【2016年桜舞う日本新婚旅行11】そうだ また京都 行こう3 清水寺から京都駅


気を取り直して、三年坂から清水寺へ。三年坂ってグレープのLPのタイトルなだけじゃなかったのね(いつの話をしてんだよ…)


この坂道がまた例によって混乱状態だった。今回は幸いにして途中から階段という物理的障害があり、車の侵入は不可。ただしそこに至るまでは黒猫のマークをつけたトラックなどが観光客を押しのけつつ宅配をしていたが。車はいなくても今度は外国人観光客に混じって修学旅行生が大挙して押しかけてきている。


三年坂を歩いて20年以上前の記憶が戻ってきた。ここ、来たこと、あるわ。ここのおみやげ屋の店先の兄ちゃんがここにはとても書けない卑猥な言葉を使って同級生の歓心を買いつつゴミのような土産物を人を莫迦にした値段で売っていた。それを醒めた目で見てたなあ…。ただ、その覚えている風景は坂道ではなかった。明らかに記憶が曖昧になっている。


途中に茶の菓の直売店がありまして、ここが大盤振る舞いだった。一枚100円くらいするクッキーを試食品としてばんばん提供している。試食品につられて思わず店に入って買ってしまった…ふと気がつくと商魂たくましい三年坂商法にすっかりやられてしまっている。


そしてようやくたどり着いた清水寺。拝観料を払って中に入ると、修学旅行生がなんかしている。

(べ、別に女学生=激死語を撮ろうとしたんじゃないんだからね。錫杖を撮ろうとしたらやむなくこうなったんだからね)


これね、後で調べたら錫杖(しゃくじょう)って言うんだと。これを持ち上げることができるとご利益があるとやらで持ち上げている人がたくさんいたと。試しに持ち上げてみたけど、もちろんそんなご利益などツユほども信じていない。


そして、件の清水の舞台へ。


嫁の感想


ふーん。


私の感想


人多すぎ。


敬虔な信仰心などまったくない罰当たりな日本人と、日本の歴史などに興味のない外国人のコンビはかくも感動が薄い…。


清水寺のすぐ真裏に地主神社という、全国の来々軒の数とどっちが多いかいい勝負になりそうなほどのよくある名前の神社がある。回遊効果と言って良いのか、清水寺から出たら自然とそこに行き着いた。ちなみにこちらは縁結びの神様らしいが…こっちもどーでもいいな。いまさら良縁があったら、例の神社の絵馬みたいなことを祈念しなければいけなくなるぞ。めんどくさい。


そして、そののち、清水の舞台が見られる側へ行ってみる。高所恐怖症の嫁は、いまさら清水の舞台の高さに気がついて驚いている…遅い。遅すぎる。


お茶屋さんで一休みして再び清水寺への参道を降りる。


とりあえず次はどうしよう…ということになり、この時点でもう夕方5時半とか。ああ、天王山のカエルとかいうわけのわからんものを見るのに時間を費やしすぎた。もう次の観光地に行くには時間が遅すぎる。仕方ないので京都駅周辺に戻ることに。


バス停があり、結構な数の人が並んでいる(なお、そのほとんどは外国人)。時刻表を見ると、バスの本数は多い。ああ、これなら数分待てばバスに乗れるわ。


…と思った私が甘かった。そもそもが京都駅に行くバスの本数は全体の半分以下。かつ、バスが来ても…すでに満員なのだ。


結局3本目のバスにようやく乗れたが、その後の停留所でも行列ができている。運転手さんは通常中扉からの乗車なのに気を利かせて運転席近所の僅かなスペースにお客さんを乗せようと前扉からお客さんを拾ったりしていたがついには途中のバス停で、外に向かってマイクで…


「無理矢理でも乗ってくださーい。次のバスもその次のバスもこんな感じ(で満員)ですよー」


…おかしい。こんな状態で良いはずがない。そもそも論では、70年代までに路面電車を廃止してしまった先見の明のなさが問題なんだろうなあ。…まあ、それを言い出したら、日本の大都市の多くは先見の明がなかったわけだが。


タクシーに乗らなかったことを軽く後悔しつつ京都駅に到着。京都駅に来た理由…嫁のガイドブックに「おみやげが買える」と書いてあったから。…私は件のガイドブックを精読してないんだけど、よーするに、駅ビルに行けってことだよね。はいはいはい、大階段下の伊勢丹に行きましょう。


去年来た時も思ったけど、土地の使い方がどー考えてもバブル思考。


この旅でひとつ改めて確信したことがある。嫁はお茶碗だとかお湯のみだとかマグだとかそーゆー陶器類が大好き。伊勢丹でも向かったのはそのたぐいの売場。


ただ、私以上に根がドケ…じゃなかった、質実剛健なんだわ。1000円ちょっとのお茶碗を懸命に見繕ってる。お湯のみなど数点を買うが免税基準価格(10,800円)にすら届かず。


さて、夕飯はどうしようと思い、まっきーに聞いておいたおすすめの店舗数軒のリストを見てみる。うーん、どれも四条烏丸あたりのものばかりだ。京都駅は想定外だったらしい。…あれ、リストにある名代とんかつかつくらとやらの支店が駅ビルに入ってるぞ。行ってみよう。


