この日の目標はムラーノ島とブラーノ島へ行くこと。ああ、そもそもそこはどこか…ってところから始めないと不親切か。この2つの島、ヴェネチア本島から数キロの距離にあり、ちょっと足を伸ばせば行くことができる。ムラーノ島はガラス製品で、ブラーノ島はそのカラフルな街並みでそれぞれ観光客で溢れかえっているという…。ま、詳しくは一緒に見ていきましょうぞ。
この日の動きをGoogle Mapでたどると、こんな感じらしい。キレイにムラーノ島とブラーノ島を一周してる。
午前10時前に昨日と同じ朝食を食べ出発。ホテル最寄りの水上バス停より出発。同じような考えを持った観光客で船は混雑していたが、船のオープンデッキになっている先端部分に座る。なお、風が強くここに座ったことは失敗だったかも。なお、その分景色は良かったです。
20分ほどで、ムラーノ島のNavageroという水上バス停に到着。私たちと同じような考えを持った観光客はぞろぞろと下船。下船するなり、同じような考えを持った観光客を引っ掛けようとガラス工房の客引きが忙しい。
一部の主体性のない観光客はその客引きにぞろぞろついて行き、また意識高い系(推定)の観光客は我が道を行くとばかりにずんずん進んでゆく。残された嫁と私のやったこと(いや、私は嫁のあとをついていくだけ)は、港からムラーノガラス等を売る店を一軒一軒吟味。
ふと気がつくと、同じ船に乗っていた人たちは三々五々散ってゆき、20分後にやってきた次の船の乗客も散ってゆき…おーい、嫁、いつまで買い物してんだ?良くも悪くも嫁はマイペース型です。
Google Mapのタイムスタンプを信じると、どうも私たちは2時間ものんびり買い物をしていたらしい。途中で食べたジェラートは美味しかったです。そう、イタリアに来たらなぜかアイスクリームじゃないのです。ジェラートです。
アイスクリームをジェラートなどと呼んでいると、今度はバールで立ち飲みでカフェマキアートが飲みたくなる。…なんてカッコつけてますけど、なんのこたーない、嫁がトイレに行きたくなったので、トイレ使用料代わりに1ユーロほどのカフェマキアートを頼んだだけ。
亀よりも鈍い歩みながら、それでも数百メートルの距離を進んでようやくムラーノ島の中心、ロンゴ橋に到着。
ロンゴ橋を渡り、ムラーノ島の中心部(観光客向けの商店街)へ。すごいね、嫁、まだ一軒一軒吟味してるよ。自画自賛と言われたら返す言葉も無いけど、これにつきあう私も褒められてもいいと思う。そして、これだけの時間を費やして使った金額はたかが知れているという…。
結局目抜き通りも制覇して、たどり着いたのは水上バス停とは別の場所にあるガラス工房。フラフラと入ってしまう。なんだよ。結局見に行くのかよ。
ただ、現在見学中なのでちょっと待ってほしいとのこと。上の写真の場所で待っていたら、ちょっとおもしろいものを発見。
見学料は2ユーロ。なんだよ、金取るのかよ…と批判するのは簡単だが、何もかもが高いヴェネチア価格の中で2ユーロはカフェマキアートについで格安かも。
おまけ動画。ムラーノグラスのお馬さんができるまで。いとも簡単そうにやってるけど…難しいんだろうなぁ。
なんだかんだで見学をするだけして、そこでは何も買わずに水上バス停へ。ブラーノ島へ移動ー。
今度は30分ほどかけてブラーノ島へ。ヴェネチア本島から通しで乗る客ですでに溢れており、30分ほどの船旅は通勤列車並みの混雑の中過ごす。観光客からぼったくり運賃を取りつつ、常時混雑しているヴェネチアの水上バス。よほどヘタクソな経営をしていない限り片手うちわだと思う。
