ここ数週間、ドイツは「正しい冬」を迎えています。どのくらい正しいかというと…
…川が凍っている。
数字の上でも寒いことは確かでして、こちらは私の住むドイツ某村のお天気。
最高気温が-5℃ってなんやねん。ただ、天気そのものは良いのですが。
そんな中、酔狂にも、近所の村の消防団主催の歩こう会に参加してきました。…なんか意味不明で突っ込みどころがすでにありますが、まあ、聞いてくださいよ。
計画は実に単純でして、午後2時ごろ某村を出て、森の中をしばらく歩いて、森から抜けたところにある隣村近くで一休み、さらにそこから畑の中をちょっと大きめの村まで歩き、そこのレストランで食事…という。距離は子連れでも問題なく参加できる8キロ程度。
とりあえず、外は寒い…のだが、私の中では「股引履いたら人生負け」というわけのわからん規則がある。なので持ってない。嫁が暖かそうなタイツを履いているのを横目に私はヒートテックのTシャツを着込んだ。ヒートテックは反則じゃないらしい。自分で書いてて意味不明。
土曜日の午後1時。友人宅の数軒隣の消防小屋が出発地だというのに、1時間も前に集合する私たち。車2台で目的地の村に行き、帰りのために1台を停めておく。こうしておけば、帰りに別に出るらしい「シャトルバス」に乗らずに済むと。まあ、発想は間違ってない。
友人宅に着くなり「気付けのビール」が出てくる。カンパーイ。
出発時刻15分前に消防小屋へ移動。すでに人は集まっている。結局参加者は50人以上いただろうか。嫁いわく去年は90人ほどいたのでだいぶ少ないとのこと。
友人はドイツ語でBollerwagenと呼ばれる…これ、なんて日本語に訳せばいいの?台車とも違うしね…ベビーカー代わりにもなるし、ちょっとした荷物も運べるものにビールを載せてやってきてる。ビールだけじゃなくてやっすいリキュールの類も持参。ほら、お前も一本飲め…と勧められる。飲めと言われて断る理由はただの一つもない。いただきます。
2時を少し過ぎた頃、消防団の団長さんなんだか誰かは知らんが、おっちゃんが、今日のコースを軽く説明して出発。日本だったらくだらない来賓挨拶とかありそうなところだからそーゆーのがないというのはありがたい。
村を出ると畑の中を進み始め…
…道は未舗装路に。すごくどーでもいい話なんですが、ドイツのこの手の道は大概通行許可なき一般車は通行禁止です。
…林の中に入ってきました。
…おい、飲めとビールとリキュールを渡され受け取るアホな私。この時点でかなり出来上がってます。アルコール度が20度とかあるリキュールの小瓶が悪い仕事をしている模様。質の悪そうな酒のおかげで悪酔いしそうです。
数週間前にえらい強風の日がありまして、その日にはうちの庭の樹齢60年超…つまり第二次大戦後わりとすぐに植えられた木が3本も倒れるというとんでもない日がありました。おそらく同じ日に倒れたと思われますが、ご覧の通り倒木は放置されてます。…まあ、冬だし、農林業関係者もお休み中なんでしょうね。
道はぬかるんだブル道のような感じに。はしゃぎまわったコドモの服は完全に泥だらけに。汚れた服は洗剤のコマーシャルに使えばいい感じだな…とか思ってました。
森の中は雪が残ってます。
森から出て開けたところにちょっとした小屋があり、そこに消防車が先回りして休憩所を作ってくれていました。お茶やケーキが出ました。この後夕飯だとわかっていたのでお茶だけいただきました。このお茶にもアルコールが垂らしてありまして…酒飲み会なのか歩こう会なのかわかりません。
結局休憩時間を入れてのんびり2時間半以上かけて目的地の村に到着。
バイキング方式のご飯。…まあ、こんなもんでしょ…という感じ。
ドイツでよくある方式。飲み物を注文するとコースターにウェイトレスさんが値段を書いていく。これで帰る時に精算。ある意味野菜の日本の無人販売と同じで信用が前提になってる気がする。だってさ…
…コースターを新しいのに変えちゃえば…ね。
言うまでもないことですが、誰もそんなセコいことはしてません。そもそも論として、こんなイナカでそんなことをして出入り禁止にでもなったら行くところがなくなります。
レストランの中にボーリング場があるというので行ってみました。
…なんじゃこりゃ。
まず、レーンの幅が狭い。日本のそれの1/4もないんじゃないかな。これ、難易度高いぞ。
自慢になりませんが、私、ボーリング(も)ヘタです。スコアが100行けばわーいと思う、もう救いようのないレベルです。まあ、そんなわけですから、気負わず投げてみようと。
日本である貸靴が、まずない。靴を脱いで靴下でレーンに入れとのこと。いいね。あの、誰が履いたかわからない、水虫をもらうんじゃないかと疑心暗鬼になる靴を借りなくていいというのは実に良い。そもそも管理してる人がいる気配がない。勝手にやって状態。
で、レーンに入ると…玉が小さい。日本のボーリング場にある一番小さい玉って8号とかでしたっけ?あれよりもさらに小さい。「子供用特注サイズ」と言われても信じるレベル。ああそうか、レーンが狭いから玉も小さいんだと自分を無理やり納得させる。
で、玉を手に取る。
手の中でぐるぐる回す。
あれ?
日本のボーリングの玉にある指を入れる3つの穴がない。えええええ?
ええい、ままよと、日本と同じように3歩歩いて投げると
…玉はレーンの外に放られた。
言い訳をさせていただくと、日本ならガーターすれすれからカーブをして1ピンを狙うようないいコースでした。…なんだけど、ドイツではガーターどころかコース外。
挙句の果てには、2投目がない。1回投げたら次の人に交代。誰もスコアなどつけてない。…あるいはマジメにやれば別の方法なのかもしれないけど…知らん。
他の人のを見ていて気がついた。これ、レーンがこれだけ狭いにも拘らずガーターになりづらいわ。というのも、ガーターの溝の手前にレール状の木があり、玉を勢い良く投げすぎない限りは、玉はガーターレーンに入る前にレーンに戻されるのだ。うん。説明が難しい。この20秒ほどの動画を見てくだされば私の言いたいことがわかっていただけるかと。
で、お気づきでしょうか。これ、10ピンじゃないよ。
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こんな感じでピンが配置されてるのね。つまり11ピン。で、ピン直前でガーターレーンが左右に広がっている。真顔で聞きたい。これって、一体どーやったらストライクが狙えるのよ?
ストライクを狙うべく勢い良く玉を投げたらガーターレーンまっしぐらだし、それを避けるために勢いを殺したらまずストライクは狙えない。しかも、2投目がないからスペア狙いもできない。何がなんだかよくわからんぞ。ものすごく違和感ありありなドイツのボーリング体験でした。…って歩こう会の話じゃなかったっけな。