【2015ドイツ式結婚行進曲:5】披露宴パーティ(1)

そして翌日は、夕方よりパーティー、日本的に言えば披露宴。でも、日本的な披露宴とは正直似ても似つかぬものでした。


なーんか前にドイツの結婚式のパーティーの模様をレポートした時に同じようなことを書いた記憶があるんだけど、日本の結婚式ってさ、2時間とかいう決まった時間枠の中で、まずは新郎新婦の入場から始まり来賓あいさつ、乾杯、それからお色直しに友人のスピーチにケーキ入刀にと、最後の両親あいさつと新郎新婦退場に至るまで日本の鉄道かと思うようなそれこそ分単位の計画がプランナーさんによって決められているじゃないですか。


翻ってドイツのパーティ。夕方6時に始まりました。そして翌朝の3時近くまで続きました。…つまり最大9時間。9時間も一体何をしたんだ…って話になると思うんですが…そうですねえ、「ダラダラ」しました。


午後6時開宴ってことだったので、ほとんどの人が午後6時までに集まってくださった。ごく一部の例外として、日本やアイルランドから来てくださった「海外組」の一部が1時間に1本しかない列車で到着したので若干遅れたのだが、さすがドイツ人、6時といえばちゃんと6時に集まってくれた。とりあえずウェルカムドリンクでもてなす。


いきなり生々しい話なんですけどね、今回の結婚式、飲み放題プランも可能だったのだが、あまり飲まない(と思われる)日本人とかがいるので、敢えて飲み放題プランは選択しなかった。この「飲み放題プラン」を選択すると、食べ物の料金より飲み物の料金のほうが高くなるのよね(どんだけ飲むんだ…ドイツ人)かくして、ここでのスパークリングワインなどは全部1杯なんぼで請求書に加算されていった。


ついでに書いちゃうと、ドイツのイナカって日本もそうなのかもしれないけど、やることがないのよね。なので、誰かの「ハレの日」となる結婚式となると、かなり気合を入れて飲み食いをするひとが多い気がする。

(続々と到着される参加者の皆様)


ドイツの結婚式では日本みたいに新郎新婦の入場です!とワーグナーだかメンデルスゾーンだか知らんがの結婚行進曲とともに会場に入るような辱めは受けない。その代わりに会場内部の入口に近いところに待機して続々と到着するお客様とあいさつ。このやり方のほうが私の性に合ってるわ。


ご祝儀、いただけるんです。ドイツでも。これは新郎新婦の裁量に任されている部分もあるんだけど、人によっては「もの」を頼む人もいるし、「現金」を頼む人もいる。


「もの」の場合、まあ、よくできてるのよ。これは、私達はやらなかったんだけど、指定するデパートでリストを作る…ということもできる。例えば、新婚生活でいろんな家財道具がいるとして、トースターに、鍋に、お皿に…と新郎新婦がほしい物リストを作るわけ。それをデパートで登録すると。


で、今度はゲストがデパートに行き、専用のカウンターや専用の機械に予約番号を入れると、そのトースターに鍋に…というリストが出てきて、その中から好きなものを早いもの勝ちで選んで買う…なんてことができる。確かにこの方法だと、トースターを5つもらう…なんて悲劇を防ぐことができて合理的。だけど、お客さんに要求しているようでどうも気に入らない。


それ以上にさ、私がこの方法を選ばなかったことは、デパートに魅力を感じなかったこと。私の場合、セールとかそんな機会じゃないとデパートで買物をすることは皆無に等しい。


だってさ、安売り店で20ユーロで買えるトースターをなんでデパートで40ユーロで買わなきゃいけないの?というセコい発想がデパートで買物をするということを妨げるのだ。実際、件のリストでセール品を買う訳にはいかないから、デパートの通常価格でリストは作られる。裏事情は知らないけど、この結婚式のリストはデパートのいい収入源になっているのではないだろうか。


ちなみに嫁は、記念になることもあるのでこのリストで何かすることを主張していたのだが、上のような理由で却下した…いや、却下するようにお願いした。まあ、もうひとつ理由を挙げるとすれば、うち、ほとんどのものが揃っていて、特にこれがほしいってものがなかったのよね。少なくとも私には。


かくして、お客様の多くは現金を持ってきてくださった。ただ、日本みたいなご祝儀袋ってないからさ、グリーティングカードにお金を挟んで持ってきてくださる方もいらっしゃれば、記念品を持ってきてくださる方もいた。


ここまで書いていいんかい…という気もするが、興味がいる人もいると思うから書いちゃえ。このご祝儀、家族とかを除けば相場は他は知らんがこの近辺での50ユーロ。ごく一部の気前のいい人が100ユーロ包んでくれた人がいたけど、人によっては20ユーロとかの人もいた。ただ、どう転んでも大幅に赤字だった。それ自体覚悟の上というか、結婚式でひと儲けをしようなんて毛頭考えてないからいいんだけどね。


ついでだからご祝儀の品々をちょっと写真で紹介。

(アルミ箔に包まれているのは€50札)


こんな感じで現金を折り紙にするって割りと普通。難点は壊す(換金する…じゃ表現がおかしいか)のが惜しいこと。なんだかんだで銀行の窓口に持ち込みましたけどね。伸ばしたとはいえ折り紙化されているので機械での入金はできず、係の人にお願いしました。係の人は慣れた様子で対応してくださいました。


砂の中には…


…€50が埋まってました。


子供用のチョコレートを模した巨大な卵には…


現金がわさわさと。


…この招き猫、バッテリーで動いているのですが、単三電池1本で腕が半年以上動き続けました。すごいな…と思ったのですが、いざ電池を変えてみると全く動かなくなりました。さすが中国製…などと書くと怒られそうなので書きませんけど。