ドイツのPBビール、500ml缶は35円なり


またLidl(格安スーパー)が攻撃的な宣伝をしてます。まずはそちらをご覧ください。


ナショナルブランドのビール(500ml)79セント
プライベートブランドのビール(500ml)29セント


このナショナルブランドのビール、クロンバッハって言うんですけどね、まあ、何の変哲もない、でも(だからこそ…かも)ドイツ内外で有名なビール。もしご存じないなら、日本だったらアサヒスーパードライくらいの知名度と思ってくださっていいかも。


もうこの時点で日本の感覚ではありえないわけです。だって、確か日本のコンビニだと500mlのビール、300円前後ですよね。おそらくスーパーの安売りで260円くらいですかね。第3のビールですら安売り価格で160円とかのはず。


なのに、このドイツの第三のビールとかじゃないビールが、安売りスーパーとはいえ79セント…日本円にして100円を切ってるんですよ(数量限定の特別価格じゃないです。いつでもこの値段)。日本のほぼ1/3の値段でビールが買えてしまうドイツ。ちなみに、駅の売店などの「ボッタ価格」になると、2ユーロとかで売ってますけど言うまでもなく知ってる人は買いません。


もう79セントという時点で「買い」なのに、これが、プライベートブランドのビールになると29セントだって言うんですよ。ざっと35円。


はいはいはい。「それは酒税の違いだ」と正論を述べられた方、それは確かに事実です。このページによると、ほぼビールの販売価格の半分が税金(酒税+消費税)。となると、大雑把に300円のビールの150円がビールの値段。


頭の悪い私にはさっぱりわかりませんが、これをどう削ってたら30円ちょっとで500mlの缶入りビールを生産できるんでしょう。缶そのものが10円以上、さらに輸送費などがかかることを考えると、いったいどーやって利益を上げているやら想像もできません。


まあいいや。別に私は日本の税金や物価の高さに文句を垂れるためにこれを書いてるんじゃないんです。その35円のビールと100円のビールを飲み比べよう…というのが本日のお話。


こう、なんの先入観も持たずにこの2つの缶を比較すると、別にどっちがナショナルブランドか(どっちが高いか)なんてわからないですよね。でも、よく見ると、クロンバッハの方は星が5つなのに対し、PB商品の方は星が3つ。…格の差でしょうか。


クロンバッハの方にはEine Perle der natur…そのまま訳せば「自然の真珠」、意訳すると、真珠の粒のような一滴のビールとでも言いたいんですかね、そんなキャッチフレーズが書いてある。それに対し、PBにはそんなキャッチフレーズは書いてないのですが、その商品名が…Perlenbacher…そう、KromのかわりにPerlenにしただけ…というもうパクる気満々の商品名なんですよね。そんな名前をつけた挙句に、あんな比較広告を出すとはLidlもいい根性してます。


よく見ると…というか触れて気がついたのですが、クロンバッハの缶はマット加工というか、ちょっと表面がざらっとしてます。まあ、だから3倍近い値段でいいという理屈にはならないわけですが。


開缶。


写真がへっぽこなのですが、色といいツヤといい泡の出方といい同じにしか見えません。飲んでみます。


正直に書きます。違いがわかりません「実は中身は同じもの」だと言われれば信じます。私の個人的な感想としてはクロンバッハ自体、大してうまいビールじゃないんですよ。特徴がないというのもそうなんですけど、なんというか、水でちょっと薄めたようなどっか抜けた味なんですよね。


こんな私、日本ではプレミアムモルツ派の人です。アサヒスーパードライは人をバカにしたビールだと思ってます(注:意見にはたいそう個人差があります)。クロンバッハとスーパードライは似ている…と書きたいのですが、スーパードライの実物が手にはいらないのでちょっと自信がないのでそーゆー書き方は避けたわけです。


こうなると、実は中身は同じもの説…とも思い始めるんですが…クロンバッハの方はアルコール度数が4.8%、パーレンバッハの方は4.9%…微妙に違うようです。


というわけで、ドイツのLidlに行けば、500mlのビールがわずか29セントで買えるわけですが…実はオチがあります。ドイツの缶や瓶はたいていデポジット(預かり金)を徴収されます。瓶の場合は一瓶8セント、缶の場合は25セント、つまり58セントを払わないといけないというオチです。もちろん店に持っていけば返してくれるんですが。