駅ビルのレストラン街の中にたった一つだけ行列のできている店があった。ここじゃなければいいなと思ったが、果たしてそのかつくらなるとんかつ屋はそこだった。30人ほど並んでいるのだが、全員外国人。どーなってんだ、ここは。


列の先頭に店員さんがいたので聞いてみると、待ち時間は30分から45分とのこと。悩んだ末に並んでしまう。思えばこの選択は失敗だったかもしれない。


並んでいる間に日本人が何組も通過していくのだが、日本語で「並んでんの、ガイジンばっかやん」なんて莫迦にした口調で言っている。…いや、たった一人とはいえその中に日本語の堪能な日本人が紛れ込んでいるんですけどね…。


なんか知らないけど、列の前の人たち、並んでいるのは実は代表者で、他の連中は買い物に行ってるとかで遅々として行列が進まない。なので、何度も列から離脱することを考えた。


営業妨害になりそうだから店の名前は出さないけど、とんかつ屋の向かいの別のレストランなど行列がないどころか見る限りでは中にお客がまったく入っていない。なんでこのとんかつ屋だけ外国人ばかりで一人勝ち状態なのか謎。


嫁は何を注文するかさんざん悩んでいる。列の最前部に来た時に注文を聞かれる。へっ?テーブルに落ち着いたら注文…じゃないんだ。テーブルの回転率を上げたい魂胆なんだろうけど、外国人相手じゃそんな小手先の策を弄したところでどーせのんびり居座られるだろうに。


「いろいろ試してみたいの」と言い訳がましく嫁が信じられない注文の翻訳をするよう私に命ずる。


嫁:(私に)「チキンカツと湯葉コロッケと(大エビじゃないちっちゃい方の←嫁の言い訳)エビフライを頼んで」


…本気かよ。量多すぎだろと思いつつも…。


私:「チキンカツと湯葉コロッケとエビフライ…あ、これ、セットみたいに(御飯と味噌汁と千切りキャベツをつけることは)できますか?」
係:「できますよー」
私:「じゃあ、そうしてください。私はこのフツーのとんかつセットで」
嫁:「あ、このコロッケも」


は?この期に及んでコロッケつけるか?とは思ったが、揉めるのも面倒なのでそのまま注文。奥のテーブル席に通される。ふと見ると、向かいのレストランはもう閉店して真っ暗になっていた。


ようやく店内へ。待ちに待ったビールにありつく(そこ、清水寺ですでに飲んでただろうとか鋭いツッコミはいれなくてよろしい)。


落ち着いて店内を見回すと…そもそもが50人も座れないような狭いレストランなのだが、おそらく外国人客率は…100%。日本人などいない。お向かいの席はフランス人一家だし、お隣はマレーシアあたりの10人ほどの団体さん。


この状況が不思議に思えて、耐え切れずにビールを持ってきた若い女性の店員さんに聞いてしまった。


「ここは外国人のお客さんが多いみたいですが、なぜかご存じですか?」


昨日からずっと関西の楽しいノリを聞いていたので、何かしら西方土的な楽しい答えを自然と期待してしまっていた私がいた。だが、その答えは…


「そーゆーことはわかりません」


…そんなくだらねーことを聞くんじゃねー。このウスラバカ…と言葉にこそしてないものの、わかりやすく態度に出して去って行かれた。誰がどー考えてもそんなくだらないことを聞く私が悪いのだが、その場では大いに気分を害する。というか、関西での初の塩対応に大いにめげる。


ちなみにこれを書いていて、気になったので調べてみたよ。このとんかつ屋人気の理由。なんのこたーない、Tripadvisorという口コミサイトで上位に来ているだけじゃねえか。くだらねえ。


並んでいる時間を考えると待つこと1時間以上、ようやく夕飯到着。


…案の定、嫁のはとんでもない量。ちなみに、塩対応の係りさん、別添えのソースは湯葉コロッケ用などと説明すべきなのにスルー。うん、絶対嫌われたわ。


嫁は届いた食事の量に目を丸くしている。その後話してみて一つの誤解があったことが判明。つまり、ご飯や味噌汁がついているとは思わなかったらしい。


どうも、コロッケはイモ代わり…というと表現がおかしいけど、ヨーロッパの「肉、添え物、イモ」の「イモ」として注文したらしいのだ。…もしそうだとしても、チキンカツと湯葉コロッケとエビフライはすでに多過ぎなんだけどね。

(これは私のとんかつ定食)


私の方は…フツーのとんかつ定食。まあ美味しかったと思う。けどさ、京都くんだりまで来て、小一時間並んで食べる価値のあったものかというと…疑問だわ。しかも、逆恨み以外のなにものでもないけど、店員さんの塩対応もありもうこのかつくらには二度と行くことはないと思う。…正直キッチン南海のロースカツ定食のほうが味よしで、かつ値段1/3だしね…。


山陰本線に乗り、丹波口より旅館に戻る。


なお、かつくらに行ったことをまっきーに報告すると…


「並んでまで食べる価値のあるもんじゃないでしょ」


と笑われる。…なら最初からおすすめリストにいれないでほしかった。