最後は軽く臼杵駅。
16:00 臼杵駅
途中の津久見市の中心駅津久見駅をすっ飛ばすという、地元の方なら怒りに震えそうな暴挙を犯しつつ、臼杵駅へ。そういえば、津久見って、すまん…通過したことは何度もあっても行ったことはない気がしてきた。大分県内でなんのイメージもない市って津久見だけのような気がしてきた。…ちょっと宿題に気がついた気分。
そして、臼杵駅。2013年度の1日平均乗車人員は763人(Wikiより)とさすが特急電車の停車駅。各駅停車のみの駅と乗車人員は文字通りの桁違い。今までの無人駅と違い、駅前にはタクシーが待機していたり路上駐車などできそうにない雰囲気だったので、私は車に待機で赤塚さんに「例のもの」の撮影をお願いしておいた。その結果がこれ。
…はぁ(ため息)。
う♥ で うすき …だと…。
うん。最近の女子高校生がこれ見てキャアキャア言うかどうかは女子高校生とは年齢も性別も似ても似つかぬ私には想像すらできない。でもさあ、私の濁った目にはその う♥ の気恥ずかしくなる駅名表示とその後ろにある臼杵の普通の(多分JR関連の)建物との対比に目を奪われるというか…なんか見ていられない気分になる。まだ、背景が停車中の電車だけで、かつ駅名標の脇に女子高校生がポーズを決めていれば印象は違ったような気もするが…。ちなみにお隣りにある「まともな」駅名標のアイコンは臼杵石仏(拙サイト2017年の訪問記です)。まあ、定石通りです。
というわけで、最後の最後に女子高校生を連発しつつ4回も引っ張った日豊本線の駅巡りのお話はここまで。次回は夜の別府のお話です。夜の別府と言ってもいかがわしいお話ではございませんのでご安心ください。
平成最後というよりも、昭和を訪ねての旅のような気がするのは私だけ?
もしかしてスイカ使えない? わけないですよね。
ある意味大正解です。昭和的なものが大好きです。次回のお話も完全にその方向性で突っ走ってます。
スイカ(と交通系カード)は大分市以南では使えません。あ、駅ではね。コンビニなんかでは使えるというおかしなことになってます。あ、佐伯市内でも一部のバスには使えるらしいです。