クレームをつけるのにも体力がいるというお話

Mixi日記から転載。あっちで内輪だけでやろうと思ってましたけど、大人の事情(i.e. ネタ切れ)につき転載。あ、Mixiについたコメントの返しもついでに転載してます。

ちょっと本家で全世界に晒すことのできないネタなので、ここで「友人のみ」という閉ざされた空間で懺悔をさせていただきます。

すいませんでした。

何の話かというと、話はフランクフルト空港のラウンジにぶっ飛びます。ラウンジ、まあ、私のような例外もあるでしょうが、基本としては、年間に相当の距離を飛んで航空会社から上客とみなされる人たちです。ただ、上客=人間的に優れているとは限らないわけで。

実際見かけるんですよ。「オレは偉いんだ」って威張ってるやつ。もしかすると、こんな人たち、どっかの会社の社長だったりとかするのかもしれない。でもさ、だからといって権威に傘借りて偉そうに振舞うのはよくない。私はそんな連中を軽蔑している。アホかって。

という前提で事件が起きたんですよ。ラウンジで。

ラウンジのカウンターに飲み物が並んでまして、私、ビターレモンを選んだんです。そこに750mlボトルのビターレモンは3本並んでまして、私は半分空になったボトルではなく、新しいのを開けたんです。それをラウンジのウェイター(っていうのかな)に見咎められました。

その中東系のウェイターさん、私の目の前にすでに開いているボトルを私の文字通り鼻先に突きつけまして一言:

「この開いてるボトルが見えないの?」

私が言葉の追従に詰まっていると、

「ちっ」

と思いっきり舌打ち。

20分後くらいか、私がその場所に戻ると…その人がまた、いた。この人の顔を見た瞬間、私の怒りが戻ってきてしまった。私は意地悪な笑みを浮かべてその人に近づくと

私:「あなたのスーパーバイザー(責任者)と話がしたいんですけど」
相手:「は?」
私:「スーパーバイザー、出して」

ほどなくドイツ人と思しき私とおない年くらいであろう女性が出てきた。

責任者:「どうなさいました」
私:「まずは、謝らせてください。このように、3本あったうちのビターレモンの開けていないのを開けました」
責任者:「いや、それは問題じゃないですけど…」
私:「私のしたことは悪かったと思っています。しかし、このウェイターさんが、私の鼻先にボトルを突きつけて舌打ちをしたことについては私の我慢の限度を超えています」
責任者:「申し訳ございません。もうそのようなことは二度と起こさないようにいたします」
ウェイター:「しかし…」
責任者:(なにか言いたげなウェイターを制して)「お客様にお詫びしなさい」
ウェイター:「…」
私:「いや、もういいんです。ことを荒げるつもりはありませんので。私が悪かったことは確かですから」
責任者:「申し訳ございませんでした」

…というのがことの一部始終です。ウェイターの態度の悪さは明らかに問題ですが、私はどうやら航空会社の上客(という扱い)に胡坐をかいて偉そうな態度をとってしまったようです。これこそが、私が今まで嫌っていた偉そうな態度の偉くもない客そのものじゃないかと。

反省してます。ってか、人を傷つけたら、同じだけ自分も傷つくみたいです。

(ここからいただいたコメント返し)

コメントどーもです…ってか、俺も莫迦なこと書いてあげちまったぜ。ふっ(←誰?)

はい、ありがたいコメントにマジメにお返事させていただきますぜ。

>どこの世界に店員の舌打ちを許す人がいますか

あまりにごもっとも。でもね、私がキレたのは舌打ちよりも目の前にボトル突きつけられたこと。実際、舌打ちするんだよねえ。ドイツの皆様方。

>立場やラウンジという場所はどうあれ、相手の鼻先に付けて「見えないの?」なんて言うほうが大人げないと思います。

正論だと思います。なんかさあ、「あ、なんか気弱そうなアジア人だから」とか思われたのかなあとか思うんですけど、これってものすごい反則だと思うんですよね。

私の持論なんですけど(どっかに書いたっけ)「人種差別」ってジョーカーだと思うんですよ。何か嫌なことがあったときに人種差別だと思うとすべての疑問が不思議なくらい解決するんですよね。何か嫌なことがあったときに「ああ、これは人種差別だ」と思うとすべてが納得いくんですよね。

>これだから中東系は…と思ってしまった自分の方がよっぽど「偉そうな態度」だと気付いて
激しく凹んでしまったワタクシなのですが。

いるんです。そーゆーことを考える自分が。まったく同じように考えて私も凹みました。確かに国民性っていうある程度の類型化できるものってあると思います。だけど、それって上の人種差別云々に帰趨しちゃうんであんまり言いたくないのです。

>ラウンジという、高級感漂う場所なんだから、新品のボトルぐらい飲ませろってんですよねぇ。

ぎゃはは、ばんばん…失礼しました。他は知りませんけど、ルフトハンザのラウンジなんて芋洗いですよ。昼時の混雑時なんて「上客」の皆様が座席を探して争ってます(ホントに席が足りない)。ぶっちゃけ、こんな場所をありがたがるなんてちっちゃいです。とことんちっちゃいです。…と言いつつ、やたー、ただ酒だーと飲んでいる私は誰よりもちっちゃいですorz

クレームをつけたことのある人はご存知だと思うんですけど、クレームをつけるってのもホントに体力がいるんですよね。この部分、本文ではカットしたんですけど、私、やっちゃったんですよ。私にやられたことをスーパーバイザーに再現しちゃったんです…つまり、鼻っ面にボトル突きつけて状況を再現しちゃったんです。おそらく気のせいですけど、この瞬間、一瞬ラウンジの空気が凍りました…少なくとも私にはそう感じられました。クレームをつけるというのも本当に勇気と体力が要ります。