そして、ブラーノ島へ到着。正直水上バス停界隈に見るべきものはない。さて、どうしますか。そうだ、他の観光客についていこう。
歩くこと数分…。
なんとなく事前調査で見たような町並みに出くわしたけど…人多いなぁ。なんの根拠もなかったけど、ヴェネチア本島から片道1時間ほどかかるブラーノ島まで来れば観光客も少なくのんびりできるに違いないと踏んでいた私の読みは見事に外れる。もっとも私だってそのアホな観光客の一人なんだから文句を言える筋合いではないのだが。
しばらくあてもなく歩いた結果、ある意味当然の帰結として目抜き通りにたどり着く。そして、これまた当然の帰結として…
…ご休憩。時刻はすでに午後4時をまわり、ふと気がつくとタイミングを見事に外し、お昼ごはんを食いっぱぐれている。
何やら軽食を頼む嫁。ごめんなぁ。甲斐性なしだから昼飯すら食べさせてやれなくて(あ、冗談の通じない方のために。私達の関係は対等ですよ)。
ふっとカフェの向こうを見ると、客引きのいるレストランが。でも、中を見ると、どー見ても洗剤を売ってるんですよね。もしかして、日本のイナカでも見る兼業のお店なのでしょうか。
そののち、島内の散歩。
ようやく観光客溢れる地帯から外れると、そこには色鮮やかな家々が並んでいた。ホントか嘘か、この色鮮やかな家は、漁師さんが自分の家を見つけやすくするためだそうな。
その後、ムラーノ島に寄らない、でも別の島に寄るために水上バスでヴェネチア本島へ。数分前に行きと同じムラーノ島経由の水上バスが出たのだが、また例によって通勤列車並みに混んでいたのであえて見送ったのだがこれが大正解。2層ある大型の水上バスが来て実に快適にヴェネチア本島へ戻ることができた。
ヴェネチア本島へ戻ったのはいいが、さて、夕飯はどうしよう。そもそもの問題として、変な時間に軽食を食べたものだからお腹が空いてない。でも、何も食べないというのもいかがなものかと。
ピコーン、そうだ、昨日満席で入れなかったお店に行ってみよう。
道中ステキなお店に気がついて寄ってみる。いや、昨日通りがかった時にすでに気がついていたのだが気まぐれに閉まっていたのだ。
なにやら販売はおまけで、主に製本などをしているお店というよりは工房のような場所。見えますか、猫が船頭さんになっている絵葉書とか。これはいいと、親孝行なワタクシ(当社調べ)はQ州の実家にこの葉書を例のFriend Postを使って送りましたよ。1週間後におかんより
「どーせならフツーの風景の絵葉書が良かった」
というありがたい感謝のお言葉をいただきました。
まあいいや。そんなことは。で、件のお店に到着。
…なんか外までお客さんが溢れているんですけど。
ところが、中にある2つしか無いテーブルのうち一つが空いてまして、そこに陣取ることに成功。ああ、今にして思えば。、とっても天気が良くて気持ちのよい夜だったから外に座って飲むほうがよっぽど気持ちよかったんだろうなあ。
ここは基本的にレストランなんかじゃない。なんて言えば通じるかな。おつまみも出る一杯飲み屋…かな。上の写真にあるおつまみは1とか2ユーロで頼めるわけ。ワインなんかも3ユーロとか他に比べるとまさに破格…というか、通常のイタリア価格なんだよね。しかも、値段はあってないようなもので、私の前にいたけっこうイケてる(←ここ重要)お姉さんは、なぜかワイン1杯1ユーロしか請求されてなかった。
上の写真すべてで10ユーロちょい。いやほんと、ヴェネチアのぼった価格と比すればタダ同然。正直味は大したことなかったけど、確かにこの値段ならこの街でも生きていけると思った。探せばツーリストトラップじゃない場所もあるんだなと実感した夜でした。
翌日はいよいよヴェネチア実質最終日。続く。