冬の暖房と換気のお話


私、基本的に貧乏性です。貧乏が骨身に染み込んでいます。かくして…と順接で繋いでしまっていいのかはわかりませんが…暖房は贅沢品だと思いこんでいるフシがあります。

まあ、これは私がQ州出身だという事実も多分に関係していると思います。なんかさ、色んな人(日本人ね)と話していて驚くことは、他の人たちの学校の教室にはストーブがあったこと。はい、私の通った学校、小中高と全部ストーブなんてなかったです。あったのは、職員室と保健室くらいじゃないですかね。

自宅だってそう。居間にこそ石油ストーブがありましたけど、子供部屋にはそんなものはありませんでした。あとになって、コタツとその周りだけ気持ち暖かくなるような遠赤外線ヒーターが導入されましたけど。ただ、正直あんなもん何の役にも立たないです。

そんなわけで、アイルランドに住むようになってからも、暖房は、基本必要最小限だけ使っていました。そうそう、最後に住んだアパートは二重窓他熱効率が良かったらしく、信じてもらえるか自信がないですが、上下左右の隣家のお陰でうちの暖房を使わずともけっこう暖かかった記憶があります。まあ、一時期一緒に住んでいたまっきー(女性)などは寒い寒いと言ってましたけど。

翻って、ドイツ。…寒いんです。これを書いてる今だって11月の終わりの夜、外気温は0度を下回ろうとしてます。なんですが、家の中は温かいのです。セントラルヒーティングとか言うんですか?遠路はるばるロシアからやって来たガスで家中が温かいのです。

そう、家中が。

これが私には耐えられないことなのです。「家中」ですよ。イナカのこと。家は無駄に広いです。使っていない部屋だってあるんです。その部屋も、温かいのです。これって無駄でしょ?その部屋に入るときに暖房つければ程なく暖かくなるんだから。

そして、この家には多くの規則があるのですが、その中の一つ。

一日一度換気すべし。

この換気がまた徹底しているのです。家中の窓を暖房を切った後に全開にします。私が仕事をしている事務所も含めて全部。そして、最低でも20分、理想的には30分ほど窓を開けて換気をします。毎日。たとえ外気温がマイナス10度でも。こうしないとカビの原因になると。まあ、それ自体間違ってないのだけれど、外気温マイナス10度でも窓を30分全開というのは…つらいです。

30分後、窓を締めたあとに再び暖房を入れるのですが、ここで私の貧乏性が発症。自分が日中いるのは事務所だけ。つまり、嫁が帰ってくるまでは家の中(といっても私達の施政権が及ぶのは2階のみ)で暖房が必要なのは事務所だけ。うん、暖房を切れば資源の無駄遣い避けられるし、家計にも優しい(と言っても家賃は光熱費込みで計算されているのでじつは家計には無関係)。うん、俺って頭がいい。

ということをしばらく続けていたのですが、おとんが文句を言いだした。なんで暖房をつけないんだって。「だっていらないんだもーん」と言ったら…

「家が傷むから、いる間は暖房を弱くてもいいからつけておくように」

というお達しが下る。

なんかいまいち理屈が理解できなかったのだけれども、家のカビ防止などのために暖房はつけておいたほうがいいとかなんとか。

というわけで、うちは家じゅう24時間暖かいです。なんかいつでも罪悪感を感じてます。いない部屋にまで暖房がついているなんて。ぶつぶつ。他方で嫁は、「なんでいっつも階下だけ暖かいのよ」とぶつぶつ言ってましたけどね。