続:4月バカの日は私の誕生日でした

4月1日は私の誕生日でした。


私の希望はただひとつ。


「なにもしないこと」


このトシになって1つトシをとってもいいことなんてまったくないし、祝ってくれなくていい。ただ静かに一日を過ごしたかった。まあ、この辺の話は1日の日記に書いた通り。


ところが。


世の中にはそう思わない人がいるんだな。もっと正確を期して言えば、そう思わない人に囲まれて暮らしているらしい。すなわち、ドイツの常識では誕生日を祝わないというのはありえないらしい。それがいくつであっても。


まあ、誕生日を祝ってくれる人が周りにいることには感謝をしなければいけない。私のことを思ってくれる人がいることを感謝しないときっとバチが当たる。それは認める。そこで私は最大級の譲歩をした。Cさんに言ったのだ。


「5月にお前の誕生日と同時に祝う会を開くならいいぞ」


交渉成立。こうして5月にCさんの誕生祝い(ついでに私の)というのを開けばいいと。


…ところが、これでは逃げきれなかった。


Cさん:「朝がいい?昼がいい?」
私:「へっ?5月の合同誕生会?」
Cさん:「そうじゃなくて。土曜日に身内だけで誕生会開くから」


…結局やるんかい。どうやら私には拒否権というものは存在しないらしい。ここでゴネてもどうせ負けるのは分かっている。ならば、朝がいい…ということになった。


土曜日の朝。この日はイースターのGood FridayとEaster Sundayの間の日。つまり、スーパーなどの店は、金曜日・日曜日・月曜日と休む中で間に一日だけ開くわけね。つまりは、スーパーが混む可能性が高い日なのだ。


朝の8時に買い物リストを片手に家を追い出された私。Cさんの車でまず銀行へ行きATM(私)がATM(銀行)でお金をおろし隣町のスーパーへ(ちなみに私の車は未だに影も形もない)。なるほど、朝の8時にもかかわらず、駐車場、混んでいる。


ドイツのスーパーの入口には必ずと言っていいほどベーカリーがある。10人くらい並んでいる。…後回し。


ごちゃごちゃした買い物リスト、ケチャップとかハンドソープとかおいおい今日の「朝食会」とか関係のないものが並んでいるぞ。それ以外は…ほとんどがベーカリーと精肉カウンターじゃないか。


ここの精肉カウンターはかなり充実している。鮮魚コーナーがないことがないことからしてもその充実ぶりは際立っている。まあ、需要と供給のバランスが取れてこうなっているのなら、このあたりのドイツ人は魚など食べないっていう極論に至ってしまうんだろうなあ。


で、サラミとかさ、いろいろ選んでたら次の行見て呆れた。


豚ひき肉1キロ。


何すんのよ?(いや、何するのはわかってる。でもホントに1キロもいるの?)


そののち、ベーカリーでパンを山ほど買い帰宅。


結局Cさんの家族とごく一部の親類の計8人で朝食会となったわけですが、


…こうなったと。


ひき肉はどこに行ったかというと、テーブルの中央に注目。


イースターバニー(豚の挽肉製)


もちろん、食べるんですよ。豚の挽肉。…生で。お好みで、生の刻んだ玉ねぎやうさ美の下に敷かれているハーブ類、またはマスタードなんかとご一緒にパンに乗っけてお召し上がりください。Mettっていうんですけど、パンに乗っけるとMettbrötchenという食べ物になります。俗称では(Feuerwehr-Marmelade)「消防士のジャム」などと呼ぶ人もいるとか。


ちなみに私、何度も食べてますが、未だに生きてます。もっと言えば、一度もお腹を壊したこともありません。ただし、食べるのは「買った日限定」です。1キロもあると当然残ったので、残った分は、残った刻んだ玉ねぎなどと一緒にこねこねして私がハンバーグにしました。